発吃 一歳10ヶ月


結婚生活18年目にして
待望の我が子が誕生しました。

生まれた瞬間に思った事は、


こんな私でも、赤ちゃんが産めたんだ!
やっと夫に我が子を抱かせてあげられるんだ!
やっとやっと、わたしはお母さんになれた!!

喜びと誇りでいっぱいでした。


だけど、産まれた時から感じていた
違和感。


おっぱいが吸えないとか、
繊細で、四六時中抱っこしないとギャン泣きして

寝たと思ってもほんのわずかな物音にもすぐに起きてしまう子。


分離不安で、癇癪がひどくて、
感覚過敏のある息子。


息子は可愛くて愛おしい…
本当に愛おしい。
だけどフラフラ。


睡眠もままならなく、四六時中一緒にいる中で、


私の気力、精神力、体力が全て
限界に来てきた2020年8月、


私は39歳、息子は1歳10ヶ月。


旭川の暑い夏が少し経過したお盆を過ぎた頃、
息子は難発からの症状で発吃しました。


吃音のある子のお母さんって
我が子の発吃した日を
大体覚えているものなのですよね。

(どうしてかという話はまた、いつか)



その日の息子はご機嫌で、
無邪気にダイニングで、ぺちゃくちゃとおしゃべりをしながら自分でご飯を食べていました。


息子は口の多動もあり、お喋りで
発話も早い方でしたので言葉については
何も心配はしていませんでした。


私は向かいのキッチンで、
もう、なんでもいいからと、
自分の食事の用意をしていたんです。

すると息子は、
突然咳をするようにしてむせました。


ん?と思った私は近づくと


もうすぐに、次には息子の言葉が出ませんでした。

いつものやかましいほどの「ママ」の声が
出ませんでした。

息子は喉に手をやって、顔を真っ赤にして
何回も「ママ」と言おうとするのですが
「マ」の声が出ないのです。

私は喉詰まりかと思い焦りました。

背中をポンポンと叩いてみました。


けれども、それとは違うということが
ゆっくりと

私の中でわかっていったような記憶があります。

「あぁ… きたのか、この子にも」

サーーーっと、血の気がひいていった
夏の日。


夫と同じく、息子にも吃音が出た始まりの日でした。


「やっぱりか、、
この子、そうだよね。育てにくいものね、
私に幸せな子育てなんてないよね」


生まれ育った環境が良くなくて

欲しかった愛情が足りなくて、

外からは自信があるようにみえても

元々の自己肯定感が低かった私。


子育てに疲れ切っていた私。


そして、吃音のある大好きな夫。


私は、静かに泣きました。


泣きながら息子の背中を撫でて、

「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ」と

何度も何度も言っていました。










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