チャールズ・クレイジー・ゴリラ・ムニオ？

格闘技界隈のツイッターはこのコンプライアンスの時代にあっても、かつてプロレスマスコミが作り上げた「トラッシュ・トーク（汚い言葉や挑発）」で盛り上がる前時代的な気質を残したある種異様な世界と言えるが、その中でも一部から強烈なヘイトを集めている個性的なアカウントがある。

（関係ないけどcode表示の↓横スクロール、カッコよくない？積極的に使ってこ？）

チャールズ・ムニオ
@munio0504
「人の過去をペラペラ喋る輩」ってアンチ君に言われた事あるんだけど、俺から言わせてみれば自分の過去を語ったら神の子が出てくるってだけだから。 まぁアンチ君の辛口意見も大事だと思ってますんで来年もアンチ君拡散よろしくな！
午前1:00 · 2020年12月18日·Twitter for Android

格闘技界隈で「神の子」といえば先年、癌で亡くなった総合格闘選手の山本 “KID” 徳郁（のりふみ、1977年3月15日生─2018年9月18日没享年41歳）氏を指すわけだが、界隈では著名な格闘技ジムであるKRAZY BEE（クレイジー・ビー）には人気の堀口恭司選手や矢地祐介選手の他に「多くの無名な格闘技選手」が在籍していたことは確かで、彼もそういった無名選手の一人だということになるのだろう。

その山本キッドの「元愛弟子」が、今どういった活動をしているのか。

意外にも彼は今、小説を書いているという。


いわゆる「脳味噌まで筋肉」が世間の自称・元格闘家への一般的な評価である。となると、見ている方が恥ずかしくなるような痛々しい文章を綴っている可能性がある。

サラリーマンのビジネス鞄を「あのバック（✖️bag）」と呼ぶ、いい感じに間の抜けた言語感覚はやはり我々が勝手に格闘技愛好家に抱くマイルドヤンキーイメージを裏切らないわけだが、なぜかそこには独特の愛嬌というようなものが漂っている。

認識のフレームだとか、教育の程度だとか、教養の深さだとか、体に染み付いた文化だとか、そういう括り方も出来なくもないが、やはりここは手垢のついた表現ではあるが「個性」を感じる。

その個性は、決して突出した異常性や猟奇性や暴力性ということではなく、実際にそこにいて本人が喋っているような文体、非常に強い自尊心やプライドの表出の隣に何の衒いもなく存在している己の弱さや繊細さの自覚。そしてそれが、誰だってそうだろう？と我々に表情で語っているような、そんな

「（ちょっと年の行った）若者」

の綴る文章が、意外にも心地よく感じるのだ。意外にも、というのは、やはり、ポイントポイントで腹が立つようなものの言い方があるわけで特に山本KID徳郁さんや山本ファミリーやKRAZY BEE（クレイジー・ビー）に思い入れのある格闘技ファンからは、もう喋るなと言いたくなるような内容も含まれている。それでも、もしかするとそういうことがあったのかもしれないと思わされるような、リアルなストーリーがそこに描かれているのも確かなのだ。

よく読み込んでいくと、様々な事実が、本人の主観によって受け取り方が変わるような場面が多く出てくる。その意味で、やはりこれらの文章は全てフィクションなのだ。ノンフィクションフィクション、あるいは、文学。

これを私小説だという風に読むには、あまりにもライト感覚だがもしかすると本人の頭の中が、これほどまでに軽快なのだとしたらちょっと楽しい気持ちになってくる。この人物と仲良くなったらちょっと楽しいかも。

残念ながら著者は既婚者らしく、幸いなことに一児のパパで愛娘のエピソードを軽率に（ジョークです）Twitterに投稿しているやっぱりよくありがちなマイルドヤンキー風のお兄さんなのである。

そのどこにでもいそうなSNSのよくある風景と、#note に投稿しているよくわからない小説や、よくわかりすぎてまずいんじゃないか？と思うくらいのノンフィクション小説との取り合わせが、なんだかちょっと羨ましく思えてくる。

草下シンヤ/作家&編集者
@kusakashinya
虚飾のないリアルな出所後の生活が描かれています。文章も読みやすいのでぜひ読んでみてください

午前10:42 · 2020年10月30日·Twitter for Android

更生ってなんだろう？
もしかして俺は更生してるのかも｜無二男 @munio0504 #note

幸せなんだか幸せなんじゃないのかそういうことを心配する以前に、彼が名門格闘技ジムKILLER BEE（キラー・ビー、当時）在籍時に経験したとする破天荒とも言えるエピソードや現在のある意味格差社会のリアル、楽しげなる現在の執筆活動のほほえましさ、そのギャップに萌える。

この人物の文章が商業的に成功するかどうかは全く知らないが、普通に魅力あるし仲良くしたくなる人よねと思った。

最近はIPアドレス漏洩とかcakes炎上とかちょっと気になることが多くて過去2年間のノートを全て非公開にし #note は書くではなく読む＆サポート専用にしていましたが、久しぶりに日記代わりにこんなものを書きましたおしまい