見出し画像

執筆(2冊目)の振り返り|Google Apps Script×ChatGPTのツボとコツがゼッタイにわかる本

2024年3月16日に『Google Apps Script × ChatGPTのツボとコツがゼッタイにわかる本』を出版しました!
出版してから1ヵ月経ってしまいましたが今回の執筆について振り返ります。
ちなみに、長いです。

2冊目を書くことになった経緯

2020年末に1冊目の『Google Apps Scriptのツボとコツがゼッタイにわかる本』を出版しました。

こちらが パソコンスクール アビバさんのGoogle Apps Script講座 にも採用されたこともあって、ありがたいことに紙の本の在庫がなくなり、2023年4月、出版社さんから増刷を検討したいと連絡がありました。

しかし、Google Apps Scriptの開発画面が大きく変わっていたため、増刷は見送りとなりました。その代わりにもう一冊、Google Apps Scriptと流行のChatGPTで本を書けませんか?と編集者さんから提案を受けて打合せをしたのが2023年6月でした。

目次案の作成

編集者さんから依頼を受けてもその時点で出版が決定するわけではありません。こちらが新しい本の目次案を作成し、それを元に編集者さんが企画書を作成して、出版社の企画会議で承認される必要があります。

8月初旬に目次案を作成し、8月中頃に編集者さんが企画会議で提案してくださいました。
この時点でタイトル、本の大きさ、ページ数、執筆期間、スケジュールなども決めていきます。
執筆期間は4ヵ月ほど欲しいとお伝えしました。この時点で8月なので12月末に脱稿(原稿を書き終える)の想定です。

最初につくった目次案(最終的にだいぶ中身が変わりました…)

企画承認→執筆開始するも挫折

企画会議は何段階かあるのですが、8月下旬には企画が承認されました。ここから執筆が始まります。

今回の執筆ではちゃんと執筆日記を書こうと思って意気揚々とnoteを書いていました。

が、それも長続きせずなかなか筆が進みませんでした…
言い訳をすると、末っ子がまだ1才になったばかりでなかなか集中できる時間がとれなかったのと、仕事上もいろいろあって人間不信に陥り珍しく体調崩すなど辛い期間が続きました。

潔く執筆を諦めた3ヵ月

執筆しなければいけないのに時間がつくれない焦りと、仕事でもメンタルやられてモチベーションが上がらないという、完全な負のループに陥りました。

さすがにこのままではマズいと思い、執筆活動を諦めました。1歳児の世話も仕事の闇も抱えたままでしたが、執筆を諦めたことでメンタルと体調は持ち直しました。

勝負の年末年始

当初は12月末に脱稿予定でしたが、どうしても間に合わないので編集者さんにお願いして年明け脱稿に変更していただきました。
幸いなことに、奥さんが子ども3人を連れて年末年始に実家に帰ることになったので、2週間くらい1人の時間を作れることになりました。

この年末と年始に2日ずつ、計4日間の有休を取得して、どうにか年始までに書き上げるように時間をつくりました。

結局自分の部屋がいちばん集中できる

年末年始に入り、集中しようと意気込んで近くのカフェやマクドナルドなどを巡りましたが、なかなか集中できませんでした。
せっかく有休まで取ったのに計画どおりに進まない状況に焦りました。

いろいろとウロチョロした挙げ句、食欲に負け、時間ないのに何してんだっていう(笑

で、いろんなことを模索した結果、最終的に自分の家、自分の部屋が一番集中できることがわかりました。

ちなみに自分の家のPC環境はこちらのnoteで公開しています。

家の外で執筆するとノートパソコンの1画面だけに制限されるんですが、よく考えると自分が書く本の場合、画面キャプチャを200枚以上も使用するんですよね。
となると、ディスプレイは2画面以上あった方が効率が良いわけで。これに気付くのに3日かかりました。笑

終わりが見えない焦りでAKBにハマる

1人の年末年始だったわけですが、執筆があるので寂しいとかはまったくなく、年越しの瞬間も執筆していました。

あ、嘘です。年越しの瞬間はHIKAKINの結婚報告をプレミア公開で見てました。すみません。

(いま振り返ると結構Xに投稿してるな。そんなことせんで集中しろと過去の自分に言いたいw)

そんなこんなで年が明けても、なかなか終わりが見えず。
このままじゃダメだと絶望感を感じていたのが1月2日。どうにかメンタルを保つために音楽を聴いたのですが、AKB48好きな友人が推していた『どうしても君が好きだ』に突如どハマりしました。

音楽はあまり詳しくないですが、このマイナーコードから始まる悲壮感あふれるイントロが、いまの自分の焦る気持ちを表しているようで絶妙にマッチして、延々とリピートしてました。

このイントロを聞くと「書かなきゃ!」というスイッチが入ります。
ちなみに歌詞はあまり気にしない派です。

40才でも多少は無理できると知る

年末には有休を取って時間をつくったんだから、生活のリズムは守ろうと思っていましたが、年が明けると、いよいよそうも言っていられなくなりました。

もともと夜型人間だったので、ずるずると寝る時間が遅くなっていき、最終的に、午前2時まではOK、という自分ルールが爆誕していました。
実際に本の中でも実行ログの画面キャプチャを見ると、年明けのだいぶ深い時間のログが載っていたりします…。

ただ、1月のマラソン大会のために練習していたこともあり、体力的には問題ありませんでした。40代でもまだいけるぞ、と。
とはいえ、執筆が終わった現在でもたまに午前2時ルールを使ってしまっているので、そろそろ改善したいとは思ってます…。

話を戻しまして、そんなこんなで、どうにか年初に書き進め、1月8日(正確には1月9日の午前2時…)に編集者さんへ原稿のWordファイルを送りました。

なんとかギリギリ間に合ってよかった…!

ページ数足りない問題

Wordで書いた原稿は、出版社の制作の方がDTP(デスクトップパブリッシング)といって印刷物となるデータを作成してくださいます。
当初のスケジュールより1週間以上も早く1月16日に初校のPDFがあがってきました。

制作の進行表

そこで発生したのがページ数全然足りない問題。
企画段階では前著と同様に332ページと決まっていたのですが、今回の原稿を元に制作した結果、200ページに。

まさかの100ページ以上足りないと言うことで、ここから追加で執筆することになりました。
自分は脱稿したつもりでいたのに、再び過酷な執筆の日々に逆戻りしました…。

PDF一括作成のスクリプトを追加

この時に追加したのが、スプレッドシートからPDFを一括作成するサンプルスクリプトでした。
Googleドキュメントでテンプレートを作成し、置換用のワードを入れてPDFを一括で作成するスクリプトです。

既にドクターメイトで同じようなスクリプトをつくったことがあったので、こちらを改めてChatGPTを使ってコードを生成しました。
幸か不幸か、この時ChatGPTがいくつかミスをしてエラーが発生したので、そのエラーを修正する課程も掲載しました。

ChatGPTは結構ミスをするので、生成したコードを実行したときにエラーが発生することがあります。本書ではエラーが発生したときにどう修正する(させる)か、についても掲載しています。
エラーが出ても対処法がわかっていれば安心ですよね。

そのほかにも各スクリプトに概要図を追加したりして、最終的には9万文字→11万文字の20%増しとなり、盛りだくさんの内容になりました。
最終的にページ数も、300ページには足りないですが、276ページで出版できました。
(前著は長すぎたので、個人的にはちょうどよいページ数になったと思ってます)

校正とカエルコメント

さて、追加コンテンツを書き上げた後は校正とカエルコメントです。

「カエルコメント」って何?って思いますよね。
『ツボとコツがゼッタイにわかる本』シリーズでは、本の中のあちこちにカエルが登場します。

ちょっとナナメから補足や解説をしたり、ときにはリアクションをしたりして、読者に寄り添うコメントをして、学びを深めてくれる貴重な存在です。

では、このカエルのコメントは誰が書いているかというと…、当然、本の著者です。
なので、本文とは別に、初回の校正時にカエルのコメントを書き上げる必要があります。

筆者からすると、「やっと脱稿できた〜!」と思ったのもつかの間、次に待ち受けている大きなハードルです。
前著ではそれを知らなかったので、だいぶメンタルをやられましたが、今回はカエルの心を憑依させて無心でコメントを書き続けました。笑

ちなみに前回の執筆日記でもカエルの話を書きました↓

本書では、ほぼすべての画面キャプチャにカエルのコメントを入れました。200以上の画像を使用しているので、200以上のカエルコメントを書いています。

著者がカエルを憑依させて書き上げたカエルコメントにも、ぜひご注目ください。笑

カエルコメント

何回校正しても完璧にならない

さて、校正については、初校校正→再校校正→念校校正と、スケジュール上3回あったのですが、予定より早めに進んでいたので、念校の後に追加の校正も行いました。

毎回これで完璧だ!と思って提出するのですが、全然完璧にはならないんですよね。結局、毎回あれこれ気になって大量の修正箇所になってしまい、制作の方にはご迷惑をお掛けしました。。

とはいえ、校正時に何回も自分の原稿を確認することになるので、段々と自分の本に愛着がわいてくる作業でもありました。

表紙の色どうするか問題

シリーズもの(ツボとコツがゼッタイにわかる本シリーズ)なので、著者が表紙のデザインを細かく決めることはありません。
基本的にほぼ決まったデザインで、本によってカエルが多少異なる程度です。

(ちなみに、今回の書籍はAIということで、カエル以外に、ChatGPT、文字起こしAI、画像生成AIをイメージした3体のロボットが描かれています。チェックしてみてくださいね。)

デザインがほぼ決まっていますが、メインカラーは選べます。
ということで、編集さんから2色提案をいただきました。

赤と緑で初代ポケモンカラー…!
ポケモン世代としては出現するサンプルコードを変えて2種類出版したいところですが、それはできないので1つ選ぶことになります。

しかし、すでにExcelが緑、Accessが赤のイメージがあるので、「ピンクにするのはどうですか?」と提案してみました。

マーケティングで有名なピンク本も好きでしたし、松戸市出身なので新京成電鉄のカラーにするのも面白いな、と思っていました。

本当はショッキングピンクにしたかったのですが、そうすると「特色印刷」といって、インク代が余計にかかってしまうそうで、予算の都合もあり、ショッキングピンクより少し暗めのピンクになるとのことでした。

しかし、改めて巷でGoogle Apps Scriptの本を見てみると、結構ピンク色の本が多かったので、埋もれてしまう可能性も考え、「ピンクは諦めて赤でいきましょう」と編集さんに伝えました。

…が、そのときすでに編集さんがピンクを気に入ってしまったようで、最終的にピンクに決定しました。

結局、今回は自分でメインカラーも選べなかったわけですが(笑)、自分が提案した色を編集さんが気に入ってくれたのは、それはそれで嬉しいな、と思います。
実物も想像以上にピンクがきれいに発色していて満足しています。

本のカバーデザイン

書店用のPOP作成

さて、今回は少しでも多くの書店で平積みや面陳をしてもらえるように書店用のPOPを自らCanvaで作成しました。

今回出版した出版社さんでは著者が書店を行脚して書店員さんにPOPを配ることがNGになったそうなので、データだけお渡しして営業さんが配ってくれることになりました。

もし書店でこのPOPを見つけた方がいましたら、ぜひ教えてください。

ちなみに、Amazonの商品ページの紹介でも使わせてほしいという依頼があり、このPOPはAmazonにも載ってます。

出版記念の無料プレゼントで撃沈

さて、今回は出版を記念して10名の方に本を無償でプレゼントするキャンペーンをXで実施したのですが、応募が全然集まらず…。

最終的に20名の方にご応募いただきましたが、当選確率1/2という超高確率のキャンペーンになりました(笑

自分の影響力のなさに反省しきりですが、当選された方からは嬉しいコメントもいただけたので、やって良かったとは思っています。(プレゼントした本はもちろん自腹です)

ちなみに、ちゃんと当選者全員に一筆書きました。

紹介動画を撮影してYouTube投稿

前著でも紹介動画をYouTubeに投稿しましたが、今回も撮影しました。

動画は一発撮りなんですが、今回は2回撮影しました。
というのも、1回目の撮影は途中から1歳児が乱入してきてボツに…。

まだ1歳児は音声認識機能が搭載されていないので、動画撮影はなかなかハードル高いんですよね。。
どうにか1歳児が寝ているときに撮影しなおしてアップしたのがこちらです。

動画編集で文字起こしAIの性能を実感

この書籍紹介動画では全編で字幕を付けているのですが、そのときに、書籍の中でも紹介している、文字起こしAI(Whisper)のサンプルコードを使用しました。

Googleドライブの指定のフォルダに音声ファイルを入れておくと、勝手に文字起こししてくれるコードなのですが、文字起こしの精度がめちゃめちゃ高かったです。

当初は動画編集ソフト(Premiere Pro)に標準搭載の文字起こし機能を使用したのですが、あとから結構な修正が必要でした。
そこで文字起こしAIのGoogle Apps Scriptを使ってみたら、ほぼ修正が不要なくらい精度が高い…!

動画編集される方は、このサンプルコードを使うだけでもこの本の元が取れるんじゃないか、と思ったくらいです。ぜひお試しください。

まとめ

ということで、ダラダラと書いてきましたが、今回の執筆から得た教訓をざっくりまとめるとこんな感じです。

  • 無理ならスパッと諦めることも大事

  • 期限を切ることが最大のモチベーション管理

  • 40才でも多少は無理できる(でも無理しすぎはダメ)

この記事は6,000文字を超えてしまいました…!
長文にお付き合いいただきありがとうございました。

少し落ち着いたら、読者の方を対象にして書籍の説明動画をつくりたい、と思っていますが、長男に音声認識機能がついてからかな。。

こちらの記事を読んで、Google Apps Script、ChatGPT、プログラミングに興味がわいた方、プログラミング未経験の方、まだ手にしていない場合はぜひ手に取ってみてください。

それでは!

この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?