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アフガニスタンについて~アメリカが去った後の空白地帯~

ユーラシアグループが発表した世界最大の10リスクの一つ?


アメリカの国際政治学者のイアン・ブレーマーによって設立されたユーラシアグループは世界各国の政治、経済、安全保障について分析し、世界最大の政治リスク専門のコンサルティング会社です。
このユーラシアグループが2022年の世界がどんなリスクを抱えているか、企業経営影響がありそうな出来事をランキングにして発表しました。
その中にアメリカが世界の警察を辞めたことで世界各地にできた空白地帯が生まれ、この空白地帯が世界を脅かすようなリスクになっているというのです。
今回はこの空白地帯の中でも2021年にアメリカが完全撤退したアフガニスタンについて簡単にまとめてみたいと思います。

アフガニスタン戦争の概略


2001年9月11日アメリカ同時多発テロが発生
イスラム過激派によって旅客機が4機同時にハイジャックされ、ニューヨークの世界貿易センタービルに2機突っ込みました。
ワシントンD.C.の国防総省の建物にも1機突っ込み、残り一揆は乗客が機内で抵抗し、墜落しました。
当時私は、まだ小学生でしたがテレビでみた映像は衝撃的で、怖かったのを覚えています。
世代がバレますね(笑)

ブッシュ大統領はテロの首謀はアフガニスタンに潜伏していた反米テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンと断定します。
ブッシュ大統領はアフガニスタンを支配していたタリバン政権にオサマ・ビンラディン容疑者の身柄引き渡しを要求しますが、タリバン政権はこれを拒否します。
これを受けてブッシュ大統領は強硬にアフガニスタン攻撃に出ました。
理由は「テロリストをかくまう者も同罪!!」という事でした。
ここから始まりました。

その後、タリバン政権はすぐに崩壊しますが、オサマ・ビンラディン容疑者の行方が不明となりました。パキスタンに潜伏していることがわかり、2011年5月にアメリカ軍によって容疑者は殺害されるのです。

タリバン政権を倒したアメリカは、アフガニスタンを安定した国にすることがテロ対策につながると考えて、アフガニスタンに親米政権を樹立します。
この政権は腐敗がひどい状態となります。
2003年にイラク戦争をはじめ、アフガニスタンに駐留していた軍の大半をイラクに向かわせました。このため空白地帯となったアフガニスタンではタリバン政権が盛り返し、再度国土支配になりました。このためアメリカ軍の兵士もかなりの方が犠牲となってしまいます。
2014年にはアメリカ軍もNATO軍も大部分が撤退します。
アメリカは長引くテロとの戦いに疲弊していきました。
戦費はかさみ、資源もなく、アメリカ国民も疑問を持ち始めます。
そしてアメリカファーストのトランプ大統領が進め、バイデン大統領が後を引き継ぎ2021年に完全撤退となります。

撤退後の現在は・・・・


アメリカが去ったアフガニスタンでは再びイスラム原理主義の勢力タリバンが権力を掌握しています。。。
20年前に逆戻りです。
一度タリバン政権は崩壊しましたが、また戻って政権を取り戻しています。
現在、タリバンに対する利益供与を禁じた経済制裁によって食品や薬品が枯渇し、アフガニスタンは人道危機に陥っていて20年前よりも状況が悪化しているように見えます。

そもそもタリバンって??


タリバンとはパシュトゥー語で「神学生」を意味する「タリブ」の複数形です。
ソ連がアフガニスタンに攻め込んできたときに逃げてきた難民の子供たちにイスラム原理主義に基づいた極端な教えをたたきこみました。
この子供たちが成長しタリバン政権となり、2001年に同時多発テロを引き起こしました。

結局アメリカはオサマ・ビンラディン容疑者を殺害できても、アフガニスタンに民主主義を根付かせることはできなかったのです。
世界で起こる戦争には、それは自分たちの考えた資本主義、社会主義を他の国に押し付けてそれの軋轢で起こるということもあります。
他国に介入して政治がうまくいくわけでもないのです。
戦後の日本はたまたまうまくいきましたが(笑)

今日のまとめ


・ソ連がアフガニスタンに攻め込んだ時の難民の子たちがイスラム原理主義に基づいた極端な教育を受ける。
・その子たちが成長し2001年にタリバンとして同時多発テロを起こす。
・同時多発テロ後アメリカによるアフガニスタン戦争開始
・首謀者は何とか出来たが、その後政治介入は失敗、タリバン政権が復活し20年前と逆戻りか、さらにリスクをはらんだ場所になっている。

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