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紫太陽の成長システム

隣のN市にサボテンをメインとした「おじちゃんの店」がある。
「おばちゃんの店」同様(こちらは多肉植物店)、多肉仲間内で勝手にそう呼んでいるのだが、こちらも正しい店名を忘れているので、今後も「おじちゃんの店」で通すことにする。

おじちゃんの店は、多肉よりもサボテンを多く扱っている。というか、9割はサボテンというサボテンショップだ。
初めて行った日はそれなりに暑い日だったが、ハウスの中はかなり暑く、噴き出るように汗が流れ出た。扇子と水分は必須だ。首に巻く保冷剤があれば尚良い。ちなみにハウス系の店で多肉を狩る際は、100均のカゴがあると心強い。買い物カゴがないところが多いからだ。

ところで、この時まで私はサボテンを買ったことがなかった。もちろん他の園芸店でサボテンは見かけていたが、大方のサボテンは棘がボサボサした髪の毛のように見え、あまり魅力を感じなかった。それに棘も痛そうだ。私は少し先端恐怖症の気があるので棘は少し怖いのだ。

しかし、おじちゃんが育てるサボテンは違った。
種が違うということもあるかもしれないが、まるで美容院でキレイにセットした髪型のようで、とても清潔感があった。
生育途中の非売品サボテンですら、大きなトレイに綺麗に整列されており、その美しさは見るだけ満足させるものだった。
当然、販売用のサボテンのフォルムはただただ美しいの一言で、一瞬で今までのサボテンのイメージを覆してしまった。

私は初めてサボテンを買う気になった。この時、購入したサボテンは三鉢で、その内の1つがエキノセレウス属の紫太陽だったのだ。

その明るいネーミングと鮮やかな紫色が綺麗で、私は一目で気に入ってしまった。おじちゃんの紫太陽はまだ若いせいか、紫太陽独特のくびれがなく、それが私好みでとても良い。
フォルムといえば紫太陽は横ではなく、上にどんどん伸びて成長していくらしいが、うちの紫太陽は「どんどん」というほど伸びていない気がする。
調べると一年に一段ずつ伸びていくそうだ。まるで年輪のようだ。いや、これは地層というべきか。一段が大体4~5mmくらいなので、それで伸びていない気がしてしまうのかもしれない。
他の紫太陽同様に、蛇のごとく上へ上へと伸びていく姿には抵抗を感じるが、「1年毎に一段伸びる」というシステムは、コツコツと地道な感じがして私は親近感を感じた。
しかし、このままいくつかの季節が過ぎれば、地道とはいえ間違いなく成長していくであろう。もしこの先、みっともないくらい上に伸び過ぎてしまったら、先端恐怖症の私は胴切りすることが出来るだろうか?と考えてしまった。いやいや、とてもとても!生きているものにメスを入れるとか出来るわけがない。どんなに不格好だと思っても、伸びていくのをただじっと見ているに違いない。所詮、いざという時の処置が出来ない弱い人間なのだ。

そんな私の心配なんぞお構いなしに、紫太陽は思った以上に成長していない。というか、今年の夏で一回り縮んだ気がする。胴切りどうのこうのと案ずる未来よりも、成長システムに反したこの紫太陽を真剣に心配した方がいいのかもしれない。


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