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地獄が出逢わせてくれた貴重な友人

先日、前職の先輩が旅の道すがら、自分の勤務先を訪ねてきてくれた。私は東京から離れたところで働いているので、交通アクセスも悪い辺鄙な土地にわざわざ足を運んでくれて感謝と嬉しさでいっぱいになった。

一年ぶりに会ったその人は20キロ近く痩せたそうで、うっすらと当時の面影はあるもののまるで別人になっていた。ストレスの多い環境から脱出したからなのか、あまりにも垢抜けていて笑ってしまった(すみません)。

久しぶりの再会ということで、話に花が咲いた。お互い最悪の状態からは抜け出したので、ポジティブな現状報告をすることができた。しかし、前職の話がブラック企業のトップみたいな会社だったのでその人の口から悪口と愚痴が滝のようにものすごい勢いで溢れ出てくる。淡々と真顔で悪口マシンガントークをするのが妙にツボで笑えた。

前の職場は何もかもが終わっているこの世の地獄のような職場だった。しかし先輩と同期だけはまともな良い人たちが集まっていた(結果その同期たちの半数以上は退職した)。その先輩や元同期とは、短期間ではあるが同じ地獄空間を経験したことで、その地獄が終わった後も戦友のような同志のような良い関係が続いている。友人たちとの貴重な出会いは、唯一、前職を経験したメリットだと思っている。

私がいた一年前とくらべると、労働環境は多少なりとも改善されたようだった。私は有能な同期たちが病んで辞めていくのを見てきたので、これから入社してくる未来ある若者たちに同じ思いをさせないように、常識のある範囲まで改善されるといいなと願っている。

話を戻すと、その先輩は新しくやりたい分野を見つけたので、その方面で転職先を探すということだった。そしてゆくゆくは起業したいとのことだったので、「その時は一番に雇ってくださいね、四季ごとのボーナスお待ちしてます」と言ったら「即採用するネ」と返ってきた。本当に近いうちに実現してください。一刻も早くお金持ちになりたい。

年は結構離れているけどギャップを感じることなく、友達と話すように軽口を叩ける存在。それもその人が優しく、器が大きいお陰である。頻繁に連絡を取り合うことも会うこともないけど、どこか深い部分でつながっている貴重な友人ともいえる。誠実で素直で曲がったことが大嫌いなその人が、誰よりも幸せでありますように。

会ったら写真を撮ろうと思っていたけど、あまりにも楽しすぎて忘れました。次回は会いにいくので必ず写真を撮りましょう。

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