見出し画像

「筋トレ」と「心トレ」

この記事は、喜多川泰さんが書かれた『上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え 』を参考に書いています。
まだ読んだことのない方は、Kindle Unlimitedにもある本なので、ぜひ一度お読みください。
喜多川さんが紡ぐ言葉に心が奮い立ちますよ。


美しい腹筋を見た時

梅雨入り宣言が出され、じめっとする季節に突入しました。
その梅雨が終われば、本格的な夏がやってきます。
コロナが第五類に移行したことで今年もビーチはここ数年とは、比べられないくらいの人が集まるのではないでしょうか。

あなたがビーチへ遊びに行ったとしましょう。
あなたの近くを、海パン姿の殻の大きな男性がのっしのっしと歩いています。
その男性のお腹を見てみると、シックスパックに割れた腹筋があります。

あなたはその腹筋を見て何を思うでしょうか。

「格好いいなあ。
 あのレベルまで至るためには、数週間じゃ無理だな。
 いや、半年以上は続けているかも。
 日常的に筋トレをしているんだろうな。
 頭の中で、筋トレのことを常に考えているのかもしれないなあ。
 あそこまで鍛えられたなら、どこに出でても恥ずさしかないな。」

なんてことを考えるかもしれません。

筋トレを少しでもやったことがある人ならば、
鍛えられた腹筋を見た時にある程度は、その陰にある努力を想像することができると思います。

筋トレを続けたことがある人ならば、
続けるときのしんどさや疲労がよくわかるはずです。

いずれにしても、あの人はもともと腹筋が割れていて、何の努力もしないであの美しい腹筋を手に入れたわけじゃないということは分かります。

その腹筋を見て、あの人と同じ努力をすればきっと同じような腹筋を手に入れることができるが、自分はそれをしてこなかった。
だからこそ、あの人の努力を賞賛するのです。

では、心はどうでしょうか?


美しい心を見た時

年齢や立場に関係なく、
「この人は本当に立派な人だ。心から尊敬している。」
と思う人があなたの周りにいるでしょうか。

ここからは、その人を想像しながら読んでいただきたいと思います。

その人が、尊敬に値する言動をした時、あなたはどう思うでしょうか。

すごいなあ。
という気持ちと一緒にこんな気持ちもあるかもしれませんね。

あの人の意志の強さは流石だな。
自分も生まれつき意思が強ければ・・・。

あの人のポジティブな性格はいいなあ。
自分も生まれつきポジティブな性格でればな・・・

あの人のバシッと言えるところはとても真似できないな。
自分も生まれつきはっきり言える性分なら・・・


もちろん、人は人。
自分は自分と割り切って、自分らしさを磨いていくのも一つの道ですが、今回の趣旨と外れるのでここには書きません。

今回大切なのは、

人はいつの間にか、美しい腹筋と美しい心を別のものとして考えしまっているということです。

美しい腹筋を見た時は、その陰にある努力が見えます。

しかし、

美しい心を見た時には、「生まれつき」と言う言葉で済ましてしまう。

どこかで「自分とは初めから違っていて、追いつけるわけはない」と思ってしまっているのです。

その人の心の陰にある努力を見ないまま。


誰もが美しい心を手に入れることができる

このことについて、喜多川さんは次のように書いています。

でも、「筋トレ」を続ければ誰もがきれいに割れた腹筋を手にできるように、「心トレ」によって、心を強く、明るく、美しくすることは、すべての人ができることなんだよ。

『上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え 』(2009)
発行所  株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

心も筋肉と同じように鍛えることができる。

筋トレをする前の筋肉は、理想とは大きな差があります。

1日目100回の腹筋をしました。
2日目に待っているのは、これまでに経験したことのない筋肉痛です。

「こんなに辛いなら、やらない方がいい。」

と思いますが、このネガティブな気持ちに打ち勝って続けた人だけが、美しい腹筋を手にするのです。

美しい腹筋を手した後も、筋トレを続けないとまた筋肉は元に戻ってしまいます。
一度手に入れたからと言って油断はできません。

心にも同じことが当てはまります。

心を鍛えるために、上機嫌に良い行いをしよう。
と決めて生活します。

1日目、ゴミを拾ったり、人に親切にしたりしました。
2日目、同じように人のために行動しました。

しかし、数日、数週間と続けていくと筋肉痛のように辞めたくなる時期がやってきます。

その時に、続けた人のみが美しい心を手にするのだと思います。

そして、良い行いをすることが日常化しても、油断はできません。
筋肉と同じように、使わないと、意識しないと錆びていくものですから。

こう考えてみると、
あなたが尊敬するその人は、「生まれつき」意思が強いのではなく、意志を強くもとうと長い間意識して、行動に移しているのかもしれません。

あなたが尊敬するあの人は「生まれつき」ポジティブなのではなく、幾度となく訪れた辛い経験を乗り越え、上機嫌に過ごそうと決めているのかもしれません。

それを「生まれつき」と一言で片付けてしまうのは、心を鍛えている目の前の人に失礼に当たるかもしれません。

筋トレの努力は目に見えやすいく、想像しやすいですが、
心トレの努力は目に見えにくく、想像しにくいからです。

あなたが尊敬するあの人を、長年心トレをしている人として見てみると新しい一面が見えてくるかもしれません。

心は勝手に育たない。
意図的に心トレをしていきたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?