見出し画像

【自信を得てきた遠征】UEDA VERTICAL RACE 2019

GWを利用して、長野の上田市に遠征。5月2日3日連日でスカイランニングレースに挑んだ。スカイランニングとは登山要素が強い競技である。トレイルランニングとは違って気持ち良く走れる路面はほぼ無い。登りも急登や崖のような岩場を登り、下りは逆にガレ場や急傾斜を滑り落ちていくようなコースである。
この上田市は、スカイランニングのメッカという位置付けである。上田から世界へというスローガンもあり、今大会はスカイランニングの世界では有名で、上田市一帯が盛り上がっていた。

5月2日 バーティカル3.6キロ

この日はバーティカル競争の日だった。太郎山という山の山頂へ誰が一番速く登れるかを競うレースである。この日のバーティカルにはエリート部門と一般部門があり、基本的にはスカイランニング協会に選手登録していないとエリート部門には出場できない。そのため、一般部門3.6キロ(エリート部門は5キロ)に挑む。
麓の大星神社からスタート。面白いのは、一斉にスタートするのではなく、10秒間隔でウェーブスタート制を採用している。一般の部では年齢が高い順に2人ずつスタートとなる。自分のスタート位置に整列し、開始を待つ。どんどん先のランナーはスタートを切っていった。太鼓もドンドンと盛り上げてくれドキドキしながら待つ。そしていよいよ自分達のスタート。神社を出て坂を登り、太郎山へ入っていく。いきなり角度がそこそこキツい。ただ走って登る。先に出発したランナーをガンガン抜いていく。一応トレイルランナーとして、優勝は無理かもしれないが、ある程度上位でゴールを目指している。急なつづら折りを登り続け、少し角度が緩くなったかと思いきやまたも急なつづら折り。中盤にして早くも走れなくなった。パワーウォークで進み、前のランナーをガンガン抜いていく。息はゼーハー状態。バーティカルはこれがキツい。心拍数・足への乳酸ともにしんどくてしんどくて。自分が後続スタートのランナーに抜かれる事は無かったが、ここで1人抜かれてしまう。後続組に負ける事は大差で負けている事になるが、残念ながらそのランナーについていけなかった。そしてその心拍数マックスのまま頂上に到達。ゴール後、倒れこむように、息が中々整わなかった。一旦バーティカル部門で出し切った。あとは順位であるが、1人には勝てないが、どうだろうか。体のキレ具合から5位までに入っていたいが、どうか。
上田駅で完走証をもらい、8位と分かる。残念。全然ダメだった。ただ一応10位まで表彰されるため、大勢の人で賑わう表彰会場で8位おめでとうと言っていただく。嬉しくなく、悔しさしかない。奥三河で優勝して、その時の20位のランナーにも負けている。自分は短距離バーティカルもしくは短距離スピード競争はまだまだ弱いと再度自覚。とりあえず明日のスカイレースを頑張ろうと思い、1日目を終える。

5月3日 スカイレース20キロ

悔しかったバーティカルから一夜明け、気を取直してスカイレースに挑む。昨日と違うのは、登り一本勝負じゃなく、数回の登り・下りも含めての総合勝負である。ただ20キロと私の得意距離ではない。私のように2日連続で出場するランナーも多く、昨日のバーティカルチャンピオンもスカイレース参加していた。昨日のリベンジを果たしてやると意気込む。
スカイレースも一般の部とエリートの部があり、エリートの部は30キロとなっている。その為1時間早く、一斉スタートとなっていた。一般の部も9時に一斉スタート。この日も大星神社を抜け、太郎山へ入っていく。割とみんな飛ばしていく。20キロというショートレースではあるが、昨日の急傾斜を把握していると飛ばしたら後でバテる事は明白。バーティカルチャンピオンが先頭を切っていった。昨日と同じルートから外れ、一旦下りさらに角度が急な崖を登って行く。ここは走れる人がいない。最初から抑えて入っている為、余裕がこの日はあった。太郎山の頂上に到達した頃にはチャンピオンも含め、全員抜いていけた。チャンピオンは抜き際に、飛ばし過ぎたーと早くもバテバテモード。後続のランナーのパワーダウンも著しく。太郎山の山頂(全体コースの4分の1)地点にて、今日はいけるかもと感じる。
見晴らしの良い稜線を気持ち良く走り、岩場ゴロゴロの下り地点に。ここで後続の赤いタンクトップのランナーが迫る。え、速いな!と思い気を引き締める。あまりにも下りが速く、前を譲る。ここでゼッケンの色の違いに気づく。エリート部門の選手だ。しかも、誰もが知ってるトレイルランナーでもある近藤敬仁さんだった。近藤さんはトレイルラン世界選手権の日本代表でもあり、赤いタンクトップには日本国旗が貼られていた。もちろん私も存じ上げていて、近藤さんと部門は違えど、同じコース(この先は一般もエリートも同じルートでゴールに向かう)で走るなんて。ついていけるだけついていってみようと思った。エリート部門と一般部門の先頭がデットヒートという不思議な場面。テクニカルな下りは早く、少し離されるが、登りでは負けていない。その後ずっと並走し、日本代表とガチバトル。ただ近藤さんは10キロ余分に走って登ってきてなので、そのハンデはある。一般の部の後続ランナーの事はもう意識に無かった。スカイレースの登り下りはまともに走れる区間がほぼ無く、全く退屈はしない。その分しんどい。
その後大きな下りで近藤さんを引き離し、最後登り返して、大星神社まで下ってゴール。日本代表に競り勝った(距離がそもそも違う)と自己満足し、この日のスカイレースを制する事ができた。後続とは10分差だった。気持ちよく滋賀に帰れそうだ。

その後、上田駅前にてスカイレースの表彰式を経て、GW二日間の長野遠征が終わった。2日連続でレースに出る事がとても楽しかった。少し上田市は遠いが、トレイルレースも数多く開催されており、可能ならばまた何度も来たいと思える場所だった。トレイルランニングだけでなく、スカイランニング協会に選手登録してエリート部門での戦いが出来ればいいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?