大した読書家でもない素人がある日突然モノ書きをしてみたくなって作ったアカウントです。 …

大した読書家でもない素人がある日突然モノ書きをしてみたくなって作ったアカウントです。 思いついた小説を不定期で書きます。 今まで小説を書いた経験がないので拙いかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。

マガジン

  • 凪の短編小説

    小説を書くのはこれが初めてですが、自分なりにやっていきます。

  • 凪のショートショート

    ショートショートの定義は様々あるようですが、ここには自作の短編小説のうち2,000字以内のものを収録します。短時間で読みたい時などに。

  • 凪のあとがきのようなもの

    公開済みの作品に関する製作裏話や考えていたことなど、あとがき的なもの。

最近の記事

面白いくらいネタ切れです。 いや、思いついたネタは単語レベルで一応ストックしているんですが、ひとつの話として書こうというモードにならない日々です。 またマイペースにゆるゆる書こうと思います。

    • 【短編小説】魂売り

      「はいはーい、魂、魂はいらんかねー」  今日も魂売りがやって来た。  ここ天国では、定期的に魂の売買が行われる。  魂は言わば現世への切符のようなものだ。  魂を購入して現世に行き、そこで受けた生を全うした者は、基本的には天国に送り返される。  天国の住人は、ちょっとしたアトラクション感覚で現世に行くのである。  天国での記憶は現世に持って行けないが、現世の記憶は天国に持ち帰れる。  天国ではもっぱら現世でどんな経験をしたかが話題になる。 「おっ、魂売りが来たぞ。また現世に

      • あとがきのようなもの2

         実際に、私の前を走る車がエンジンキャップを開けたままなのを見かけてコンビニの駐車場に着いて行って運転手にそのことを伝えた経験があり、それを元ネタに書いた話です。ちなみに別に私はパッシングしてないですし、イカついおじさんでも何でもありません。  ある程度緊迫感を持たせたまま一気に話を進行させ、最後のあっけないオチで「なんだしょうもない」と脱力させられるような作りにしようと、自分なりに腐心しました。  毎週ショートショートnoteのお題に参加させていただいた作品です。  お題

        • 【短編小説】こたつ記事

           こたつ-きじ【炬燵記事】  独自の調査や取材を行わず、テレビ番組やSNS上の情報のみなどで構成される記事。  主に、閲覧者数を増やす目的で作成されるインターネット上の記事についていう。自宅で、こたつに入ったままでも作成できるということからの名。 「へぇー、こんな言葉があるんだ」 「え、なになに?」 「ほらこれ。『こたつ記事』だって」 「ふーん……そう言えば最近この手の記事多いよな。話題のツイートをまとめただけのやつとか、テレビやラジオの発言を切り取ってまとめただけのやつと

        面白いくらいネタ切れです。 いや、思いついたネタは単語レベルで一応ストックしているんですが、ひとつの話として書こうというモードにならない日々です。 またマイペースにゆるゆる書こうと思います。

        マガジン

        • 凪のショートショート
          10本
        • 凪の短編小説
          18本
        • 凪のあとがきのようなもの
          2本

        記事

          あとがきのようなもの1

           いつも作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。  読んでいただけるだけでも既に十分嬉しいのですが、特に「スキ」を頂けた時なんかは天にも昇る思いでモチベーションが爆上がりします。  最初は「特に文才があるわけでもないんだし、名作や超大作を作れるわけでもないし、所詮は自己満足なんだから、チラシの裏にでも書いて自分一人で読んでおけばいいのでは……」と思ったこともありました。  ですが現在では、人様に読んでいたけるように、楽しんでもらえるようにという意識で書くことによって

          あとがきのようなもの1

          【短編小説】ホームレスと幼女

           冷たい秋風がぴゅうと吹き、落ち葉がカシャカシャと音を立てながら地面を滑っていく。  男は丸めた毛布を脇に抱えて河川敷を歩いていた。  年齢は四〇歳と幾つかというところだが、そのみすぼらしい外見のため彼は実際よりも随分と老けて見えた。  男は内心ホクホクだった。 (こいつは大収穫だ。こんなに綺麗な毛布が手に入るとは、今日はついてるな)  大方、本格的な寒さに備えて衣替えをする際に新しいものを買う代わりに捨てられたのだろう。  これから冬が来る。段ボールと新聞紙だけではやはり

          【短編小説】ホームレスと幼女

          【短編小説】塔に棲む少女

           この世界のどこかに、大きな大きな塔があるといいます。  いったいいつ、誰の手で、何のために作られたのかも分からない古い塔です。  満月が出る晴天の夜にだけ姿を現すという不思議な塔。  そこは呪われているとか、悪魔が棲んでいるとか噂されていました。  人々は口を揃えて「決して人が立ち入ってはならない場所だ」と言うのでした。  とある小さな村に住む少年は、幼い頃から外の世界への憧れを抱き続け、やがて青年になりました。  大人になった証として世界を旅して、見たもの触れたものを一

          【短編小説】塔に棲む少女

          【短編小説】豚の貯金箱

           ぼくのへやにはぶたのちょ金ばこがあります。  おかねを入れると「ちゃりん」という音がします。  ぼくはお金をためて、うちゅうりょこうに行くのがゆめです。  少しずつ、おこづかいをちょ金しています。  ある日、クラスのとなりのせきのミカちゃんとけんかをしました。  今までぼくといっしょにあそんでいたのに、さいきんはほかの男子といっしょにあそぶようになったのが、なんだかむかついたからです。  ぼくは、ブスのくせにちょうしにのるなとか、ひどいことを言いました。  ミカちゃんは泣

          【短編小説】豚の貯金箱

          【短編小説】深夜ラジオ

           ずっと夜が続けばいいのに。  私はベッドの上に体を横たえて、ぼんやりとそんなことを考えていた。  視界の端には網戸越しの夜空。雲の切れ間から星と月が見える。  網戸の向こうからは、何千何万匹いるのだろうというほどの大音量でカエルがゲコゲコと合唱してる音が、うっすらと聞こえる。  大音量なのに“うっすらと”というのは、私が今イヤホンをつけており外界の音がある程度遮断されているためだ。  イヤホンのコードは携帯ラジオと繋がっている。  私は真夜中が好きだ。  皆が寝静まり、昼

          【短編小説】深夜ラジオ

          【短編小説】中華そばと焼きめし

           転勤で新しい街に引っ越して早五日。荷物の整理などもある程度落ち着いてきた頃。  これまではバタバタしており、自宅周辺の地理といえば職場とコンビニの位置くらいしか頭に入っていなかったが、そろそろ近所の様子をある程度把握しておきたいところだ。  時刻は午後七時過ぎ。丁度腹が減ってきたところだし、近所の美味いメシ屋の開拓でもしに行こう。  そう思った俺はケータイとサイフを手に、サンダルを引っ掛けて玄関のドアを開けた。  俺が引っ越して来たのはとある地方都市。  東京ほどの都会で

          【短編小説】中華そばと焼きめし

          【短編小説】雪の旅

           ぼくは高い高い空の上の雲の中で生まれた。  小さな小さな水の粒として。  ふわふわと漂い色んな場所を旅しながら、地上の様子を眺めて過ごした。  やがてぼくには夢ができた。  雪になってあの地上に降り立つんだ。  たくさんの仲間たちと日々の研鑽に励んだ。  雪になるのは大変だ。  油断すると雪になる前に雨として落ちていってしまう。  実際、仲間たちの多くは雨になり雲を去っていった。  雪になることを決意し励まし合った仲間の中には、訓練の厳しさに耐え切れずドロップアウトする者

          【短編小説】雪の旅

          【短編小説】豆太郎とのお散歩

           我が家は両親と私、そして豆太郎の四人家族。  豆太郎は七歳のコーギー犬だ。  私が小学六年生の時の誕生日プレゼントにどうしても犬が欲しいと両親にねだり、お世話は全部自分ですることを条件に家族として迎え入れることになった。  茶色と白の毛並み、クリクリした目、短い足でとてとて歩く姿が愛らしい。  豆太郎が家族になってから、約束どおりお世話は基本的に私が担当した。  水と餌の用意、トイレの掃除、ブラッシング、そしてお散歩。  私が修学旅行に行っている間だけは、私の代わりに父が

          【短編小説】豆太郎とのお散歩

          【短編小説】理想的なロボットとの暮らし

          「ご主人様、今日は雨が降る予報ですので傘を持って行ってくださいね」  朝食で使った食器を片付けながら、SR-iiiが言った。  SR-iiiというのはコンシェルジュロボットの製品名だ。  今ではどの家庭にも必ず、一家に一台こいつがいる。  十数年前、急激に進む人口減少、とりわけ生産年齢人口の減少に歯止めが効かずいよいよ手遅れになるというところで、政府は技術の進歩に活路を見出し、政策を大きく転換させた。  国が全額公費負担し、各家庭に一台ずつコンシェルジュロボットを配置するこ

          【短編小説】理想的なロボットとの暮らし

          デジタル世代の躍進【毎週ショートショートnote】

          「同期で仲が良かったお前もいつの間にか係長か」 「コツコツ身を削りながらここまで努力した甲斐があったってもんだよ」 「まあ、そりゃ見れば分かるけど……そのペースで頑張り続けたら身が持たねぇぞ?」 「仕方ねぇさ。これが俺のやり方だし存在意義でもある。このままやり切るさ」 「ま、どうせアナログ世代の俺達は、自分に与えられた役割をただ実直に全うするしかないもんな。俺もひたすら真っ直ぐ頑張るか」 「そうだな。ところで次の現場ってどこか知ってるか?あの駅前再開発ビルの図面らしいぜ」 「

          デジタル世代の躍進【毎週ショートショートnote】

          どんなジャンル、どんな長さが書きやすいか模索しつつ、思いついたネタをがむしゃらに書き続けている状態です。 そんななか、作品に「スキ」をいただけるのがこれほど嬉しくモチベーションに繋がるなんて……と驚いています。 読んでくださって本当にありがとうございます。

          どんなジャンル、どんな長さが書きやすいか模索しつつ、思いついたネタをがむしゃらに書き続けている状態です。 そんななか、作品に「スキ」をいただけるのがこれほど嬉しくモチベーションに繋がるなんて……と驚いています。 読んでくださって本当にありがとうございます。

          【短編小説】あるペーパードライバーの受難

           ハンドルを握る俺の手にはじんわりと汗が滲んでいた。  心臓がドキドキと音を立てているのが自分でも分かる。  どうしてこんなことになった?  自省してみても、特に思い当たる節はない。  俺はただ普通に車を運転していただけだ。  早すぎず遅すぎずの速度で走り、決して無理な割り込みなどせず、ウインカーは早目に出した。  何も悪いことはしていない。と思いたい。  なのに今、後ろの車からパッシングを何度も浴びている。  これが煽り運転というやつか。  教習所を卒業して以来久しぶりに車

          【短編小説】あるペーパードライバーの受難