アニメを観た感想ですが

マギというアニメを見ました。一期2クール、2期2クール、アニメが制作されているのですが、一期しか観てません。続きは漫画を読みたいなと思ってます。

千夜一夜物語、アラビアンナイトを基底に置いている様です。登場人物名やら地名やらがアラビアンナイトに登場してくるものの借用だったりして、ワクワクします。シンプルな面白さも勿論あるのですが
著者の趣味...というより思想...?そういうのが見えるのが、面白いのです。歴史や倫理が好きな人なのかしらと思います。乱暴に言えば、文系だということです。
このアニメ、漫画は、中々に世界観が広くって、色々な国が出てきます。時代は大昔です。アラビアンナイトですから、サーサーン朝な訳で、まあそのくらいの時代です。(wikiをチラッと見ると、「ササン王国」なる名前がありました。バチバチにサーサーン朝ペルシャです。)明らかに現中国、昔の漢くらいを意識してる帝国があったり、アラビアンナイトのように、アラビアっぽい雰囲気の国があったりします。イスラーム建築のあの擬宝珠のような屋根の建物が描かれています。
勿論宗教に関するところは濁されていますが。漫画の登場人物が皆各々信じている神がいてしまったら、物語も成り立たないのかしら。漫画の世界の中で、新たな宗教世界を描いているのでしょう。アラビアンナイトではイスラム世界であったものが、ここではまた別の宗教の体系が主軸になるわけです。(サーサーン朝なのでゾロアスター教とも捉えられるの?わかりません。)
でも、かのイスラエル国王ソロモンの名は仰々しく取り上げられています。ソロモンの知恵、知恵の書というのはキリスト教、ユダヤ教などの経典であるわけですから、そこらへんの宗教はあるはずなのですけど、私の観たところ神は出てきていません。ややこしい。

国や、国と国の話を、よくする漫画です。
作中ある国が、革命によって君主政から共和政に切り替わります。その流れを結構な時間を掛けて丁寧に描いています。
それは思想の話です。
見ていると、政治の移り変わりがどうであったかみたいなのを思い出させられるのが面白い。
共和制ってのはやっぱり近代のもので、我々は、諸国民の春を経て、それを獲得しました。それを、古代王朝の雰囲気漂う世界の中で、革命によって共和国へと変貌を遂げるなんて。聞けば、その世界には、この国以外にもう既に共和制をとっている国があるようです。
!?
色々考えれて、面白いです。

漫画のタイトルである「マギ」という言葉、史実では占星術を行う人々の、ある国の階級を指す言葉です。作中では「王の選定者」という意味で使われています。
王の選定者という言葉をタイトルに冠している漫画が作中で共和制のお話をするのですから、これは思想を感じずにはいられません。振りかぶって、振りかぶって、振りかぶって、どう投げるんだ?!?!?!
私、気になります!

思想の話だけが面白いんじゃなくて、極・単純にキャラクターがカッコよかったり戦闘がカッコよかったり台詞がカッコよかったりするので、是非見てみてください。

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