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キウイとパパイヤ、マンゴーズ「会いにいくよ」

はじめて聴く人は不思議な歌詞だと感じると思います。

「君」とは誰なのか。
「君」はどこにいるのか。
「君」と「僕」はどういう関係なのか。
「君」は本当にこの世に存在するのか。

この曲が生まれたのは12年前。

当時私は若い主婦向けの通信販売の会社で働いていました。
その会社で、お客様から大切な人へのメッセージを募集し、
それをクリスマスソングにする企画がありました。

子どもたちへ、旦那さんへ、両親へ。
あたたかなメッセージがたくさんありました。

その中で、一定数あったのが、
天国に行ったわが子へのメッセージでした。

お空に行ったあなたに会いたい。
天国でも幸せになってほしい。

それらのメッセージが印象的で、胸に刺さって、
上司やキウイとパパイヤ、マンゴーズの廣瀬拓音さんと話し合って、
それを元にクリスマスソングを作ることになりました。

それらのメッセージを書いた女性たちは、
普段は笑顔で過ごしているのでしょう。

でも、心のどこかに旅立った子どものことがあり、
悲しみを胸のうちに隠して生きているのだと思います。

当時は私も若すぎて、彼女たちの気持ちを明確には理解することはできませんでした。
しかし、その後、自分自身も不妊治療を通じてミニマムなサイズで我が子が誕生しては消えていくのを何度も見届け、
彼女たちの気持ちが少しだけわかるようになりました。

パッと聴いただけでは明るく爽やかな雰囲気の曲なので、
経緯を話してしまうと水を差すのではないかと思い、今までお話せずにいました。
でも、経緯を知った上で聴いてみると、また新たな感動があるのではないかとも思います。

そして、この曲を七夕の夜に公開した映像制作会社、KMPさんはとても粋です。

今回のフジロックでもこの曲が演奏されるかもしれません。
聴きに行かれる方がおられたら、そんな女性たちがいたということをちょっとだけ思い出していただければと思います。


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