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ネアンデルタール人と進化論と争いごと 【読書感想文】

本日は、タビではなく、本の紹介。

1に、タビ
2に、ホン  3,4がなくて

5に、おサケ (^-^;

私自身が、私の人生を豊かにしてくれると感じているモノの順番

・百聞は一見に如かず、現地現物を見てみよう。
 今を楽しむ、経験するのが、タビ

・過去の叡智を楽しみ、先人の経験をパクるのが、ホン

ということで、旅だけでなく本も紹介したいのだ。

進化論


そしてオイラが、最近ハマっているのが「進化論」関係の本なのだ。
え~!

皆さん、拒否反応をおこさず、少しお付き合いください。

進化論と言っても、ガラパゴス諸島の話ではない。ダイエット方法だってそうなのだ。進化の結果、痩せにくい身体になっているんだし、脳の働き(心の働き)とか、人間はどこから来たのか、人種ってなんなんだって話も、つまるところみーんな進化なのだ。

よくある「人を操る」ノウハウ本だって、脳の進化を逆手にとった方法だ。ちょっと興味が出てきたでしょ。


◇◇◇

本日紹介する本は、コチラ


著者のスヴァンテ・ペーボ博士
2022年にノーベル賞を受賞。その受賞した研究が本書の題になっている。発刊は7年前だ。

ペーボ博士が、ちょっとした興味から始めた、副業のような研究。周りからバカにされながらも、次第に面白くなり本腰を入れていく。そして進化論に一石を投じる研究成果を導き出す。好きな事を一心不乱に続けることの重要さを、本書から改めて学ぶ。

そして、この本が面白いのは、事実だけでなく、ペーボ博士の胸の内が語られている事だ。ライバルとの競争の焦りなど、本筋に関係ある話から、恋愛話、はたまた性的指向のカミングアウトなど、ぶっちゃけトークをしちゃってます。なんて人間味のある科学者なんだろう。ファンになります♪

翻訳の妙もあり、分かりやすくノーベル賞学者の指向、じゃなく思考法が追体験できる。なるほどぉ・・
そして、論文レースのハラハラドキドキ、フィクションみたい。


樹木図は誤り


数年前に本書を読んだ時、PCR法の意味が分からず苦戦したが、今なら世界中で知らない人はいない、ぴーしーあーる
この博士が、PCRという手法をつかって、化石からDNAを抽出し増幅する技術を見出したのだ。


我々が、進化論というと樹木図を思い出すよね。アンモナイトが大樹の根元にあり、シーラカンスから恐竜、鳥、哺乳類・・ そして、木の枝の先端に類人猿がいる。

PCR手法によるDNA解析より、現世人類に関しては、この樹木図の考えが誤りだとわかってきた。樹木図ではなく、いうなれば、あみだくじ。色んな人類が複雑に絡み合った結果が、我々人類なのだ。そして、恐ろしく遺伝子のバラエティが少ないこともわかってきた。
絶滅危惧種のチンパンジーのバラエティさより、全人類のDNAの方がばらけていないんだって。

これが何を意味するかというと、白人も黒人も黄色人種もDNAから見ると、大差ないということだ。限られた場所にしか生息していない、絶滅危惧のチンパンジーたちのほうが、もっと多様な生き物なのだ。


多様性ってなんだ

DNAの多様性が少ないことの、もうひとつの意味は、人類が世界中に爆発的に、進化する暇もなく、一気に散らばって増えたということだ。ネアンデルタール人は、ずーーーっと、ひとつ場所にとどまって生活していたらしい、他の動物と同じだ。そして、現世人類だけがアフリカから出発して、ネアンデルタール人の住んでいる中東を飲み込み、東へ東へ、シベリア、オセアニア、アメリカ大陸など世界中に拡散していった。


そして、なぜネアンデルタール人が滅んだのか?(人類に滅ぼされたのか)

そして、なぜ人類が爆発的に増えたのか?

ここから先は、本書の紹介から離れる。
芋づる式に、各種本を読み漁った結果をまとめてみました。

そして、いま私が思うこと

リスク遺伝子

現世人類は、アホである。
我々人類の一部に、リスクをとりたい遺伝子を持った仲間がいるらしい。その仲間のひとつ、ミクロネシアに拡散した人たちは、この先に島があるかも分からず、海に漕ぎ出した。ベーリング海峡を渡った仲間も同じだ。何があるかもわからず進む。
アホちゃうか、と思いません?


ネアンデルタール人は、ずーーーーーーっと同じ場所(中東付近)に定住し、拡散しなかった。これが、尻すぼみになった理由だ。

旅好き、オイラみたい(笑)


これが、オイラが無性にタビに出たくなる理由だと思っている。
アホなんです。(笑)


社会性

ネアンデルタール人の化石(遺骨)から分かってきたのは、脳の容積は我々現世人類より大きかったようだ。つまり、頭が良かったということだ。

それが、なぜ人類に飲み込まれてしまったのか、

社会性の違いでは?
というのが一説にある。

つまり、共闘して相手を倒せる能力。誰かが思いついたアイデアを、後人に伝え改良を加えられる能力だ。

そして、徒党を組み共闘できる脳に「進化した」人類は、矛盾を抱えることになる。共同で敵を倒しているだけでは、自分の遺伝子を残せないのだ。一緒に戦おうぜ! と、言っておきながら、こっそり自分の身を守る必要もある。
そう、誰かが群れのリーダになる(=メスを独占する)のを、裏から足を引っ張る必要がある。自分がマウントをとらないと、家来のままでは子孫をたくさん残せないのだ。

チーム対チームでの戦いに勝ちながら、チーム内でのリーダ抗争にも勝たないといけない。ただ、内輪もめが過ぎると、チームが弱体化して敵チームに滅ぼされてしまう。

相反する行動をしたたかにやってきた人類が、現存する我々だ。こうやって進化をしたものだけが、あみだくじを脱出できた。

これが、我々が備えている脳の仕組み。すなわち本能なのだ。ほっておけば、戦争と内戦、そしてコミュニティ内で誹謗中傷を繰り返すのだ。


本能と理性

みんな! いまこそ、もう少し進化しよう。争いをしない脳に、

そして私はと言えば、本能だと理解しつつ、争いを抑える一翼になれるような生き方をしてゆきたい。アホなタビを後押しするリスク遺伝子を大事にしながら・・


今日も平和を祈る。

好奇心旺盛な50代
行きたいところ、書きたいネタは、山ほどあるのだ!

旅には()、平和が必要なのだ。



(おしまい)


本著の次に、読むならコチラ、
人類の移動の歴史が、ついに解き明かされる!


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