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コーヒーパニック

*家族との文化の違いに混乱した話です。

ある日、同居している母に「アイスコーヒー入れて。」と言われ、冷蔵庫にあったペットボトルのコーヒーをコップに一杯注いで持っていきました。
すると母から「え?アイスコーヒー持ってきてって言ったやん。」と言われました。

..え、これってアイスコーヒーじゃないの?冷たいしコーヒーやし、、
意味が分かりませんでした。
母いわく、「普通アイスコーヒーには牛乳が入っている、牛乳の入っていないこれはアイスコーヒーではない。」

なんか納得がいきませんでした。私の中で牛乳が入っているコーヒーは「コーヒー牛乳」です。
でもその場には母と私しかいません。多数決はできず、言い争ってもどちらの「普通」が本当の普通なのか、審判できる人間がいませんでした。私は仕方なく引き下がることにしました。今度から母が「コーヒー」と言ったら牛乳を入れて持っていくことにしよう、と思いました。

また別の日の朝、「コーヒー入れて。」と頼まれました。言われたとおり私は冷蔵庫のコーヒーに牛乳を入れて持っていきました。そうすると母から「え、私コーヒーって言ったよな?」という一言。

私は混乱しました。え、どういうこと?コーヒーはこれじゃなかったのか?
母によると、牛乳が入っている冷たいコーヒーは「アイスコーヒー」で、今度言った「コーヒー」はブラックのホットコーヒーのことらしいです。

やっぱり納得がいきません。でも今回は私が早とちりしてしまった部分もあったので、
「アイスコーヒー=冷たいコーヒーに牛乳が入ってるやつ」
「コーヒー=温かいブラックのコーヒー」
この母の「普通」を大人しく聞き入れることにしました。

ただし、私の「普通」が間違っているとも思いません。だって母の「普通」で言ったらブラックのアイスコーヒーはどうやったら表現できるんだ。「ブラックのアイスコーヒー」か、長いわ。
私は自分の「普通」を変えずに、母の「普通」を受け入れようと思いました。
異文化に出会ってギャップで揉めたときは、相手も自分も否定せず「違うこと」を受け入れる。それがいちばん平和な方法です。

しかし同じ家族で、何十年も一緒に生活してきたのに、文化の違いがあることには驚きでした。こういうことがあると、家族とはいえ自分とは別の人間なんだと改めて実感しますね。

よし、母の「普通」を理解できた。私は心の平穏を取り戻しました。

そして今朝、母から「アイスコーヒー入れて。」という依頼。
よしきたと、近くにあった陶器のカップに冷蔵庫のコーヒーと牛乳を入れて持っていきました。
すると母、「え、私アイスコーヒーは透明のコップに入れるもんやと思ってた。」

もうええわ。


どうも、ありがとうございました~


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