Gloomy_Weasel

新聞屋で編集やってます.ローズマリ・サトクリフ作品とCoccoさんの曲が心の栄養源.新…

Gloomy_Weasel

新聞屋で編集やってます.ローズマリ・サトクリフ作品とCoccoさんの曲が心の栄養源.新潟出身、東京在住。pixiv→http://www.pixiv.net/member.php?id=9015717 エブリスタ→https://estar.jp/users/365640485

マガジン

  • 短編集

    5,000文字~30000文字程度の,1話完結作品集.ファンタジー・ホラー色強いです。マガジン表紙画像は、柴桜様『いろがらあそび6』作品No.44をお借りしています⇒https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=65680493

  • 星追いのワタリガラス

    ‐私には、帰るべき場所などありません。 季節の移ろいと、星たちの気配。 それだけが、私に渡りのときを教えてくれるのです‐ 北の辺境の地で暮らす少女スグリは、あるできごとをきっかけに、 はるか南の戦乱の地へと旅立つことを余儀なくされる。 異なる文化の中で戸惑い苦しみながら、 少女はやがて本当の自分の居場所を見つけ出していく。 架空の世界を舞台にした、少女の葛藤と冒険、そして成長を描く、ちょっとダークなファンタジー小説。2012年~ 脳内OPは「千の夜と千の昼 / 元ちとせ さん」、脳内EDは「翡翠(A Moon Child type) / 天野月子さん」。 マガジン表紙画像は、柴桜様『いろがらあそび6』の作品No.2をお借りしています⇒https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=65680493

  • お話づくりのヒント

    お話づくりのヒントになりそうな記事リスト. 分野はチャンプルー.

  • 好き漫画まとめ

    好きな漫画作品のまとめです.

  • つれづれ

    日々思ったことをつれづれなるままに。特に意味はない。

最近の記事

月花の冠

――冷たい月花の冠を頂いて、彼女は永遠に眠り続ける―― ある日突然、二度と目覚めない眠りに就く――。 そんな奇病が蔓延した世界で生きる真波は、ある決断を迫られていた。 取るべきものは、己の責務か、それとも……。 悪夢の目覚め  夢の中で、真波は彼女と踊っていた。舞台の上、そろいの衣装を着て、互いに見つめ合いながら、互いの呼吸を読み合いながら。  頭の中は冷たく冴えわたっているのに、胸の内は熱く、今にも何かが破裂して飛び出してしまいそうなほど、様々な感情が吹き荒れていた。

    • 闇路を照らすもの(上)

      ――季節の移ろいと、星たちの気配。それだけが、私の道しるべ―― 辺境の地に暮らす少女スグリ。ある出来事で南の戦乱の地へ旅立った彼女は、異郷の地で戸惑い、苦しみながら、それでも前を向き進んでいく。 戦国時代の日本をイメージした世界のファンタジー長編の9話目です. よろしければ,今回もお付き合いよろしくお願いします. 表紙画像 ©柴桜様 『いろがらあそび6』作品No.8 https://www.pixiv.net/artworks/65680493 1 遠くで響くクロツグミの

      • ひそみの面(おもて)

        ――神仏を探せ、お前の神仏を――  その腕をいつまでも師匠に認めてもらえず、くすぶっている面打ちの千秋。  ある日、用事で下った村の鎮守で、見事な面と、不思議な少女に出会う。  その醜さゆえに面を付けなければ人前に出られないという少女に、割れた面の代わりのものを打つことを約束したが、思うような面はなかなかできなかった。  室町時代辺りをイメージした,ちょっと不思議なホラーテイストの創作小説です.よろしければお付き合いを. 1「これじゃだめだ」  そう言うと親方は、手にし

        • 鬼の末裔

          ――私は毎日、夕方になると、ある言葉を唱えなければいけない。 でないと、「あの世」に迷いこんでしまうから―― オリジナルの短編小説です.よろしければお付き合いを. 1「近藤さん、一緒に帰ろう」  そう言われ、私はきょとんとして相手の顔を見やった。同じクラスで、一緒に体育祭実行委員をやっている男子生徒だ。ついさっきまで委員の話し合いをしていて、やっと解放されたところだった。 ――ごめん。悪いけど、急いでるの。また今度ね――  そんな言葉が喉から出かかったが、ぐっと飲み込んだ。

        マガジン

        • 短編集
          13本
        • 星追いのワタリガラス
          8本
        • お話づくりのヒント
          7本
        • 好き漫画まとめ
          4本
        • つれづれ
          13本
        • 幻想生物大事典
          5本

        記事

          花の香りに誘われて

          ――世の中には「自分さえ知っていればいいこと」もあるの―― ある日、押入れの奥に見つけた文箱。 「都忘れ」の香りを閉じ込めた小さな箱の中には、 今は亡き祖母の「秘め事」が仕舞い込まれていた。 短い溜め息のような,他愛無い短編ですが、よろしければお付き合いを。 1 ――拝啓  秋立つとは申せ、残暑厳しき折から、いかがお過ごしでしょうか。――  そんな古風な書き出しで始まる祖母の手紙を見つけたのは、ちょうどその手紙と同じ八月の終わり頃のことだった。  母の実家の、二階の一

          花の香りに誘われて

          女王の城

          ――彼女は、「裸の女王」だったんだ―― 祖母の死を知らされた私は、深夜の高速バスに乗って帰省した。 悲しいとは思わなかった。 記憶の中の彼女は私にとって、恐れの対象でしかなかったから。 短編です.よろしければお付き合いを. 1 祖母が亡くなったと報せを受けたのは、大学の講義が終わり、ちょうどバイト先に着いた瞬間のことだった。  私はそのまま出勤し、帰り掛け、バイト担当の社員であるAさんに「明日は祖母の葬儀で帰省するため休みたい」と伝えた。 「どうして先に言ってくれなかっ

          かつてこの道を志していた者から言わせてもらえば,これはゆゆしき事態,だと思う. 気象庁、生物観測を大幅縮小 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66237460U0A111C2CE0000/

          かつてこの道を志していた者から言わせてもらえば,これはゆゆしき事態,だと思う. 気象庁、生物観測を大幅縮小 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66237460U0A111C2CE0000/

          野良、始めました。

          ――どちらに転がるにしても、相応の覚悟は必要だよ―― かつて「囲われ者」でありながら、自ら望んで「宿なし」の道を選んだ一匹の猫。 今わの際に恩師がもらした一言が、過去の記憶を呼び起こす。 ヒューマンドラマというか,ニャーマンドラマ? よろしければ,お付き合いを. 1――どちらに転んでも、相応の覚悟は必要だよ――  そう言って、その年寄りはこと切れた。路上で途方に暮れていた俺に、生きる術を色々と教えてくれた、親切な奴だった。  若い頃はどこかで囲われていたらしいが、そこから

          野良、始めました。

          虚ろな星が瞬いて

          「お祭り、案内して欲しいな」 美女と評判の担任教師から言われた思いがけない一言に心をかき乱され、俺は何も言えずにその場から逃げ出した。 そして夏休み、思いがけない場所で出合った彼女に、思いを打ち明けるが……? 一筋縄ではいかない、最初の一口だけちょっと甘くて、あとはとっても苦い青春譚。 1 ――何かをしたい者は手段を見つけ、何もしたくない者は言い訳を見つける――  そんな諺がどこかの国にあったな、と思いながら、俺は熱くなった水道の蛇口の栓をひねった。流れ出る生ぬるい水が徐々

          虚ろな星が瞬いて

          窓の向こう

          窓の向こう

          ご無沙汰しております。最近は全星さんの方に入り浸っております。 短編「残り時間の使い方」を投稿。別サイトの短編コンテストで見事に玉砕しました。 よろしければこの子の供養、お付き合いください。 https://note.com/nagoshi/n/nef3895a0b6b8

          ご無沙汰しております。最近は全星さんの方に入り浸っております。 短編「残り時間の使い方」を投稿。別サイトの短編コンテストで見事に玉砕しました。 よろしければこの子の供養、お付き合いください。 https://note.com/nagoshi/n/nef3895a0b6b8

          残り時間の数え方

          「あと5分もある」  そんな呟きが隣から聞こえて、チラリとそちらを見やった。上品なラベンダー色のワンピースをまとった女性が、ポットから自分のカップへお茶を注いでいる。  平日の昼下がりの喫茶店には、商談中のサラリーマンや、一目でフリーランスのライターか何かと分かる若い男、そして自分と、一つ空けた隣の一人用のテーブル席にいるその女性しかいなかった。 ――どうせ子供のいない有閑マダムだろう。優雅なご身分で結構なことですね――  仕立ての良い、明らかにブランド物と分かる服の下から覗

          残り時間の数え方

          幻想生物大事典(3)一角獣‐凍てつく月の解ける随に(上)‐

          ――そのままだと、そのうち凍りついてしまうわよ―― 幼い頃の両親の離婚が原因で男性不信になった少女、純子。 ある日出合った見知らぬ女性の一言が、彼女を幻想の世界へ引き寄せていく。 架空の女子校を舞台にした、オムニバス連載の3作目。よろしければお付き合いを。 画像は柴桜様制作『いろがらあそび8』作品No.51をお借りしています ⇒https://www.pixiv.net/artworks/70493328 ◆本編  人間って、何だかんだ言っても四足(よつあし)の獣なん

          幻想生物大事典(3)一角獣‐凍てつく月の解ける随に(上)‐

          初めて,自分の担当した紙面で,訂正記事を書くことになりました. 色々と,間の悪いことが重なった結果,なのだけれど. 間違え方があまりにお粗末で,地味に凹んだ.

          初めて,自分の担当した紙面で,訂正記事を書くことになりました. 色々と,間の悪いことが重なった結果,なのだけれど. 間違え方があまりにお粗末で,地味に凹んだ.

          さよなら荒川,よろしく葛飾.

           今日のお仕事も無事(?)終わり,明日はとうとう,荒川区の仮宿から葛飾区の本宿へ移り住みます.  本業はお休みを頂きました.  急な東京研修→研修中に東京勤務決定,とドタバタの1カ月でした.  ようやく慣れてきた荒川を去ることに,一抹の寂しさも感じますが.  明日から,新しい場所での生活が始まるということに対する緊張の方が大きい.  東京に来たばかりの頃は,一週間近くお腹を下し続けていました.  通勤ラッシュのストレスか,東京の水が身体に合わなかったのか,はたまた,仕事覚

          さよなら荒川,よろしく葛飾.

          幻想生物2.水妖/水辺の証人(下)

          ――ねえ、本当にそれでいいの?――  幼い頃に起こったある事件から、男性恐怖症になってしまった少女・加与子。  学校に飾られたいわくつきの絵に魅入られた瞬間から、堅く閉ざされていた心の扉が開き始める……  架空の女子校を舞台にした,オムニバス形式の短編連作第二弾です.  1編1万~2万文字程度を目安に区切っていく予定.  よろしければお付き合いを. ◆本編 「加与、加与ってば」  呼ばれて顔を上げると、目の前に小夜の顔があった。彼女のまとうあの独特の香りが鼻をくすぐると

          幻想生物2.水妖/水辺の証人(下)