見出し画像

人との距離感と、自分がお願いしてでもやりたい仕事をしているかどうかの話。

人との距離感ってむずかしい。

お互いにいい距離感で「持ちつ持たれつ」できたらそれはいい関係だと思うんだけど、人によっては「借りを作る」関係になり得る。
良かれと思って何かをしたことで、「次もやって 次も頼むわ。」と遠慮がなくなってくることや、他の人にならこんな言い方はしないよね、というような物言いをされたり。自分自身がしてしまったり。

仕事の依頼を受けた時や相談された時、良かれと思って安請け合いをしてしまうことがある。
「あぁ、いいですよ。やっときますね。」
とか言って。
だけどその後でその仕事の回収ができないことや、
「言ってみただけだったのに、作ってきたのはアナタでしょ」
という感じで軽〜く返されることがある。
たしかに自分が「あぁ、いいですよ。やっときますね。」ってやった仕事なのだ。しかたない。

病気をして死にかける前は、今よりもっと人との距離感が近くて、相手の希望を叶えることに躍起になって生きていた。
その結果、勝手に振り回されることになり、事故、熱中症、思わぬ出費が続いた。

いい加減「距離感」を覚えないといけない。
付き合いが無遠慮になってきたな、と感じたら離れるようにする。
それもなるべく早めに。

その処世術がまだまだ下手くそなのだけど、そういう時よく糸井さんの言葉を思い出す。

「頼まれた話は、頼む話に変換して考える」

相手から何か頼まれたときに、1日返事を寝かせて、
頼まれたことを逆にその相手に頼みたいかどうか考えてみる。
こちらからお願いしてでもやりたい仕事なのかどうかを考える。
もしもそう思わないなら断る。

そこまで深く捉えずに「あぁ、いいですよ。やっときますね。」って安請け合いを続けると、自分が何をやりたいのかわからなくなるのだ。


会社を辞めてハンドメイドを始めたとき、特に作りたいものがなくて、簡単そうなベビースタイやスリングなんかを作ったことがあった。
子供のいる友人から、赤ちゃんのだっこグッズをしまうカバーがママ友に人気と聞けば「はいはい、作ってみるね」と言って作った。
だけどそうして軽い気持ちで作り出したベビーグッズはいつしか自分自身に重苦しいものになっていった。
本当は自分に子どもができなくて悩んでいたのだ。ベビーグッズを作るたびに苦しかった。
その上、この部分はもっとこうした方がいい、なんてアドバイスをもらった時には
(自分がやりたいことじゃないし、子供がいないんだからわかるわけないじゃん。)
と不満を持った。友人には申し訳なかった。


あぁ、よくないな。
自分が本当にしたいと思う仕事をしないから誰かのせいにしたり、つまんなくなったり、卑屈になったりするんだ。
本当に安請け合いは良くない。

いまも「あぁしたらいいんじゃない。これだといいと思う。」という話に「あぁ、いいですね。やってみますね。」って引き受けそうになることがあるんだけど、なんだかモヤモヤする。
たぶんそれは、こちらからお願いしてでもやりたい仕事ではないからなんだろうな。

フリーランスなんだ。
やりたくない事はしなくていいんだ。
きちんと断ろう。
ちょっと近づきすぎたんだな。距離感を戻そう。
アドバイスは一つの意見として受け止めて、本当に自分がやりたい仕事と向き合おう。
しっかりしろよ。自分。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?