サムライ・エスケープ④
前にはサウザン・ドーシン。
後ろには絡繰巨人からの火の手。
あっという間に、おれは追い込まれた。
「ゴヨー!」
あちこちから突き出される電磁サスマタ。おれは上に逃げることにした。かいくぐり、木を登る。届かない位置まで。
「オリロ!」
「ゴヨーダ!」
機械じみて発せられる声。おれは思わず同情した。彼等は支配者達に自我を奪われているのだ。
可愛そうに。刀さえあれば、解放してやれるのに。
「ノボレ!」
思考の間に、奴等が動いた。おれのいる枝をめがけて、登り始める。
気付けば、炎もおれに近付いていた。他の木は遠い。これまでか。
「ぬるい!」
覚悟を決めたその時。大声と共に、斧がぐるぐる回って俺を襲った。
「くっ!?」
俺の命を刈り取る弾道を前に、やむなく飛び降りた。当然サウザン・ドーシンに取り囲まれる。しかし。
「お前等、どけえ。コイツはここで、俺が仕留める」
彼等を割って出てくるのは赤い装甲服。その声に、おれは聞き覚えがあった。
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