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イイ・ヤシロ・チ

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イヤシロチ巡りの中で得られた気づきのアレコレ。主に神社を中心とする聖処にまつわることがらについて、文化人類学などの学問的なアプローチと現地での体験をもとに考察する。
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記事一覧

魔去る 神猿 四猿 ィイ・ヤシロ・チ⑳

靭猿(ウツボサル)というお目出度い狂言を、新春に初鑑賞することが出来た。 楽しくて可愛くて…

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おみくじ ィイ・ヤシロ・チ⑲

イヤシロチ巡りのお楽しみの一つ、お御籤。様々な形や文面も楽しく、その時々に「わたくしに必…

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天の岩戸 イイ・ヤシロ・チ⑱

天岩戸が日本各地に在ることを知ったのは、いつだろう? わたくしの天の岩戸デビュー?は、日…

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リボーン(再生)イイ・ヤシロ・チ⑰

わたくしは、参拝で生まれ直しの疑似体験ができる仕掛けを持つ聖処の存在を、イヤシロチ巡りを…

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祝詞(ノリト) イイ・ヤシロ・チ⑯

マジナイを、咒いとも呪いとも書くと知ったのは、加門七海さんのこの本に図書館で出会ったから…

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手水舎(テミズヤ)と禊 ィイ・ヤシロ・チ⑮

鳥居をくぐり、参道を進み、随神門を通り、いよいよ参拝という前に、身についた穢れを祓う手水…

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柱 ィイ・ヤシロ・チ⑭

来年は虎の年。諏訪の御柱祭り催行の年である。豪快な奇祭は、日本各地の多彩なお祭りの中でも抜きん出て特異性を放っている。 https://www.onbashira.jp/ わたくしは、前回の申年の御柱祭のあとに、諏訪に初めて訪れた。諏訪は重大な祭祀遂行の名残のすがすがしさも漂わせ、それまで訪れた、どことも似通わない、独特な雰囲気に満ちた聖処(イヤシロチ)だった。(ただ、同行の友人は、自身の父母の故郷である島根の人々と、諏訪で出会った地元の方々に共通するメンタリティーや穏や

狛犬(神使) ィイ・ヤシロ・チ⑬

参拝時、神社のマスコット的な存在、狛犬に自然と意識が向くのは、それらからの視線を感じて見…

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結界(ハザカイ)とククリ ィイ・ヤシロ・チ ⑫

清浄が保たれているイヤシロチでは、此処から空気が変わる、という感覚が得られる箇所がいくつ…

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玉響(タマユラ) イイ・ヤシロ・チ⑪

出歩くとよく時間や道を尋ねられ、観光地などではカメラを託されて写真を撮ってくださいと、頼…

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産土(ウブスナ) ィイ・ヤシロ・チ⑩

ウブスナという言葉は、不思議な響きを持っているな、と、いつも思う。そして、当てられている…

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鳥居(門) イイ・ヤシロ・チ⑨

神社の入口に必ず有る鳥居。鳥居の形が、祀られる神様を表すことなどを教えてくれたのは、タク…

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橋を渡る イイ・ヤシロ・チ⑧

橋は此方側と彼方側をつなぐ。橋の下は、明らかな境界である。その区切りの上を跨いで行き来を…

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水の国 ィイ・ヤシロ・チ⑦

カミは火と水からくると、わたくしに教えてくれたのは、誰だったか。なるほど、火と水があれば、人間は生きてゆける。 そして、日本は世界最高水準に潤う水の国である。 水が豊かな国に生まれたけれど、わたくしの子ども時代は、渇水に悩まされている大人たちを横目に見る夏を、何度も過ごした。 ある日、近所の大きな農家の跡取り息子(と言っても成人)が、マムシに噛まれて入院する事件があった。なんと、稲の為に田んぼに水を入れる順番が決められていたのに、夜中にコッソリ水を引き入れに行って、蝮を