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治ってなくても退院しないといけない病院

こんにちは。
今日の晩御飯何にしよう、と考えながら書いています。
そう、毎日朝から晩御飯を考え始めています。
奥さん、毎日献立考えるの大変ですよね。
暑いし、何食べたいか全然わからない。
自分が食べたいそうめんと冷麺ばっかり食べるわけにもいかないし。

まぁ、献立考えてるのは奥さんとは限りませんよね。
失礼しました。
いろんな立場の人がいる、ということを忘れがちです。

小学校の給食みたいな栄養管理もばっちりな献立表、誰かに考えて欲しいなーと思いながら、もし作ってもらえたとしても、自分のレパートリー考えたら実現不可能やな、と自分の限界を知る今日この頃です。

父は脳内出血で救急車で運ばれて、手術して頂き、無事生還致しました。
入院して間もなく、病院のケースワーカーさんから、今後の父の容態に関わらず、この病院は1ヶ月で退院してもらいます、言われました。

1ヶ月で退院できる状態になるとは思えないのに、退院ってどういうこと?
病院の制度とか全然知らなかったので、ハテナ顔の私にケースワーカーさんが教えてくれました。
今の病院の制度ってやつを。

ということで、その時説明を受けた病院の制度について、簡単にご説明します。
親が倒れて、これからどうしようって頭ぐるぐるしてる時に聞かされるより、脳みその片隅に、次はこうなるって展開を知っておく方が断然いいと思います。

病気になってから、回復するまでを3つの期間に分け、それぞれの期間を担当する病院、施設が決まっています。
その3つの期間は、急性期、回復期、維持期と呼ばれます。

救急車で運ばれて来たり、緊急入院が必要な、命の危機が迫っている患者さんを受け入れるのが、急性期病院。
脳梗塞などで倒れた患者さんが、最初に運び込まれる病院です。

ここは、緊急性の高い人が入院する病院なので、命の危機を脱したと判断されれば、だいたい2~4週間で回復期リハビリテーション病院に移ります。

回復期リハビリテーション病院は、急性期病院で治療は済んだが、在宅復帰の為にさらなるリハビリテーションが必要な患者さんが入院する病院です。だいたい、1~4か月で退院しなければなりません。

維持期は、リハビリが完了して在宅復帰した人が、通所でリハビリを続けたり、帰宅が困難な人が施設に入所してリハビリを続ける期間です。
なので人によって、生活する場所が異なります。

回復期リハビリテーション病院では、朝、昼 夕方、いろいろなリハビリテーションを受けさせていただきました。
車いすから手すりを持って立ち上がる。
自分で立って手すりを持たずに停止する。
下肢装具を付けて、手すりを持って歩行練習をする。
嚥下の練習。
言葉の練習。

リハビリにはよく立ち合いました。
一生懸命頑張ってる父に、胸が詰まる思いがしました。

もうしんどい、とか
今日はやりたくない、とか。

弱音も言いましたが、結局頑張っていました。

87歳です。
ものすごいしんどかったと思います。

でも、がんばれば歩けるようになるかも、と私もその頃は希望を持っていたのです。杖を突いてでも、歩けるようになって欲しいな、と。

だから、「がんばれー」と応援し続けていました。

でも、87歳です。
4か月では、下肢装具をつけて、後ろを理学療法士さんに抱えられて歩く。
そこまでしか回復できませんでした。

急性期病院では、自力では立つこともできなかった。
でも、手すりがなくてもしばらくの間は自分で立つことができるようになりました。

でも、
「もう、これ以上がんばっても良くなりません。」
4か月後、そうお医者さんがそう判断し、退院することが決まりました。
4か月しかいられない、という決まりの為でもあります。

リハビリテーション病院を退院しても、リハビリを続けることはできないのか?そういう施設はないのか?と病院のケースワーカーさんに聞いて、介護老人保健施設であればリハビリを続けられると言われ、次の行き先を決めました。

確かに、リハビリを受けられました。
が、週3回、数時間だけ。
その中に、嚥下のリハビリ、言葉のリハビリも含まれているので、体を動かすリハビリは、1週間に数時間だけ。
毎日、何時間もリハビリしてもらっても4か月で立つことがやっとしか回復できなかったのに、機能が低下していくのは火を見るよりも明らかでした。

どうして、リハビリテーション病院は4か月しかいさせてもらえないのだろう。
どうして、もうこれ以上よくならないって、4か月で判断されてしまうんだろう。
父さん、あんなに頑張ったのに。
きっと自分ももう一度歩きたいと思っていたから、頑張ったんだと思う。
国としては寝たきりを作らないことが、目標じゃないの?
こんな制度にしたら、寝たきりの人がどんどん増えるやん。

治らなくても退院しないといけない病院。
医療制度を悪用する人がいたから、こんな制度ができたと聞きます。
でもそんな悪い人のために、自分が入院したい病院に入院できないなんて。受けたい治療を受けることができないなんて。

ここって、自由な国日本だよね?
お金を出せば、解決できたの?
私がもっと、あきらめずに行動すればなんとかなったの?
制度に決められたレールの上を素直にするする進んでしまった、
私が悪いの?

両親の人生を、握っているのは私なのだ。と言う恐怖。
これからも、私の決断が、父と母の人生を狂わせてしまうかもしれない。
父がもう車いすに座ることもできなくなったのは、私のせいなのだ。
と、苦しい思いを背負い続けてる。

でも、他の目線からみれば、治る見込みのない人が病院のベッドを埋めてしまって、治る見込みのある人が入院できなくなるという事態が起こりうる。
治る見込みのある人の家族としたら、早くのいてよと思うよね。
それで入院できなかったら、その家族も悔しい思いをするのね。

全員幸せは、難しい。
ということか。

今の病院の制度に物申したい!と思って書き始めたけど、最終的には自分の事とか、自分の家族の事ばっかり考えてたら世の中うまく周らないってことなのかも。
違う目線でも物事を見ることは、大切だなと。

でも。
父さんには、ふがいない娘でごめんよ。と謝っとこう。

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