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これが私のあるべき姿、これが私

2017年にアメリカで製作され、日本で2018年に公開された映画「グレイテスト•ショーマン」

19世紀半ばのアメリカ。主人公の主人公P.T.バーナムが挑戦と失敗を繰り返しながら、自ら立ち上げたサーカスで夢のショーを作り上げるミュージカルエンターテイメント。

ありきたりな表現だけど、本当に「何度もリピートしたくなる感動の名作」だと思う。



ストーリーはもちろん、この映画はとにかく音楽が圧巻。サントラは何回リピートしたか分からない。

その中でも爆発的にヒットしたのが、劇中でキアラ•セトルが歌う「This is me」

髭女レティ・ルッツ役を演じるキアラ


サーカスの団員たちが、人種、容姿などから心ない言葉を浴びせられ、不当な扱いを受けたことに対し自らの意志を表明するシーン。

髭女のレティ・ルッツは最初は声を震わせながら歌い出し、賛同した仲間が次々に声を合わせ全員で堂々とこう歌う。

When the sharpest words wanna cut me down
鋭い言葉が私を切り裂こうとしても

I'm gonna send a flood, gonna drown them out
洪水を起こして、溺れさせてやる

I am brave, I am bruised
私は勇敢よ、私は傷つけられた者

I am who I'm meant to be, this is me
これが私のあるべき姿なの、これが私よ

Look out 'cause here I come
気をつけなさい、私が行くわよ

And I'm marching on to the beat I drum
自分で叩くビートにのって進むの

I'm not scared to be seen
見られることは恐れない

I make no apologies, this is me
謝ったりしないわ、これが私だもの

...This is me
…これが私よ


「This is me」と声を上げるのは、けして簡単なことではない。踏みにじられた経験がある人ならなおさらだ。

言葉の刃は目に見えないからこそ、深い傷としていつまでも心に残る。

私自身もたくさんの言葉に傷付いてきたけれど、そこから救ってくれたのもまた言葉だった。




先日、思わず目に留まった朝日新聞の一面。読んでみると3月8日の国際女性デーの広告だった。

2023年3月8日 朝日新聞より


「私たちに染み付いた無意識の偏見をまず言葉から変えていく」

ここに掲載されている言葉の一つ一つに、歴史と価値観の変化が表れている。

本当に少しずつだけれど、世界は変わっていることを目の当たりにした。

言葉は時に刃になることもあるけれど、その何倍も人に寄り添う力を持っている。



だから私は文章を書くのだと思う。

おこがましいけれど、自分の紡いだ言葉たちが、ひとの心に届く日が来たらいいなと思う。

私が前を向きたい時にこの歌を聴くように、このnoteがいつか誰かに寄り添える日が来ますように。



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