ラーメン屋のカンピロバクター食中毒ニュースが気になってちょっとググったら、最終的にラーメン業界は自浄作用も無く、忖度にまみれたクソだらけの世界なんじゃないか?という疑念が生まれてしまった話

無職で暇なのでいつものようにTwitterを覗いていたらラーメン店の食中毒の話が目に入ってきました。
季節柄、飲食店の食中毒ニュースは毎年見かけるし、なにやらチャーシューが問題だったみたいな話をしているみたいですね。
去年にも高田馬場にあるらぁ麺やまぐちのカリスマ店主として知られる山口裕史さんが警鐘を鳴らしていたように

知識なくチャーシュー低温調理「ホントやめて」 食中毒の危険性...ラーメン店主が必死の注意喚起 #ラーメン #食中毒 @jcast_newsより

今回のニュースも低温調理チャーシューで温度管理や衛生管理を失敗して食中毒をやらかしたのかな?と思い、よく元のツイート見てみると

ツイッターより引用

生肉じゃん!!


これは低温調理した肉ではなく、ただ表面に火を通しただけの生肉です。

よく、最近流行っているローストビーフやローストポークなどは芯温63度30分75℃1分と同等以上の処理(豚の場合の厚生労働省が推奨する調理基準)を超えても中にピンク色を残した調理が可能ですが、鶏肉の場合は頑張ってもうっすらピンク程度にしかなりません。
これは牛豚に比べて鶏肉のミオグロビン含有量が少ない事などが考えられます。

参考 google画像検索

理屈はともかく、明らかに生の肉をラーメンに乗っけて提供していたらそりゃあ時間の問題で食中毒は起こるよ。

日本の食肉加工場、食鳥処理場は非常に衛生的に運営されていて脱羽時から60度で処理され最終的に次亜塩素酸ナトリウムで肉が洗浄&殺菌されるなど、消費者の手元に届くまでの段階でかなりのリスクが取り除かれています。

鳥インフルエンザについて 鶏肉・鶏卵の安全性に関する食品安全委員会の考え方より引用

時々、悪ふざけをしたインターネットオタクがその辺のスーパーで買った鶏肉をタタキにして食べてる様子をツイッターにあげた後も案外ピンピンしてるのは、そういった食肉加工に携わって下さる人たちの衛生管理のおかげで”たまたま偶然運が良くて”食中毒にならずに済んでいただけです。

よく、"新鮮なら生で食べられる"という誤解をしている人を見かけるのですが、鶏肉に限らず基本的に流通から生食用として徹底的に管理をされている食肉以外の生食は食中毒のリスクが普通にあります。
代表的な話で言うと牛肉の腸管出血性大腸菌(O157)や豚肉のE型肝炎ウイルス、そして鶏肉のカンピロバクターなどです。これらの細菌・ウィルスは少量でも発症するので食品中で増える必要がない=新鮮でも保菌していれば発症するリスクが高いと言えます。

一般社団法人東京都食品衛生協会 食品衛生テキストより引用

また、鹿児島や宮崎など九州の一部の地域では鶏肉の生食文化が昔から根付いている影響で、鹿児島県では「生食用食鳥肉の衛生基準」宮崎県では「生食用食鳥肉の衛生対策」というガイドラインが存在し、郷土の食文化を守るために県と協力しあってその安全性を少しでも高めようと日々努力されていますが、それでも鶏の生食による食中毒のリスクはゼロとは言えません。
※宮崎県・鶏肉の生食を原因とするカンピロバクター食中毒について

鹿児島県 生食用食鳥肉の衛生基準より

長々と書きましたが、結論を言えばふつーのラーメン屋が簡単に手を出すと結構危ないし、予想通り食中毒が起きてたねって話で、それだけだったら
「あちゃー、地方のラーメン屋さんやっちゃったねー。まぁこんな感じの店いろんなところで見かけるし、他所がやってるから自分も大丈夫と思っちゃったんだね。」
で流すところなんですが

ツイッターより

ツイッターのプロフィールを見ると、どこかのラーメン店にプロデュースされている、という記載があり、なんでそんな有名な店が注意してくれないの?そもそもどこの店?なんで具体的な名前ないの?と気になりちょっと調べてみる事に

Rettyより引用
Rettyより引用

Rettyにあったラーメン評論家の口コミが検索にかかり、どうやら島田製麺食堂ってところがプロデュースらしい

……というかこのラーメン評論家、

Rettyより引用
Rettyより引用

ジャーナリスト名乗るなら麺の茹で方がどうこうとか言う前にラーメンの上に乗ってる肉が安全かどうか疑問に持つ的な発想は持たないの?流石に食品衛生の基本的な知識はあるはずだよね?
自分の言葉でお客さんがそのお店に向かった後の安全に食事を楽しめるかどうかみたいな想像は一切しないの?

って自分、カンピロバクターの記事書いてますやん!!

Yahoo!ニュースより引用

……まぁこの人個人に別に興味ないからいいけど、だいぶラーメン評論家って職業にマイナスイメージを抱きながら島田製麺食堂を調べると、すぐに社長のYouTubeTwitter会社HPが出てきました。

YouTubeより

いろんなお店の経営に携わっていて、ご立派な社長みたいですがラーメン屋の年商が何億みたいな売り方はちょっと昭和のテレビみたいなノリだなぁ……まぁどうでもいいけど。

公式HPの情報と今回食中毒のあった店舗が同法人のプロデュースだという情報とが一致しているのか?を確認をしてみると

いや鶏白湯そば屋が何軒あるねーん!!


まさかと思い掲載されている何軒かのお店も調べてみると

食べログより引用
Twitterより引用
Rettyより引用
https://yyamato.com/torisobakuon/ より引用

全部同じ肉乗っけてるラーメンやないかーい!!
どんだけ生肉食わせるねーん!!

もうこの辺から冗談みたいな話で笑ってしまっていましたが、全国各地で同じようなラーメンを出す店をFCとして運営してるのは分かるとして、なぜリスクの高いことが予想される加熱不十分に見える鶏肉を乗せたラーメンを同時多発的に何店舗も全国に出そうと思ったのか。疑問を持つ人間は内外問わず居なかったのか。なぜ指摘されずに今まで放置されていたのかちょっと色々と意味が分からず、ある疑念が生まれてきました。
そんな疑念を抱きつつ、話題になっていた元のカンピロバクターのツイートを再確認していると、そのリプライ上であるお店についての情報が報告されていました。

どうやら表面化していなかっただけで、他系列店舗でも5月に食中毒の症状を感じたお客さんが複数名居たようです

さらにこのリプライには続きがあり

https://twitter.com/shot0915put/status/1542819723494440960?s=20&t=1XiaLp_WQ6qqZq5R2uN-Zw より引用
Twitterより引用

知らない人が言ってる話を鵜呑みにしていいものか、という見方もあるかとは思いますが、この感じは母体からダメだった可能性が考えられそうです。

常識的な店舗運営を考える会社であれば、系列店から食材が原因の食中毒が発生した時点で注意喚起だけなどに留まらず、同一メニューを取り扱う店舗へ本部からの指導で全店の一時営業停止と状況確認、お客様への信頼回復のためのリリース、そして安全についてのしっかりとしたエビデンスを含めた説明をするのが当たり前の最優先事項だと思っていましたが、どうやらそういった対応は期待出来なさそうです。
フランチャイズ加盟店を加盟店責任ではなく本部命令で営業停止にしたら、その分の営業補償金を出さないといけなくて大変だと判断したのでしょうか。
管轄の保健所には連絡を入れておいたので、行政指導があれば儲け物という感じで明日厚生労働省に直電してその反応を見てからという感じにしようと思います。

今回の件で
「ラーメン業界は知り合いが危ない事をやっていてもお客さんの安全を優先するとかそういう考えはせずに放置する」
「関係業者も金周りの良さそうな店だったら忖度して何も言わない」
「ラーメン評論家もお客に食の安全を届けるために必要があれば店にちゃんと言う義務みたいな職業人意識は持ち合わせていない」
という三つの大きい疑念が生まれてしまったのは自分の中で非常に嫌な体験でした。

今後この問題がどういった結論を迎えるのか、現時点では本当にわかりませんが、今自分が抱いているこの疑念を裏切ってくれるような人が居てくれる事だけを期待しています。


ラーメン店を二軒潰した負け犬元ラーメン店主の愚痴

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