これでわかった!「ハラミ」と「サガリ」
焼肉メニューで人気の「ハラミ」。
見た目も食感も、赤身肉に似ているが、実はこれも「ホルモン」の仲間だ。さらに「ハラミ」の仲間に「サガリ」と呼ばれる部位もあるが、どんな違いがあるのだろうか?
今回は、知っているようで知らなかった「ハラミ」と「サガリ」について、わかりやすくまとめてみた。
内臓にくっついているから、ホルモンの仲間!
◎ハラミとサガリは、横隔膜の筋肉
「ハラミ」と「サガリ」は、横隔膜の筋肉のこと。
見た目も、味も、食感も、赤身肉にそっくりだけど、肺にくっついているから、内臓肉(ホルモン)に分類される。
横隔膜は、息を吸ったり息を吐いたりする際、安定して呼吸ができるように、肺を支える役割がある。牛さんの大きな肺までコントロールする強力な筋肉の膜。それが、ハラミとサガリなのだ。
豚ハラミで、全体を見てみよう。
外側の肉が「ハラミ」、中央に置いたものが「サガリ」だ。
◎ハラミとサガリの位置
ハラミとサガリは、胸と腹を仕切っている横隔膜の筋肉だ。
お肉の部位が学べる『一頭買い!特選 焼肉パズル ウシ』で見てみると、胸と腹を仕切っている感じがよくわかるね。
この模型には、ハラミしかないが、サガリはどこにあるのだろうか。
お肉検定1級テキストによると「ハラミは肋骨側、サガリは胸椎から腰椎につながる横隔膜」と書かれている。
サガリは、胸椎から腰椎につながる横隔膜。
なんとなく背中に近い部分にある、と覚えておけばいいだろう。
◎「サガリ」という部位は、地域によって異なる!?
「ハラミとサガリ、どっちがどの部分なの?」と混乱する原因は、呼び方の地域性にあるようだ。「サガリ」という部位の呼び方は、地域によって異なる。
例えば、北海道・東北では、ハラミも「サガリ」と呼ばれる。関東にいたっては、サガリも含めて、横隔膜はすべて「ハラミ」だ。
ちなみに『食肉の表示に関する公正競争規約』では、サガリは「牛サガリ(ハラミ)」という名称になっていて、ハラミとサガリは区別されていない。
「ハラミ」は、やわらかくジューシー
ハラミは、やわらかくジューシーな味わいが特徴のホルモン。
赤身肉のようにやわらかく、焼肉でも人気の部位だ。
◎腹の身だから「ハラミ」
ハラミはその名の通り、“腹の身” だから「ハラミ」と呼ばれる。
◎英語名は「アウトサイド・スカート(Outside Skirt)」
ハラミの英語名は、アウトサイド・スカート。
Outside(外側の)Skirt(横隔膜)という意味だ。
牛ハラミの表面には「ハラミ筋」と呼ばれる大きな幕がついている。これをはがした状態は、なんだかスカートのようにも見える。
横隔膜の「Skirt」は、衣服の「スカート」と同じ単語だ。
アウトサイド・スカートという名前は、イメージ的にもしっくりくるね。
「サガリ」は、肉厚であっさり
サガリは、ハラミより肉厚で、脂肪分はやや少なめだ。
◎ぶら下がっているから「サガリ」
サガリは、ハラミの中央で、ぶら下がるようにして肺を支えている。その “ぶら下がり” から「サガリ」と呼ばれているようだ。
◎英語名は「ハンギング・テンダー(Hanging Tender)」
サガリの英語名は、ハンギング・テンダー。
Hanging(ぶら下がっている)Tender(やわらかい)。つまり、“ぶら下がっているやわらかい肉” と表現される。
ハラミとサガリが、わかったぞ!
ハラミは横隔膜の筋肉で、ホルモンの仲間。あらためて深掘りしてみると、そこからいろいろな発見があった。混乱しがちなハラミとサガリの違いも、これでスッキリしたはずだ。
焼肉メニューで人気のハラミ。理解が深まったところで、ぜひ食べてみてほしい。きっといままでとは違った視点で味わうことができるだろう。
ホルモンの部位がわかると、焼肉が楽しくなる!
閲覧ありがとうございマルチョウ。これからもよろしくお願いシマチョウ!