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神秘のホルモン「チレ」と「網脂」

「チレ」と「網脂」。
なじみのない名前かもしれないが、これも人気のホルモンだ。その姿を見てみると、やはり謎めいていて、ちょっと意味がわからない。

だけど安くて、おいしくて、一度食べたらハマってしまう魔性の部位。今回は、ホルモン好きなら食べておきたい、チレ網脂の魅力をたっぷりと紹介しよう。


「チレ」とは、なんぞや

「チレ」とは「脾臓(ひぞう)」のこと。脾臓ひぞうと言われても、あまりピンとこないかもしれないが、人間で言うと、給食の後なんかに、急に走るなどの激しい運動をすると「横っ腹が痛くなる」あの部分だ。

チレは、細長い形をしている。
別名「タチギモ」とも呼ばれているのは、この見た目に由来しているのだろう。

◎チレは造血臓器

チレは造血臓器。古くなった赤血球を壊したり、新しい血液を溜めたりする場所でもある。だからレバーぐらい鉄分豊富。それでいて、レバーのように、加熱でボソボソした食感になることもなく、クセがなくて、食べやすい。レバーが苦手な人にこそ、オススメしたい部位だ。

「網脂」とは、なんぞや

「網脂(あみあぶら)」とは、ほ乳類独自の器官。風呂敷のような大きな網状の脂で「大網(だいもう)」とも呼ばれる。

◎肉料理でおなじみ!ハンバーグを包むアレ

網脂は、よくハンバーグに巻かれている、あの網状の脂でおなじみだ。

網脂は、フランス語では「クレピーヌ」と呼ばれ、ハンバーグやヒレ肉などに巻いて調理される。

もつ焼きなら、レバーやハツに巻いた串焼き「網脂レバー」「網脂ハツ」で、おなじみだろう。

網脂ハツ

中国では 「巻き揚げ」という春巻きに似た料理で使われる。春巻きの皮の代わりに網脂に粉をふって具材を包み、パリッと揚げる。伝統的な広東料理だ。

◎網脂は、薄い膜で覆われている

網脂をよく見てみると、薄い膜がついている。

食材に、網脂を巻いて調理することで、型崩れを防ぎ、素材の旨味が閉じ込められる。脂肪の少ない肉に巻けば、コクが出て、風味が良くなる。見た目だけでなく、おいしさアップにも大活躍の存在だ。

◎網脂は、脾臓についている

網脂は、脾臓ひぞう(チレ)についている器官だ。チレの中央にある脂を広げてみると、網状になっている。

ホルモンで使われるチレは、網脂が切り取られた状態で流通しているが、ここに、大きな網脂がついていたということがよくわかる。

チレと一緒に、網脂も楽しめる!

マニアックな焼肉ホルモン店では、チレと網脂が同時に楽しめる「チレ脂」というメニューもある。

チレから大きな網脂を切り取った後には、脂の部分が少し残る。チレの中でもおいしいのが、この脂がついた部分なのだ。チレ単体より、網脂がくっついたチレが好き!というマニアも多いかもしれない。

臓器の神秘!「チレ」と「網脂」

◎網脂が包帯のように守ってくれる!

網脂は、ほ乳類独自の器官。あの大きな網は、なんと人間にもついている。普段は胃の下部に隠れていて、内臓が炎症した時、自分の意思とは関係なく、その場所にスルスルと移動して、包帯のように柔らかく包んで保護してくれるそうだ。

自分の体の中で、こんなことが起こっていたとは…
これはすごい臓器の神秘!

◎チレは免疫をつくる場所でもある

脾臓ひぞう(チレ)には、リンパ球をつくったり、ウイルスとたたかうための抗体をつくったりする働きもある。目立たない存在だけど、静かに私たちの体を守ってくれていたんだね。

ホルモン好きなら食べておきたい、魅惑の部位!

マニアックなホルモン「チレ」と「網脂」。初めて名前を聞いた時、なじみのない部位だと思ったが、人間にもついていて、実は不思議な役割まであった。

定番のホルモンとはひと味違って、どこか謎めいている魅惑の存在。安いのに、おいしくて、栄養もたっぷりだ。

見かけたときは、ぜひ食べてみてほしい!

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