プレゼンテーション1-1

観光ではない角度から見る、セビーリャ

こんにちは。Naokiです。
前回に続いて、アンダルシアの旅行記です。
セビーリャの観光についてのサイトは山ほどあります。こんな観光地あるんだと見る分には楽しいですが、もっと印象深く旅するのには観光以外の角度からセビーリャを捉えると、とても面白いんです。今回はそんなセビーリャの街についてご紹介します。

セビーリャってどんな街?

 アンダルシア州の州都セビーリャは、マドリッド、バルセロナ、バレンシアに次いで、スペインで4番目に大きい人口を持つ、大都市です。隣国ポルトガルとざっくり面積は同じで、海を渡れば、もうアフリカ大陸です。ヨーロッパとアフリカ、全く異なる文化圏の境にあるのが、アンダルシア州です。スペインの歴史では2つのターニングポイントがあります。1つは、大航海時代、もう1つは、レコンキスタです。後ほど記述しますが、このスペインで大きな出来事が起こったのが、ここアンダルシア州です。なので、スペインがぎゅっと凝縮された、もっともスペインらしい場所であると言えます。

世界で3番目に大きな大聖堂がなぜセビーリャにあるのか

 ホテルはセビーリャ旧市街の中心部にある「イングラテッラ」を利用しました。目の前がヌエバ広場で、トラムの始発駅もあるので、散策に非常に便利です。スペインの食文化を代表するバルもホテル内に併設され、また屋上のテラスからはセビーリャの街を一望できます。ホテルに泊まっている人だけの特権です。世界で3番目に大きい大聖堂もテラスからしっかりと見られました。特に夜は幻想的にライトアップされています。

 ホテルから歩いて7分くらいのところにセビーリャ大聖堂があります。世界で3番目の大きさです。スペインの大都市マドリッドやバルセロナなどにあってもおかしくないこの大きさの大聖堂がなぜ地方都市セビーリャにあるのでしょうか。キーワードは「大公開時代」です。

 この写真の奥にあるのはセビーリャを通るグアダルキビル川沿いにある「黄金の塔」です。この塔はどんな役割をしていたのかと言うと、監視塔でした。対岸には銀の塔と呼ばれる建物がかつてありました。お互いの塔は鎖で繋がっており、その鎖を川に下ろして船を通らせないようにしていました。これは今でいう税関です。実は大航海時代はセビーリャから始まったと言われています。その出発点になったのが、ここセビーリャでした。船が出発するのはもちろんセビーリャですが、植民地からの大量の奴隷や金銀などを積んだ船が到着するのもセビーリャです。つまり最初に宝が降ろされた場所こそ、セビーリャでした。そのため、ここセビーリャに大航海時代でもたらされた富を使って世界で3番目に大きな教会が建設されたのです。単なる地方都市としてセビーリャを見るか、かつての大航海時代の繁栄に思いを馳せてセビーリャを見るか。印象的に旅をするにはその土地の”歴史”を押さえておくことがとても大切なことです。
 実際にグアダルキビル川を見ると、こんなに小さな川から船が出て行ったのかと思いますが、今は大きな中洲ができてしまっているため、支流が2本に分かれています。下の地図を見てみてください。

 真ん中に大きな土地がありますが、これが中洲です。だいたい3kmくらいの幅がありますので、かつてはそのくらい川幅の大きな川だったということがわかります。グアダルキビルとはスペイン語で「大きな川」を意味します。

次回はセビーリャのメインとなる観光地を歴史とともに紹介します。アンダルシアを旅しても見逃しがちなセビーリャ。知れば知るほど奥が深いのが面白いところ。ぜひ行っていただきたい場所の一つです。

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