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ナカさんの寄席日記 38 第41回志ん陽の会

本駒込にある養源寺さんで行われている小さな落語会です。
毎回二つ目さんがゲストに入って、志ん陽師匠は二席+踊りを披露してくださいます。数年前にお弟子さんを取られましたので最近は開口一番に前座さんが上がって計四席。コンパクトですが内容充実の会です。古典落語がじっくり聴ける良い会です。そして何故かお客さんの男性率が高い。

前座さんの名前は「松ぼっくり」さん。古今亭松ぼっくり。名乗るとそれだけでクスクスっと笑いがおきます。ずいぶんと可愛らしい名前ですが、たしか、志ん陽師匠が古今亭志ん朝に弟子入りした時に付けられそうになった名前、と仰ってた気がします。師匠にとって思い出のある名前のようですし、一度聴いたら忘れないし、お弟子さん良いお名前をいただきましたね。

いつも(今日の二つ目は誰だろ♪)と襖が開くのを楽しみにしていたのに、今回はなんと開演前にネタバレしてしまった!! 何でかというと、志ん陽師匠んチのお子さんをお守している金原亭小駒さんの姿が襖の隙間から見えてしまったのです。まぁでも、二つ目ゲストはやはり古今亭・金原率高い。

志ん陽師匠で強情灸は初めて聴いたような気がします。今まで色んな噺家さんで強情灸を聴いたけど、今日はなんか不思議な気分になってしまった。
もぐさをほぐして固めて腕にのっけると、客席から(ほぅほぅ、やるなぁ~)みたな空気になって、「俺は炭火で火をつけるぜ!」と熊さんがパタパタやりだすとまた(おおぉっ、すげぇな。。。)みたいな感嘆の吐息みたいなものがマスク越しに漏れる。まるで、聴いている人たちが落語の世界に吸い込まれてしまって、一緒に長屋にいるみたいな感じといいましょうか。

今回のネタ出しはお若伊之助。前半はどこかで聴いたことあるような気がしたけど、志ん陽師匠では初でした。後半はちょっとコミカルで楽しい噺でした。色恋のはなしだからもう少し艶っぽい噺かと思ってた。

落語会終わって、夕方散歩がてらに団子坂方面へ、駒込大観音にお参りして帰りました。たしか去年は夕立に降られたけど、今年は大丈夫でした。
お寺の本堂に並べた椅子はいつもよりだいぶ距離をとった配置でした。
換気のために開けられた窓から、蝉の鳴き声や子供のはしゃぐ声などが遠くから聴こえてきて、夏の夕暮れの雰囲気に包まれた落語会でした。


第41回志ん陽の会 本駒込養源寺にて

松ぼっくり 子ほめ
小駒 替わり目
志ん陽 強情灸
    踊り~深川~
 仲入り
志ん陽 お若伊之助

2020.7.26

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