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ナカさんの寄席日記 第1回二番弟子の会

私のホームグラウンド(と勝手に思っている)の日暮里サニーホールで行われた「二番弟子の会」へ行ってまいりました。
タイトル通り、二番弟子3人で始めた新しい会です。香盤順(入門年)に柳家小もん(2013年春)、桃月庵白浪(2014年秋)、柳家小はだ(2015年秋)の3人組。年齢もほぼ同じ、一緒に前座修行やって、仲良し三人組なのでしょうね。私は柳家小里ん師匠と柳家はん治師匠のファンなので、小もん&小はだのお二人は聴く機会は多めです。白浪さんは久々かな。
どうやら「本当に3人だけでやる自主落語会」のようで(興行屋さんが入らない)、開場時間近くなっても高座の設営など忙しく動いているお三方の姿が見えます。開場すると受付も小はださんがやってました。検温、手の殺菌、お金の受け渡し。。。今はコロナで色々やること多くて大変ですよね。

まずはオープニングトーク。この三人ですと小もんさんが一番しっかりしていてトークを上手く進めていきます。小はださんの天然的な魅力、いい味出てますね~。世に三人組は色々ありますが、なかなかバランス取れた三人組ですね!キャラも上手いこと分散しているし。
今回は今春に二つ目になったばかりの小はださんにご祝儀高座ということで、最初に軽いネタとトリとで二席、あとのお二人は一席ずつ。
トーク終わりで出囃子で引っ込みたいのに、裏方がいないから小もんさんが先に引っ込んで出囃子CDをかけたり、とワチャワチャ感が楽しいです。

小はださんは権兵衛狸。「えーーー」という発声にかすかに柳家はん治師匠風味を感じます。ほんの些細な口調でも師匠に似るもんですねぇ。
小はださんが前座の頃、落語の最中ヒヤっとすることも(頑張れーと心の声)ありました。二つ目になった途端にコロナで大変だと思いますが頑張って欲しいです。

白浪さん、なんと「死神」!初めての会で、この出番で死神をかけるとは!!チャレンジ精神、意気込み感じます。内容もとても良かった!上手かったです。この会で一番の驚きというか感激でした。白浪さんのアイディアなのかはわからないですが、サゲも気が利いていてセンスが感じられました。マクラも面白かったです。二番弟子と言うのは惣領弟子とは違い、どこかフワっとしたところがあって伸び伸びしていますね。
実は白浪さんはおそらく前座になりたて位の頃に聴いていて、白浪さんの声が小さく会場の後ろの方まで聞こえなかったんです。それからたった5年でこんなに立派に死神を語れるだなんて・・・素晴らしい!きっとコツコツと真面目に修行しているんだろうなぁと感じました!シュっとした容姿と高めの声で個性的な噺家さん、古典も新作も上手。これからが楽しみです!

小もんさんは唖の釣り。前半の堅い話から後半の奇声への落差が効いてます。小もんさんの声や語り口は柔らかく、耳に心地よいです。ちょっとした仕草も綺麗。そつのない高座です。マクラの小里ん師匠と兄弟子、海舟師匠の話が面白かったです。柳家の中でも将来が楽しみな二つ目さんです。

お待ちかね、トリの小はださん。ご本人からの希望で「ネタは伏せて欲しい」とのことですので、何をかけたかはシークレット。古典です。
小はださんの本領発揮というか、実はこういうキャラなのかぁ!と納得した高座でした。弾ける小はださん見て「こういう路線も良いんじゃないかな~?!」と思いました。というのは、兄弟子の小はぜさんはとても落ち着いていて古典キッチリ珍品ネタもやるような二つ目ながら滋味深い噺家さんで、その弟弟子の小はださんはアナログレコード愛好家で珈琲屋もやったりちょっと変わった個性のある方だから、きっとフツーの噺家路線にはない小はだスタイルになっていくんじゃないかと。これからますます期待です!

早々に第二回目の「二番弟子の会」は決まっているそうで、令和3年1月28日、亀戸文化センターで開催。トリは小もんさんだそうです。
ずっこけ三人組ならぬ未来の名人三人組、これからもずっと応援していきます!

2020/10/8 日暮里サニーホール
第1回二番弟子の会
小はだ 権兵衛狸
白浪 死神
 仲入り
小もん 唖の釣り
小はだ お楽しみ


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