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ナカさんの読書記録 「お殿様、外交官になる / 明治政府のサプライズ人事」 熊田忠雄

いま、私の中でちょっとした幕末ブームが来ていて、この本もそんな流れから読んでみました。もちろん大河ドラマ「青天を衝け」も見てますよ~

著者の熊田さんが真壁庁舎前に立つ浅野長勲と綱子像を偶然見て、「これ誰?」と疑問に持った事からこの本は始まります。江戸時代までは一国の殿様だった藩主たちが突然外交官に命じられ、外国で華々しく活躍(?)したエピソードが掲載されています。

登場するのは
・鍋島直大 佐賀藩藩主
・浅野長勲 広島藩藩主
・戸田氏共 大垣藩藩主
・蜂須賀茂韶 徳島藩藩主
・岡部長職 岸和田藩藩主
・柳原前光 公家(←公家だけど)
・榎本武揚 幕臣(←この人はちょっと違うけど特別に)

思ったより殿様たちには「新しいものにチャレンジする精神」があるし、西洋文化もすぐに吸収して、お殿様&御正室様素晴らしいです!まぁ中には外国から帰ってきたらまた「ワンマンなお殿様」に戻っちゃう人もいたようですが・・・おおむね皆さんの外国生活への順応能力は高かったようです。海外へ外交官として出向く時になんと側室を連れて行った人もいたようです。まあそれも「お殿様」っぽいエピソードですよね。

何故、明治政府になって旧藩主が外交官に任命されたかというと、財力があるという理由が大きかったようです。政府からの送金だけでは海外での生活に足りないので、殿様の藩からも送金してもらいやりくりしていたそうです。外交官といっても当時はそんなに重要な外交任務もなかったので、ほとんど社交がメインのお仕事だったよう。豪華なドレスや宝飾品、パーティの食事など西洋人に引けを取らない立派で華美なものを誂えるとしたら相当お金は必要だったでしょうね。殿様外交官だからこそ出来たことでしょう。

ちょっと前まで髷を結い着物で暮らしていたお殿様と御正室様が意外にもスンナリ西洋風に切り替えが出来たの、柔軟性あるなぁと感心しました。


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