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ナカさんの寄席日記 2020秋 彦六ばなし 林家正雀など

コロナ自粛後、初の国立演芸場。席一つ飛ばしで定員の半分。全席指定ですがほぼ売れていたようです。開演までの静まり返った雰囲気。。。なんともいえず寂しい。でも二番太鼓がなりだすと少しワクワクしてきました!

ネタ出しの「梅若礼三郎」がお目当て。まだ聴いたことないネタ。たぶん正雀師匠くらいしか演らない噺なのかしら。CDやレコードだと圓生の口演が有名ですね。配布された正雀師匠の解説によれば、梅若礼三郎には二つの型があるそうです。能役者の梅若礼三郎が役作りの為に悪の道に入り盗賊になるのと、盗賊が能役者に顔が似ているから梅若礼三郎と呼ばれているいう筋。圓生は前者、正雀師匠の師匠の彦六師匠は後者の形でやっていたとの事。
筋は詳しく説明しませんが、途中から全然関係ない話になったような気がして、(えー?前半とどう関係あるの??)と思いながら聴いていたら、最後になって「なるほど!」という展開になって、正雀師匠の話芸の素晴らしさを感じました!やる人が少ない噺というのはやはり演じるのが難しいのかもなと思いました。スマートな語り口で端正な芸、さすが正雀師匠です。
「大店の犬」は鴻池の犬といったほうが馴染みがありますね。正雀師匠の手がずっと犬の手(軽く握って爪を隠す)になってたのが可愛かったです。
正雀師匠のようにサラっとやる落語の良さがだんだんわかってきた気がします。コッテリと泣かせよう、感動させよう、笑わせようというクドイ落語はちょっとね。。。落語がしっかり語れていればそれが全てだと思います。

二番弟子の彦星改め彦三さん、とても上手になっておられました。1年位聴いてなかったかな?マクラはちょっと慣れが必要かなと思いました。まだ二つ目になりたてですからどんどん高座に上がって頑張ってほしいです。
一番弟子の林家彦丸さんも出演して欲しかったなぁ。そういえば正雀師匠の一門会みたいなものはやっているんだろうか。一門といっても三人だけど。

桧山うめ吉さんは寄席の踊り、なすかぼでした。男性が踊る切れ味あるなすかぼも小気味よいけど、女性の踊るなすかぼも可愛らしくて良いですね。落語協会にもうめ吉さんのような色物さんがいたらいいのになぁ。踊りが入ると高座に華がありますよね。落語協会は落語芸術協会に比べると色物さんが少し弱いように感じます。まぁ、そこがそれぞれの協会の個性ともいえるけど。。。芸術協会だと浪曲やコントもあるしね。

落語会終わりのネタを貼りだす掲示板に「離れてソーシャルディスタンス」と注意書きが一緒に掲示されていました。そう、終演後は混みますもんねぇ、皆さん写真撮ろうとするから。数年後にこれを見て「ソーシャルディスタンス、懐かしい言葉だねぇ!あの頃はコロナで大変だったよねぇ!」と笑いながら話せる時が来るのかしらと思いながら国立演芸場を後にしました。
終演後は「すぐに座席を立たないでください、混雑を避けるために後方から順にご退席ご協力ください」と言っているのに我先にと帰る人いるし。。。あらあらトイレでも我慢してたのかしらね!?と思うしかないですね(笑)
それから家を出る前にあらかじめ電話で「ロビーで飲食は可能か?」問い合わせたのですが、食事NGとの回答。「では国立演芸場内で食事できる場所はないのですね?」と念を押して聞いたら「そうです」と。で、演芸場に着いて中に入ったらロビーで皆さんフツーに食事しておられた(笑) なーんだとガッカリ。。。軽食買ってくればよかった、でも1時間半の公演だから空腹でも我慢しましょ(ちょっと甘いものくらいはつまみたかった)今は都内各寄席、飲食の対応が異なりますので前もって調べたり注意が必要です。大変な世の中になってしまいましたね。。。

9/22 国立演芸場
2020秋 彦六ばなし

扇ぽう たらちね
彦三 がまの油
正雀 大店の犬
うめ吉 俗曲 なすかぼ
正雀 梅若礼三郎

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