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ナカさんの寄席日記 32 古今亭志ん陽独演会

2か月半ぶりの生の落語会。
自粛期間中の動画配信はとてもありがたかったけど、やっぱり生の高座の楽しさにはかなわない。ワクワクします。
緊急事態宣言解除後、6月に入り営業始めた寄席もありますが、まだ繁華街や人ごみに出るのが心配です。
ですので、徒歩圏内あるいは電車数駅程度の近所で開催の落語会にボチボチ出かけてみることにしました。

古今亭志ん陽師匠。ポッチャリ体型でエクボが可愛いです。芸は古今亭の本寸法。2012年8人抜きの抜擢真打の実力派。志ん朝師匠最後のお弟子さん。
以前より近所の養源寺さんの落語会には行っていて大好きな噺家さんです。

王子駅からすぐの公共施設「北とぴあ」。他の区よりフワっとしているのか北区(笑)、無事に会場が借りられたとの事。よかったですね。

松ぼっくり 手紙無筆
志ん陽 三方一両損
    踊り なすかぼ
 仲入り
志ん松 真田小僧
志ん陽 粗忽の使者

寄席の踊り「なすかぼ」大きな体の志ん陽師匠ですが動きは機敏です。茄子と南瓜のコミカルで楽しい様子を小気味よく踊ってくださいました。
三方一両損の江戸っ子の喧嘩、軽快な啖呵のなかにもチャーミングな感じも混ざり、志ん陽師匠らしくて楽しかったです。
粗忽の使者はちょっと苦手な噺なのですが、お尻つねるところサラっとやってサゲにすっと入ったのでよかったです。(あんまりしつこくギュウウギュウつねるの苦手)志ん陽師匠の袴姿ってあんまり見たことないかも。
久々の生の落語、楽しいひと時を過ごしました。

客席はコロナ感染防止のため、前後左右かなり離して椅子が配置されていました。会場キャパの3割程度の数でしょうか。マスク姿のお客さんも楽しんでいる様子でした。やっぱり笑い声って幸せな気持ちになりますね!
でもやはり、離れて座っていると笑い声がさざ波のように漂ってしまい、今までの「ドッカンドッカンうける!」ような笑い声にはなりづらいですね。寄席や落語会のように、人がひしめき合っていると笑いも伝播するものなのでしょう。いつもの三遊亭歌武蔵師匠のマクラ「人は笑っているうちに面白くなるんです!」というのはあながち冗談でないのかも。小さなクスクスが伝わって大きな笑いの渦になる。はやく今までの寄席みたいに、見知らぬ人どうしゴチャっとした寄席でゲラゲラ笑える日が来るといいですね。

それと「あっ!」と思ったのが(カバンどこに置こう・・)
今までなら無造作に床に置いていたカバンもコロナウィルスが心配で直置きできません。これからは寄席や落語会に行くときには極力手荷物をコンパクトにしないと。。。靴脱いで上がる寄席ではスリッパも一時撤去している寄席もあるようです。コロナウィルスが流行っているうちはなんでも「今まで通り」というわけにはいきません。十分気をつけつつ演芸を楽しみたいと思っています。

2020.6.14 北とぴあペガサスホールにて

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