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どんぐりむし

3歳の息子が通う保育所では、毎週水曜日に移動図書館がやってきて、本を一冊貸し出す取り組みをしている。

貸りてくる本が『息子本人が選んだもの』なのか『先生が選んだもの』なのか、よくわかる。

『先生が選んだもの』は、息子が『貸りてきたくせに読まない』からだ。

※時間内に、息子が決めきれなかったのね、とお察ししています。



さて、昨日は水曜日。
今回は誰チョイスの本かな、と絵本バッグを覗き込む。


どんぐりむし……だと?

アウトドア好きのくせに、虫が苦手な私は固まった。

しかもイラストじゃなく、リアルな写真。40代に嬉しい大型本だね。うん。よく見えるよ、どんぐりを食い破って出てくる虫が。

これを、読まねばならないのか。と絶望しそうになり「いや、待てよ。先生チョイスなら読まなくてオッケーだ!」と気を取り直して、絵本バッグにそっとしまおうとした。

そこへ手洗いうがいを終えた息子が登場し、絵本をみるやいなや……

「あっ!ボクのどんぐりむしー!読もう!ママ!」

完全に息子チョイス本。

嬉しそうに私の膝に座って絵本体勢に入っている息子に「読みたくない、むしろ触るのもちょっと……」など言えるはずもない。

『どんぐりむし』は、全ページ写真掲載で、図鑑のような構成。

幼虫どころか成虫まで登場して、どうしてどんぐりの中に幼虫がいるのか?おかあさん虫が産みつけてるからだよー!幼虫にとってどんぐりは、身を守るベッド、かつ美味しいご飯なんだよー!ということが分かりやすく描かれている。

「もう1回よむ」という、まさかのおかわりまで発生したので「ああ、こんなマイナーな虫まで好きだなんて、将来は昆虫博士かしらね。それなら、ママは応援するしかないな。」と、覚悟を決めた。

『どんぐりむしを飼ってみよう!』という、なんともありがた迷惑なページを見ながら、息子に語りかける。

「ムスコ君、今度のキャンプでどんぐり集めようか」

「うん!しようしよう」

「こんなふうに、お家で飼えるみたいだから、やってみようね」

一瞬、息子が黙りこんだ。

「んー。それはむり」


昆虫博士の夢は絶たれたが、我が家の平和は守られたのであった。

いろいろ書きましたが、『どんぐりむし』……いい本ですよ。「へー。そうなんだ。虫ってたくましい!」と楽しく読めました。来週の息子チョイス絵本が、今から楽しみな母なのでした。

食事中の人は、ごめんなさい。
最後まで読んでいただいき、ありがとうございました。


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