「私」がいっぱい(パート1.5)【16】
【16】承前、哲学的感度
第3章第4節で、森岡氏は、かの「唯一最大の論点」に関する“新機軸”もしくは“新趣向”を繰り出します。そしてそれは、永井氏からの最終的な反撃を引き出すことになるのです。
森岡氏は、「風間くんの質問」(次回取りあげる予定)に言及した際、そもそも「この問いの全体がどの視点から見られているのか」(164頁)──神か人物○○(永井氏の表記では「私」)かそれとも読者なのか──という論点を指摘し、これを別の角度から見るために「人物○○と〈私〉が連結される三つ