見出し画像

プロが教えるストレスチェックを活かす3つの視点

ストレスチェックのご担当者様からよく聞かれる質問

  • ストレスチェックってやる意味あるんですか?

  • ストレスチェックをやると会社にメリットありますか?

こんなご質問をよく受けます。
私もプロですから、説明責任がありますので、お応えしましょう!
また、ストレスチェックの活かす3つの視点についてもご紹介していきます!

いきなり結論

結論からお伝えします。
この質問が出てくる状態でストレスチェックをやっても意味もメリットもあんまりありません!

でもそれで切り捨てちゃったらダメなので、メリットのあるストレスチェックの実施を目指して解説していきます。

定義的な意味やメリット

一次予防が目的

定義的にはストレスチェックはメンタルヘルス不調に対する一次予防が目的です。一次予防とは未然予防のこと。
病気にならないように心の健康状態をチェックする機会がストレスチェックです。

高ストレス者の発見

高ストレス者を発見するという二次予防的な側面があります。定義的には二次予防は含まれませんが、事実として機能しています。
二次予防とは早期発見早期対応のことです。ストレスチェックは高ストレス者を見つけるという早期発見に役立ちます。

集団分析による職場環境改善

集団分析を職場環境改善に役立てます。
課題を見つけたら、課題を潰していきます。
強みを見つけたら、強みを伸ばしていきます。
集団分析で得られるものは統計的な数値情報です。その為、現場の実態と照らし合わせながら検討、解釈していくことが必要です。

ストレスチェックを活かす3つの視点

視点その1:一次予防とセルフケア

一次予防の大事な考え方は「健康を維持しようね!」ということ。
ストレスチェックを受ける人のほとんどは健康であるという前提であるし、病気を発見するためのツールではありません。
客観的に評価される個人結果を見て、心の健康を維持するために自分自身を振り返っていただく機会にするということが大事です。

セルフケア研修に個人結果の見方の説明会を含めることもオススメです。
ちなみにセルフケアとは「自分の健康を自分で守る」という考え方です。自己管理と言ってもいいかもしれません。

視点その2:高ストレス者の積極的な面接の活用

高ストレス者は病気を指しているわけではなく、字の如く「ストレスが高い人」のことです。メンタルヘルス不調の予備軍と言ってもいいでしょう。
高ストレス者のほとんどは健康をまだ保っています。でも、その中の一部には病気の人が含まれていることもあります。

高ストレス者になると医師面接や補足的面談(カウンセラーなどによる面談)が勧められます。
これをきっかけに、私のカウンセリングを申し込んでくださった方が過去に何人もいらっしゃいます。高ストレス者を見つけることは、ケアを受けるきっかけ作りとして機能します。
どんな健康問題でも素人判断は危険です。高ストレス者の方には念の為に漏れなく面接を受けてもらいたいです。
会社には労働者が安心して面接を申し出られるような配慮やルール作りが求められます。

視点その3:働きやすい職場をつくるための集団分析活用

集団分析は前述のとおり職場環境改善に活かすためのツールです。
例えば、対人関係が良いと結果が出ていたとします。じゃぁ、その良好な対人関係はどうやって作られているのかを検討します。
それは社内の大切な好事例です。好事例は他部署にも横展開しましょう。更に、意図的に良好な対人関係を作っていく施作を検討、導入していくことまで狙いましょう。
仕事の量が多いという結果の場合には、マニュアルの見直しやワークフローの見直しなど業務改善を考えることや、人員の増加などを検討することになるかもしれません。

職場環境は1人の影響を強く受けている場合があります。
職場の潤滑油となってくれるコミュニケーション能力の高い方がいるかもしれません。パワハラ的な管理職がいるかもしれません。問題社員に振り回されているかもしれません。
しかし、集団分析は誰か個人を評価するためのものではないことを気を付ける必要があります。
1人の影響が大きく出ているとしても、悪者を排除すれば解決するという話ではありません。職場の雰囲気がたった1人に左右されるという組織の脆弱性に目を向けていくことが重要です。

質問への本当の回答


ここまでお伝えして、最初の質問に返ります。

  • ストレスチェックってやる意味あるんですか?

  • ストレスチェックをやると会社にメリットありますか?

ストレスチェックの活かし方が分からないとこの様な質問が出てきます。
ここまで読んでいただいた皆さんには、ストレスチェックの活かし方が分かってきたと思います。
活かし方がわかれば、最初の質問が出ることは無いでしょう。
是非ストレスチェックを活かして、「働きたい会社」と「働いてほしい人財」を作ってください。

もし現場の個別性の中で、具体的にどうすればいいのかわからない!という時には、是非ご相談ください。
ストレスチェック実施者としての活動や、ストレスチェック後の職場環境改善などのコンサルティングをさせていただきます。


ホームページ


お問合せフォーム


筆者
大阪心理カウンセリング喜び 代表 中井裕規
「働きたい会社」と「働いてほしい人財」をつくるコンサルタント
資格:精神保健福祉士、公認心理師、産業カウンセラーなど
EAP社に勤務後、独立。産業メンタルヘルス分野での活動実績多数。
個別面談 延べ5,500名以上
研修、セミナー、講演 延べ180社以上
ストレスチェック実施者 延べ100社以上
(2022年3月末現在)


参考
・こころの耳 ストレスチェック制度について
ストレスチェック制度について|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)(2022年5月4日アクセス)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?