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メディア王

ウォーホルで有名なクラムチャウダー缶を牛乳であたためて2回分に分けて食べている。
メディア王というドラマを延々と観ていて、こんな世界に生きていたら作曲なんて一生集中できないなと感じる。が、そこでパッとできちゃうこともあるのでなんとも言えない。こうして海外ドラマを漁るほど時間を持て余していても、作る気も起きないなんてこともあるのだ。

鎌倉殿の13人は途中で飽きてしまうのだけれど、メディア王は続きが気になって仕方ない。金持ち映画が好きなのだろうか。確かにウルフオブギャングストリートも好きだ。あんまり頑張りたくないが、騙し騙され、冷徹なのか卑怯なのかわからないあっと驚く判断を見ることができるのがおもしろい。

曲を作りながら頭を抱えている時間が一番良い。街をうろうろしながら何か決め手はないかと目を光らせる。国立近現代建築資料館で原広司展を拝見するために足を運んだ旧岩崎庭園で、ついでだからと洋館を見学した。多少縁がないわけでもない岩崎邸であるものに出会った。金唐革紙だ。宮殿などに使われる金箔を用いた凹凸のある壁紙だ。草花や鳥、虫、そんなモチーフが複雑に配置されて見るものを飽きさせない。特に屏風として展示されていたものが素晴らしい。モチーフを金箔であしらい、他の地の部分の配色のパターンを複数用意することによって、同じモチーフだが複雑な絵画のように画面が作られている。この方法は使える!写真NGだったのが惜しいが、そのインパクトは頭に残っている。今日の外出はこのためにあったのだなぁと感じた。私の絵を展示作品化するなら、こういった手法も考えられる。いつかこんなことをやりたい、イメージがあると気持ちが前向きになる。

武蔵野美術大学の卒業製作展にも行ってみた。
郊外の広いキャンパスの幾つもある校舎のほとんどに作品があり、見て回るのはとても大変だったが7割くらいは見ることができたはずだ。
駆け足でとにかく気に留まったら立ち止まるスタイルで回ったため、建築をはじめインダストリアルやデザイン、計画系のいわゆるプレゼン作品は余程のアピール上手でないとなかなか頭に入ってこない。この一つ一つに意識を向け理解し点数をつけて講評するのは相当な見識と体力が要る。先生も大変だろうと思う。
工芸系も難しい、基本的な技術の評価を超えてひと目で面白いと思える境地に辿り着くのは大変なのだと感じたが、一つ一つの小さな作品に込められた想いはとても良く掴むことができた。手のひらに収まるこの小さな世界に没頭していたい。わたしも。
彫刻や油画、日本画はその点見応えがあった。大きなスケールのものはそれだけで迫力があって興味をそそるし、これは新しいのではと感じる作品もいくつかあった。インスタレーション系もどういうこと?と頭が一瞬混乱するのがおもしろい。
まわっていて印象的だったのが、若さを感じてしまったことだ。既存の作品や憧れているのであろう作家の影響をどうしても感じてしまったり、その葛藤が痛いほど伝わってきて苦しい。若さとは詰めの甘さのことなのかもしれない。そして各展示スペースに座り観客を睨み付ける作家のあなた、わかるなんて言ってほしくないだろうけど、わかってしまう。お互い作り続けましょう。そう考えると、プレゼン系と実作系にはやっぱり、作品に対する取り組み方が違うんだなというのを感じた。プレゼン(仕事)にも、油画のキャンバスに向かうような鬼気迫る熱量を持って挑みたいものだと思う。

写真は旧岩崎庭園近くの室外機の納め方が素晴らしい有名なマンション。

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