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花のあとのフェミニスト

斉藤麻里さんの名曲「虹がかかる」となんとなく似ていると思って久々に一青窈の花のあとを聴きながら、10年前、同名の北川景子主演のこちらの映画に超どハマりしたのを思い出してました。この映画で北川景子にどハマりして、現在絶賛推し活中の下町ノ夏さんの倍くらいSNSで話題にしてました。と言っても、2年続けている今の推し活に対して、当時ハマった期間は半年くらいですがw。北川景子の殺陣の雰囲気にどハマりしたんですが、その魅力が素晴らしすぎるだけでなくて、それ以上に素晴らしいものがある傑作の映画で、一度見てみてください。

ラストシーンで許嫁と結婚することを心から受け入れる証に、主人公のいと(北川景子)が、江戸時代定番に漏れず、夫に三歩下がって歩いてついていくのですが、当時も流石に絶対フェミニスト的に受け入れられないだろうなと思いつつ、このせつなさとはかなさと美しさをどう世界に理解してもらおうかと考えたものです。

10年ぶりに思い返してみて、やっぱり三歩下がって歩くのはありえないです。20年近くの結婚生活で、一度だけ妻が怒ってこれされたことあるんですが、逆にむかつきますよ。でも、ポイントはそこじゃないと思ったので書きます。

ジェンダーギャップが現代でもパキスタンレベルで最悪の日本では、当時女性に活躍できる場は少なく、あってもごく一時期、それが儚さに繋がっていると思った反面、主役の女性を男性が盛り立てるというのに10年前はまだ違和感があったんじゃないかなという気がします。その違和感が切なさに繋がっていたのかもと。実際それが切なさまだまだ自分が主役になりたい年齢だったですしw。

現在はそれ克服して、ちゃんとしたフェミニストしてる自信はあります。別に自画自賛しなくても十分それで楽しいです。

あらすじは(ネタバレです、関心がある人は、原作短いので原作読んでからどうぞ)、いと(北川景子)は剣の達人で、藩一番レベル、そのいとが孫四郎という若者と一度対戦して、唯一敗退。そこから恋心をいただくものの、藤沢周平あるあるの江戸時代末期の貧しい藩、すでに結婚相手は決まっていて、二度と会えないという状況(そこらへんが中世的な切なさがあります)。しかも孫四郎が悪役の市川猿之助(真打ですがなw)に、陥れられて切腹させられてしまいます。その仇をうつわけですが、そもそも、そのためには、黒幕が誰かを探すことから始めないといけないわけです。でも当時、女性にできることは限られているので、実際に調べたのが、なんといいなずけの才助。才助が真打の猿之助がなぜそういうことをしたかも突き止めて、確証を得た後、実際に殺陣をするのが北川景子で、助太刀の3人もろともいとが成敗して敵討ちを成し遂げます。更にその後始末も才助がするという話です。

2009年から11年まで渡米し、二人の息子が米国で生まれて、米国の育児でのやりやすさと、子育て家族への優しさに感動し、フェミニストに目覚め始めた時期です。日本でも女性の社会進出促進しなければならないって思ってた矢先にこの映画を見たわけです。その帰国直後にハマったのがこの映画でした。あまりに北川景子が似合いすぎて、当時までの出演作をほぼ全部見ました。

感情的にはせつなさや儚さに心を打たれながら、北川景子があまりにかっこよかったのが最後のナッジになって、中道のフェミニスト目指したのかなあと。個人的には理想の上司はパトレイバーの後藤隊長ですが、今から思うといと(北川景子)の夫の才助もかなり理想。まさに今でも昼行燈って呼ばれたいと思いますし。正直、才助のようなキャラでうまく行ってることも多いと思います。

これからはもっとジェンダー平等が実現されていくと思います。その過程で、もっと過去の体制が一新されて、なくなっていくはずです。その過程で過去に懐古することも出てくるでしょう。そのとき、いとが失ったものに懐古しつつ花見の席を後にしていくように、切なさを感じることがあるかもしれません。それはそれでいい思い出になるんじゃないでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=YEhBBkGxPWs

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