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春の北野天満宮を思いながら麹座の崩壊と、変化することの面白さの話。


​関東は、暖かい小春日和となりました。
もう西日本では梅が咲いている頃でしょう。
 

ぼくは、学生時代は京都なのですが
毎年この時期に北野天満宮に
梅を見に行くのが楽しみでした。


さて。

それで思い出して突然、麹の話ですが、、、、。

 

北野天満宮は600年前、「北野西宮麹座」という麹の製造・販売を独占する組合があったんです。「座」っていうのは「ギルドや、同業組合」みたいなやつです。麹はお酒を作るにも、醤を作るにも必要だから、食生活に絶対必要なものなんですが、その大元の原料の麹が独占販売であったわけです。酒蔵も麹座から麹買わないとそもそも作れない。

 
面白いですよね。北野天満宮の神人が、麹を作って販売してたって。昔から麹や酒は、神社仏閣と深い関係があります。
 
ちなみに今の日本酒の作り方のおおもとになった生酛造りの、さらに古い作り方が「菩提酛」って言いますが、これもお寺で発展したお酒の作り方です。

(↑これはアムステルダムで実験している菩提酛。生活環境の乳酸菌と、酵母菌を自然に培養してお酒にします。)

600年前にその独占がもとで、開放を求める市中の酒屋と揉めて、延暦寺の僧兵や、近江の馬喰なんかも加わって、なんやかんやケンカしてしまって。結局、北野天満宮は焼き討ちにあってしまうんです。この時、天満宮は大半が焼失したそうです。
 


、、で。これがもとで麹座制度は崩壊するんですが。
 
それがあって今の種麹屋も、酒造業の繁栄もあるのか、、、と思いを馳せながら、現在の北野天満宮の梅と、平和な風景を思うと感慨深いです。
 
まぁこの麹座や、種麹屋さんの詳しいお話は@ymuraiさんのnotoで、いずれお話してくれると思います。


まぁ、
 
こんな感じで
 
人生や、仕事には、いろいろな出来事もあって
浮き沈みもある、山も谷もあります。
 
 
けど、環境に合わせて
進化と変化を繰り返すことで
 
案外、以前のステージよりもよくなったり
楽しくなったりもするものです。
 
微生物は、その変化がうまいな〜っと思います。
 
ちなみに前述の焼き討ちにあって崩壊した麹座は、麹の製造・販売を独占できなくなったので
そこから業態変化して「もやし屋(種麹屋)」になったそうです。
 
ここでもやし屋さんが誕生したおかげで、純粋で高品質な麹のスターターが安定供給され、日本全国で都市部も田舎も、質の高いお酒や味噌を、安心して作る事ができてます。もやし屋さんがいなければ、日本の発酵食文化は、今とはまったく違う発展をしていたでしょう。

 
 
生物進化の中で生き残るためには何が必要か?と問われれば
 
強いこと。ではなく、、、
変化できること。
 
だと聞いたことがあります。
 
 
もし何か壁にぶつかったり
上手くいかないことが続くなら
 
「今、変化するタイミング」と考えると
案外、人生が面白い方に転がるかも知れません。
 
 
少なくともぼくの人生は壁にぶつかりまくりで
その度に変化の連続で。

それでもどんどん楽しく、面白くなってきてます。

少なくとも10年前には想像もしなかったような仕事(ぼくの仕事は「麹造りを教える」こと。かなり特殊です)と、仲間がいます。。
 
 
そのままで上手くいかない時は
ちょっと変化してみてはいかがでしょう。
 
新しい自分に出会えるし

新しい世界も体験できます。

もちろん、その場でがんばってやり抜くのもいいと思います。でも、ぼくみたいにがんばれない人や、環境的に覆えしがたい状況に陥ったなら、自分が変化してしまうのも、また生き残る道だと知っておくと、選択肢が広がるのかなあっと思います。
 
そんな人たちに届いたら嬉しいです。


今日も良い1日を

 

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