【2018年1月~3月】自作短歌まとめ

はじめまして。中條茜と申します。

短歌を始めて約3ヶ月経ちました。主にうたの日、Twitter(いちごつみ)に投稿した短歌をまとめてみました。よろしくどうぞ。

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カーテンにくるまれながら思い出す光とともに生まれたことを

板書する前の小さな咳払い聞いてノートの隅に書く「すき」

バージンを捧げてみようフイルムを剥ぎとる前のケーキの気持ち

よく振ってお飲みくださいしあわせが取り残された空き缶の底

目を閉じてキスをしようよ深海はたまに光の澱が見えるね

特大のわくわくたちが連鎖する遊ぼう春のピタゴラスイッチ

致死量の青春を噛む青空は青い地獄はちょっぴり怖い

天気図にハートマークを撒き散らす週間予報はぜんぶ花丸

手は蹄 背中には羽 紺碧の瞳 架空の生き物あなた

街路樹の木漏れ日ばかり溢れてるキミはホントに生易しいね

花束を抱え始発に乗りこんだ泣いて笑った日々の終わりに

負け越しも悪くはないね春色の君は遠のく「ち・よ・こ・れ・い・と」と

ファイル「夢.txt」は存在します。上書きしますか?<いいえ>

出玉尽き7のリーチは揃わない君は「籍でも入れるか」と言う

メランコリー、三月ほどの優しさでちゃんとあたしを飼い慣らしてね

乙女らは瞼を開けたまま眠る恋ふれば星降る降る真昼

丁寧な暮らし豊かな生き方に憧れていた 桃缶を切る

唐揚げにレモンするっていうのはさ、文化じゃなくて圧力ですよ

ビル街のうねりの中で死んでゆくコーラルピンクのピアスが揺れる

ニヒリズム突き抜けて雨、永遠も愛も希望も全部嘘だろ

右袖のボタンでいいの貴方っていつも頬杖ついていたから

C/G/Am/Fを繰り返す 愛は至ってシンプルである

真北指し「南十字星(サザンクロス)!」と言ふ人を笑ひし夜の未だ眩しき

アリたちの進行経路に飴玉を置いて新世界の神となる

台本に抗ってみる日もあって合鍵の鈴おどる午後二時

曖昧に「そうだよね」ってニヤついてわたしはみんなの一部になった

ネタバレはやめてください木枯らしがページを捲る推理小説

ああなにもうまくいかない晩酌のスーパードライも7割が泡

偏屈でネクラで部屋で全裸でもいいのあなたの顔が好きなの

ハンドルを握る横顔見つめてる(一緒に死んで)夜のハイウェイ

朝焼けを予感しているまだ暗いこころに七の和音は鳴りて

もう行くよ(はやくきめてよどっちでもいいよそのシャツ同じ色じゃん)

冷たい、が連鎖していく足先を塩素に浸した瞬間に夏

欠けてゐる吾ゆえいとしきものもありたとへば雀の頭の丸み

空澄みて鳶舞う小春日なればこそ母生かしたるスイッチを切る

三両の列車は走るイエローとシアンの二色刷のふるさと

しづかなる夜半眼に新月の宿りたるきみほぼほぼ死体

さよならを繰り返してるもう一度あいたいフォークダンスみたいに

「冷えるな」に「ですね、」で返すつなぎたい手をああわたし手をつなぎたい

坂道を駆ける速度を競い合う僕らの春はいよいよ青い

愛憎を一人燻らすハイライトあなたと共に灰になりゆく

のけものは汚れた上ばき履いており星を見上げる蛇使い座を

お別れの理由が並べられてゆく袖に僅かなコーヒーの染み

脇役には脇役の生き方がありまばたき一つで総てを語る

柴犬が宙に浮かんで僕たちのショートショートがまだ終わらない

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2018年元日に「一日一詠頑張りたいな」ってツイートしたんですが、3月末までに470首ぐらい作ったみたいです。わあ。

たくさん詠んでまた3ヶ月後くらいにまとめられたらいいなあと思います。では!

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