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【和訳】Logic -Keanu Reeves-

リクエスト頂いたのでざっとですが訳してみました(適宜加筆修正します)。

この曲はタイトル通り随所にキアヌ・リーブスの引用が入っています。基本的にはボースティングものなのですが、ロジック自身が”バイレイシャル”であることについてラップしています。Youtube等にもインタビューが上がっているので気になる方は観ていただきたいのですが、(本人曰く)実はロジックは白人と黒人のハーフであるらしく、インタビューや過去曲でそのことに触れているのですが、それをミームなどでいじられてしまった?みたいなんですね。人種差別問題に加えて、そうした人々の嘲笑に対してもこの曲で軽く反撃してるみたいです。

ボースティング曲あるあるなのですが、非常にワードプレイが多く、トラックとラップの疾走感も相まって、中々聴きごたえのある一曲に仕上がっていると思います。後半では夢に向かって努力することの重要性など結構いいことも言っているので是非最後まで目を通し手頂けると幸いです。

[Chorus]
I'm the one, bitch, I am the one, like Keanu Reeves
俺こそが 救世主さ、ビッチ。俺が救世主、まるでキアヌリーブス *

*キアヌリーブス演じるマトリックスのネオを自分の比喩として使っています。The Oneは本作で「救世主」と訳されているみたいなのでそのまま採用しました。

Get it done, yeah, I get it done, no blood on the leaves
こいつをさっさと片付ける。葉っぱには血なんかついちゃいないさ *

*"Blood on the leaves"はカニエウエストの曲名ですが、その元曲はビリー・ホリデイの"Strange Fruit"という曲。このStrange Fruitはアメリカ南部の人種差別問題を謳っていて、Logicはこの曲で自身がバイレイシャル(黒人と白人のミックス)であることをラップしていることから、この曲の歌詞をフックで引用しています。さらに、Get it doneとNo blood on leavesは映画「ジョン・ウィック」でキアヌが演じる主人公にも掛かっています。ジョン・ウィックは殺し屋で血痕ひとつ残さず(No Blood)任務完了する(get it done)する、と。

They can't leave us hangin', no, no, not no more, best believe
もうこれこの話題について、宙ぶらりんな状態にはさせないぜ。

Yeah, that shit is banging, Bobby killed it with no time to grieve
この曲はまじでイケてる。ボビー(=Logic)は悲しみに暮れる間も与えないくらい一瞬で(ヤバいラップをかまして)ブッ飛ばしてやるぜ

I'm the one, bitch, I am the one, like Keanu Reeves
俺こそが 救世主さ、ビッチ。俺が救世主、まるでキアヌリーブス

Get it done, yeah, I get it done, no blood on the leaves
こいつをさっさと片付ける。葉っぱには血なんかついちゃいないさ

They can't leave us hangin', no, no, not no more, best believe
もうこれこの話題について、宙ぶらりんな状態にはさせないぜ。

Yeah, that shit is banging, Bobby killed it with no time to grieve, ayy
この曲はまじでイケてる。ボビーは悲しみに暮れる間も与えないくらい一瞬でブッ飛ばすぜ

[Verse 1]
At the Garden, sitting courtside, look around like, "oh my God"
(NBAを観にきて)マジソンガーデンスクエアのコートサイドに座って、オーマイガーって言いたくなるような気分で周りを見渡したんだ。*

*ロジックはマジソンスクエアガーデンにNBAの試合を観に来ていたことがあるみたいです。観に来た時にその迫力とデカさに圧倒された、ということでしょうか。

I just sold this motherfucker out, I ain't even try
俺はチケットを売り切ろうと躍起になったわけじゃない。チケットはただ売りだしただけで完売しちまったんだ。 *

*そして前述のマジソンスクエアガーデンのチケットを完売させライブを大成功させたと。しかもチケットは宣伝などしなくても売り切れたと言っています。この人、しつこいぐらいこのことを自慢してますよね。笑

I ain't one to floss, but I got plaques, run it back
俺は見せびらかすような男じゃないけど、いくつものアルバムセールスの認定盾を得てきたんだ、思い返すとな。*
(俺は歯石を落とさなきゃいけないようなやつじゃないんだけど、口の中にプラークはいるんだよ、思い返すとな)

*Flossは「(歯石を落として)歯を磨きあげる」、という意味と「みせびらかす」という意味が二つある。そしてPlaqueは歯石の基になる「プラーク」と「音楽のゴールドやプラチナ認定の盾」という意味がある、と。完全に文章として2つ意味がかかったワードプレイ。面白いです。

Once I touch down, I go deep like a running back
タッチダウンを決めれば、(アメフトの)ランニングバックみたいに猛ダッシュを決める *

*1つ前のラインのrun it back(=思い返すと)からアメフトのRunning Backに繋いでます。巧い。

Just jumped on the private jet and rolled a joint *
プライベートジェットに乗り込んで、ジョイントを巻く 

*さらに1つ前のラインのtouch downはアメフトのタッチダウンと飛行機の着陸という意味があり、今度はアメフトから飛行機に繋いでいます。巧い。

Played the beat then wrote that joint
ビートをかけて、このジョイント(=コラボ)を書き上げてる

Wrote a whole movie, then I sold that joint
映画一本分をまるまる書き上げて、そしてそのジョイントを売ったんだ。 *

*LogicはBad Robotという映画の全編に渡って音楽担当を担ったみたいです。ここでのジョイントは前のラインと対になっていて、前者がマリファナのジョイントだったのに対してこちらはコラボ的な意味でのジョイント、です。

Fuck Illuminati, that boy 6ix got my back
イルミナティなんざクソ喰らえ、俺の後ろには6ixがついてる、

6ix made this beat, 6ix bring the heat you got on repeat
6ixがこのビートを作ったんだ。お前らが何度もリピートしちまう熱を6ixがもってきた *

*6ixはロジックと長らくコンビを組んでいるプロデューサ。ロジックはこの2ラインで3回6ixの名前を出しています。つまり”666”。これが最初のファック・イルミナティと掛かっています。かなり面白いワードプレイですね。イルミナティと666について、知らない方はぜひググってください!

Word on the street
街でなにやら噂になってる

Can't no one compete, I'm spectacular
比肩するやつなんていやしない、俺は別格の男さ

That boy got the sauce on the RAGÚ-lar
この男(=Logic)はいつだって自分のスタイルをもってる *

*sauseは自分のスタイルとかを意味する比較的最近の言い回しでスワッグとかに近いかもです。(Ski Maskも使ってました)。またRAGUというのはソースを作っている食品メーカーらしく、Regularを"RAGU"larと発音するプチワードプレイも入っています。

I don't play no games 'less we talkin' Fortnite
俺は冗談を言ってるわけじゃない、Fortniteについて話してるわけじゃないんだ。*

*Fortniteはテレビゲームらしいです。こゲームでは前述のキアヌリーブス演じるジョンウィックの衣装?がオプションアイテムとして追加されてる?らしいです。

Finally knew I made it, sittin' at the red light
ついに俺は自分が偉大な成功を成し遂げたことを理解したんだ。赤信号で停まって待ってるときにね。

When them soccer moms pull up in they van while I ride
サッカー少年たちのお母さんがバンを停めてこう言うんだ

Like, "oh my God, children, it's the 1-800 guy"
"オーマイガー、子どもたち!1-800を歌ってる人がいるわよ"って!

But my doors suicide, yeah, I'm too alive
だけど俺の車のドアはスーサイドドアで、俺はまじで最高に元気な状態さ! *

*1-800はご存じ"1-800-273-8255"、自殺防止を訴えたロジックの代表曲です。そしてスーサイドドアはロールスロイスファントムなどに搭載されている、観音開きのドアのこと。つまり、自殺防止をテーマにした社会派の曲で大スターになったロジックはそこで稼いだ金で”自殺ドア”が付いている超高級車を乗り回して元気でピンピンしている、と。PTAが聴いたら憤死しそうなラインです。このフレックスはロジックにしかできない…

Bitch, I have arrived, everybody know I'm one hell of a guy
ビッチ、俺はもう到着してるぜ。だれだって俺が超特別な男だって知ってるのさ。

I ain't tryna fuck your girl, I'm tryna fuck your mama
俺はお前の彼女とヤるつもりなんてない、お前の女房をヤッちまおうとしてるのさ

Fuck the drama, bank account got a extra comma
ドラマなんかおこりゃしねえよ。だって俺の銀行口座のカンマの数は桁違い

Yeah, they sweat me like the sauna
そう、こいつはサウナみたいに俺に汗を掻かせるのさ。

Red carpet in my own merch, like that shit is designer
俺は自分のマーチャンダイズのパーカーを着てレッドカーペットを歩いたんだ。まるでデザイナーの服みたいにな! *

*ロジックは前述の1-800のパフォーマンスが話題になったMTV VMAのレッドカーペットを自身のマーチである黒のパーカーを着て歩きました。「他のセレブやラッパーはみんな高い金を払ってデザイナー服で着飾るけど俺は自分のマーチを着て逆に宣伝して金を稼いでやったよ」という感じでしょうかね。

Did you know I'm mixed like Obama?
俺がオバマみたいにミックスだって知ってたか? *

*ロジックは自身をバイレイシャルだと過去曲でも主張しています。このことについてはネットで沢山のミームが作られて、ジョークとしてかなりイジられたみたいです。この辺の詳細はネット記事をご参照ください。

It ain't a project if Logic ain't talkin' 'bout being biracial
もしロジックがバイレイシャルであることについて語らなければ、プロジェクト(アルバム)にはなってないんだよ。

Bicoastal, I'm platinum, go postal, I'm snappin'
俺は両岸(コースト)を股に駆ける、プラチナ認定を受けた男、俺は行動の早い男さ。

Yeah, you know Bobby, but prolly' only know my new shit
みんなはボビーを知ってるだろうが、俺の新しい曲しか知らねえだろ?

That trap shit, that cool shit, but they all know that fool spit
トラップの曲さ、クールな曲だ。

[Chorus]繰り返し

[Verse 2]
Yeah, you know you made it when they make a meme for ya
あいつらがミームを作ってやがる間に成功を成し遂げてやったのさ *

*バイレイシャルのミームが出回ったことに対する皮肉というか反撃。

Haters that never made it, I'm living the dream for ya
Roll up, grab the kush and then roll up
何も成し遂げられないヘイターども、俺はお前らの為に夢に生きてるんだ。 クッシュを手に取って巻くんだ。巻くんだよ。

Hold up, better give me what I want when I show up
ちょっと待て、俺が現れたときには俺の要求するものをすぐによこした方が身のためだぜ

You know what I do, not who coming through
俺がなにをするかわかるだろ?全然成功してない野郎がよ。

How 'bout you?
お前はどうなんだよ

Fuck you, fuck you, fuck you, you're cool
お前はクソ、お前も糞、お前もだ。あんたはイケてるよ *

*Half Bakedという映画の一場面の引用。多分ただの言葉遊びですね。Geniusの記事にも動画が上がってたので見たい人はチェックしてみてください。

I don't fuck with nobody like mean girls in high school
俺は高校にいるミーンガールズみたいなのとツルンだりなんてしないんだよ *

*ミーンガールズは2004年に公開された学園コメディ。

I don't give a damn that I'm famous
俺が有名なことについて、俺は全くもって興味がないね

Why it seem like every single celebrity shameless, it's dangerous
なんでセレブってのはどいつもこいつも恥を知らないんだ。それは危険なことだ。

Got 50 million but my swag on food stamps
俺は50ミリオン(=約55億円)を稼いだけど、俺のスワッグはフードスタンプの上に成り立ってる *

*フードスタンプは米国の低所得者向けの補助金政策で、食品購入に使える金券のこと。今は金持ちだけどルーツは貧乏なところからのし上がった部分にあると言っています。

All these models poppin' bottles, bitch, I ain't tryna dance
シャンパンを開けてるモデルどもへ。ビッチ、俺はお前らと踊りたいなんて思わないぜ。

She said, "No, I don't wanna pay my bills"
その女はこういうんだ、”私、自分のお金は払いたくないの~!"って。

I need a hard workin' woman with respect who will
俺が求めてるのは一生懸命働く女性さ。そして、一生懸命働こうとしてる人に敬意をもった女性。

This for everybody who ain't made it yet
この曲はまだ夢を成し遂げてない皆のための曲だ。

Got five degrees and six figures in debt
外の気温は5℃で、負債の額は6ケタ *

*6 figureは本当は6ケタの年収(日本語で言えば1,000万以上)的な意味なのですがin debt(=負債として)なので逆の意味で使ってますね。5℃の寒い中、6ケタの借金という数字を使った描写。

Follow your dreams ho, follow your— follow your—, uh
Somebody calling your, uh, it's destiny
自分の夢に向かっていくんだ、自分の、自分のね。誰かが呼んでる、、それこそが運命なのさ。

Hold up with the turn up for a second man, who's testing me?
ターンアップするまで少しだけ待ってくれ、誰にも俺のことは試すことなんてできないぜ?

I got so much power, don't know why the heavens blessing me
俺はとてつもない力を手に入れた。なぜ天は俺にこんな力を与えてくれたんだろうな。

PLP, I think that is the recipe
ピース、ラヴ、そしてポジティビティ。これこそがレシピなんだ。*

*PLPはPeace,Love,Positivityの頭文字を取ったLogicの良く使う造語みたいです。

So I'ma take a moment, use my power for good
だから俺はひと呼吸おいて、この力を使い続けるのさ

Fuck the bullshit, do what you love and get out the hood
でたらめや戯言なんかクソ喰らえだ。自分の本当に好きなことに打ち込んでフッドから抜け出すんだ。

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