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【アルバム全曲解説】Drake "SCORPION" #13-18

投稿者:なかむ

いよいよ、ここからがBサイドです。ほぼ全編R&Bアルバムといってよいでしょう。そしてその大半が失恋ソング。前半の金持ち自慢はどこへ行ってしまったのか。さらに曲毎に失恋の対象が違うという…全ての女の子を忘れられないDrake氏。共感できそうで共感できない、そんな後半戦です。

#13 Peak
Peakという単語はイギリスでは「運悪く」とか「とても悪い」みたいな意味。この曲はDrakeがイギリス人の女性に惹かれて、うまくいかなかった失恋の経験を歌にしています。どうやら過去に付き合っていた、Jorja SmithかRAYEについて歌ってるとのこと。アウトロにはXXL 2018 Freshmanにも入っているStefflon Donも参加していますね。彼女もイギリス出身ですね(^^)

Piquing my interest
She got peak like Montana
England breeds proper girls
Where are all your good manners?
Reply with pleasantries
Honestly I can't stand ya

彼女の体はモンタナ・ピーク(カウボーイハット)みたいな美しい曲線を描いて俺は思わず惹きつけられた/礼儀正しい女の中に、英国の血が流れる/お前の礼儀正しさはどこへ消えたんだ/社交辞令な返答をして/俺はもう耐えられないんだ

*ここでのPeakは2つ掛かっています、前述の「不運な・不幸にも」といった失恋のニュアンスと盛り上がった胸・曲線を描く体という意味。さらに「モンタナ・ピーク(カウボーイハット)のように」という比喩までうまく組み込んでいます。洒落たラインです。

#14 Summer Games
「ひと夏の恋」的な内容ですね。夏に経験した失恋を歌っています。ほとんどメタファーらしいメタファーもなく、とにかくシンプルな曲。相手の女性はリアーナ?という説が濃厚ですね。夏の夜にドライブで聴いたらよさそうです。

summer just started
And we're already done
How can you be angry on a night in July
And be warm with me when it's freezin' outside
You're confusin' me, don't have me wastin' my time

夏は始まったばかりなのに、俺たちは終わってしまった
7月の夜に何で君は怒っているの
外が寒いときは、俺と一緒に温まってくれ
お前は俺を惑わせる、無駄な時間を過ごさせないでくれよ

#15 Jaded
Jadedは落ち込んで無気力になるみたいな意味。この曲も失恋ソングですね。それにしてもDrakeどれだけの女と付き合っているんだと。そしてどれだけ忘れられないんだと。笑 この曲は前述した イギリス人歌手のJorja Smithのことみたいです。

We coulda waited, I wasn't rushin', difference in ages
You're old enough, but you're still a baby

俺たちはもう少し待てばよかった、俺はあのとき急いでなかったんだけど、年の差があったけど、君は十分大人だった、でも今でも俺のベイビーさ。
*当時Joriaは19歳で未成年、歳の差は10あったとのこと。

#16 Nice For What

先行リード曲。この曲は若い女の子に向けた応援ソングといってもよいのでは。昔はやんちゃしてた少女が成長して、働き始めた。普通のOLになって。失恋したりつらいことがあって。それでも月-金まで一生懸命働いて、週末は羽目を外してもいいじゃない、という歌。ローリンヒルのEx factorをかなり大胆にサンプリングしていてどこか懐かしい曲になっています。歌詞の内容も普遍的でトラックもオールドスクール感満載、となればそりゃ幅広い層に受けますよね。

#17 Finesse
Nice For Whatでポジティブに戻ったかと見せかけてまたもや失恋ソング。今回は誰のことか定かではないですが、お前の目を持った子供が欲しかったといっていてかなり本気の女だったことがうかがえます(生まれてきた隠し子がかわいそうな気もしますが…)Fashion week is more your thing than mine(ファッションウィークは俺より君が似合うさ)ということは、モデルさんやなんかでしょうか。ダークなビートと相まって、かなり切ない内容。僕は結構好きです。

#18 Ratchet Happy Birthday

ちょっと不器用で感情表現が女の子の誕生日を祝う曲。アルバムの中で重要な立ち位置の曲ではないとは思いますが、ほっこりするリリックとドレイクのオートチューン使いの裏声がなんかよいです。

It's your birthday, baby, it's your birthday
Yeah, who's gonna love you on your worst day?
You talk so tough
I know you're soft like buttercups

今日は君の誕生日、君の誕生日さ。
そう、誰が君の最悪な日を祝うっていうんだ?誕生日だから祝うんだよ!
君はつっけんどんにしゃべるけど、
君がバターカップみたいに柔らかい女の子だって、俺は知ってるよ

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