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【和訳】Royce da 5’9” ft. J Cole- Boblo Boat -(J Cole抜粋)

J Cole客演和訳第五弾(これで最後)。Eminemとも仲の良いRoyce da 5'9"のアルバムに収録されている曲です。タイトルのBoblo Boatはデトロイトから出発する船のこと(今はもう焼失したらしいです。)で、Royceが子どもの頃、この船に乗ってボブロ島アミューズメントパークに家族旅行に行ったことをラップしたおもひでぽろぽろ系の曲です。

J Coleも過去の思い出についてラップしていて、お母さんのボロのシビックを乗り回したこと、大学時代の童貞喪失話、6歳で初めて煙草を吸ったことなど思い出たっぷりにラップしています。ビートもノスタルジックで非常に心地よく、またColeのバースはこれまた非常にインテリジェンスに富んだ素晴らしい内容です。Royceのアルバムも素晴らしい出来なので(隠れクラシック?)これを機にぜひ一聴いただけると、とてもうれしいです。

Yeah, look
なぁ、

Twist the cap, lift the bottle back, swig it
キャップを空けて、ボトルバックを持ち上げてごくごく水を飲んでたな。

Dig it, ten-inch rims on my mama’s Civic
母さんのシビック(ホンダ車)には10インチのリムがついててさ

Ten-inch woofers in the trunk, to be specific
トランクには10インチのウーファーが積まれていたんだっけ。

They bump, rattle the license plate, plus the windows tinted
走るとガタガタいうんだ。ナンバープレートは外れかけてて、窓は(汚れて?)薄い色がついてたっけな

Don’t even give a fuck that it’s dented, bitch, I’m the man now
車体は凹んでたりするけど、そんなことは気にしないさ。だって俺は今じゃ一流の男。

I’m rolling, driving it slow as if it’s stolen
俺は(母さんの車で)街を流した。まるで盗んだ車みたいに、慎重に運転してたよ *

*2014年にリリースされたCurren$yの"Stolen"という曲のHookから引用しています。この曲と同じく、“A Day in the Park”をサンプルしているらしいです。洒落てますね。

Piling up bros like we was clothing on a dresser
ドレッサールームの服みたいに、俺たちは溜まってた  *

*pile upには下記の3つの意味があるみたいです。
1)集積する、溜まる
2)交通渋滞
3)子どもが2段バス(Double Decker)でやる遊び
恐らく素直に取ると、一つ目の意味。2つ目の意味は前段の車に掛かってる。3つ目はこの後のラインに掛ります。(Geniusにも特に載ってなかったので間違ってたらすみません)

Calling up hoes like we was Jodeci, let’s check her
俺たちはまるでJodeciみたいに女たちを呼び出すんだ。あの(可愛い)子をチェックしようぜ!*

*Jodeciは80年代のソウルシンガーのグループ。昔は車で女の子と出かけるときにソウルをかけるのが普通だったので、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しつつ、自分たちを人気のあったJodeciに例えてる。

Double D’s like double-deckers, I wanna sex her
ダブルデッカーみたいに巨乳なあの子とヤリたかったんだ。*

Double Deckerは2層になったスニッカーズのようなチョコレート菓子のこと。元々は前述した2段バスに由来しています。なので、Pile-Upはココにも掛かっている。
さらに、Double Decker Burgerというハンバーガーもあるらしく、その製造メーカーはCheckers。ひとつ前のCheck HerとCheckersがかかっている。
さらに、ドデカイDouble Decker Burgerを巨乳の例えとして使っていてイニシャルもDD,つまりDouble Dであると。超絶スキル。天才すぎます。

But these keys don’t come with game on how to finesse her
だけど彼女をオトすための方法がわからなかったんだ

Five semesters left until college, I’m under pressure
あと大学生活も5学期だけしかない、俺はプレッシャーの中にいたんだ *

*アメリカの大学は2学期制みたいなので、この時Coleは大学2年生の1学期ということになります。あと5学期しかないのに、童貞を卒業しなけりゃならない、焦るぜ…といった内容。Wet Dreamz(超名曲)を彷彿とさせますね!

I’m not a real nigga ’til I undress her, I gotta ‘press her
俺は彼女の服を脱がすまで、本物の男じゃない、なんとかして俺は彼女に好印象を与えなきゃいけなかったんだ

This was my main concern back when concerns were lesser
これがあの頃の俺の一番の悩みだったんだ、今ほど利害関係がなかった時代のね *

*Concernを2つの異なる意味で使っています。前半は自分の悩み(=女の子とヤリたい)で後半は利害関係。女の子とヤリたいっていう悩み(Concern)があった時代は、複雑な利害関係(Concern)が今より少なかったと。めっちゃ巧い。

Nowadays, I often yearn to press the
最近では、俺はよく願うんだよ

Backspace button or hit return but life is not no word processor
バックスペースキーかリターンキーを押せればって。(=昔に戻れたらいいなって)でも人生はワープロじゃないんだ

Most folks would burn the sess to burn the stress of
殆どの人は、ストレスを焼き払う為にマリファナを焚くんだと思う

My real-life trauma plus fickle niggas thinking they done heard the best of Jermaine Lamarr
俺の人生でのリアルなトラウマを焼き消したかった。そして、Jermaine Lamarrの最高の曲は既に聴いたって思ってるやつらがいるんだよ*

*Jermaine LamarrはJ Coleの本名でLamarrはミドルネーム。但し、ここをケンドリック・ラマーと掛けているという説もあります。コラボを匂わせてる・・・と。

but that’s insane, it couldn’t be further left of
でもそれは正気とは思えないな。

The truth is that my new shit slap, you never heard it better
真実はこう。皆俺の新曲に毎回食らっちまうってこと。新曲が出るたびに過去最高を更新さ

Give me a sec, I murder sectors, prefer to let ya
少しだけ時間をくれ、 俺はお前たちにまずちゃんと見てほしいんだ

See it rather than say it, but it spill out, I gotta chill out
何かを言う前にね。でもすぐにお前らは何かを言いやがるんだ。あぁ、俺はちょっと落ち着かなきゃ。

Say “Fuck the world” and never pull out
世界なんて糞くらえだって言って、そして絶対に撤退なんかしない

We had no Boblo boat but I could note
俺たちにはBoblo Boatはなかったけど、

Those times is like a Bible quote
聖書からの引用文みたいに俺はあの日々を書き留められるんだ *

*曲名でもあるBoblo Boatはデトロイトとボブロ島アミューズメントパークを繋げる船のことです。Royceはこのボートにのってボブロ島に家族旅行に行っていた思い出をラップしていますが、J Coleは貧乏で家族旅行には行けなかったと。それでもあの日の思い出は鮮明に覚えていて聖書の一節のようにノートに書けると言っています。美しい詩です。

BC, before cell phones, the first time I would smoke
紀元前、携帯電話を持つ前の時代、俺は初めて煙草を吸ったんだ *

*紀元前を意味するBefore ChristとBefore Cell Phoneの頭文字を合わせてる。

I was six years old, but that’s for another chapter
俺はその時6歳だった、でもこれは別の章。

That’s for another story, to God be the glory
これはまた別の物語さ、神への賛辞さ *

*ここまでの数ラインでキリスト教に関連する言葉を散りばめています(Bible, Chapter, BC, to God Be the glory)。余談ですが、こうした「あるテーマで歌詞を繋げていく」のは結構アメリカのラップではよくある手法で僕はすごい好きです。

I made it out unscathed and now I sunbathe
俺は無傷のままやり遂げたんだ。そして今、日光浴を浴びている

With my son in Tanzanian sunrays thinking ’bout dumb days
息子と一緒にタンザニアの日差しの中で。あの掃き溜めのような日々のことを考えてる

Thinking ’bout dumb days
あの掃き溜めのような日々のことを考えてるのさ

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