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三島由紀夫、「金閣寺」は寝れる迷作⁇

おはようございます。
Koiです。

3月の中目黒土産店の「ポップアップ」開催の日。
後片付けもあって、最後に店長のお家にお邪魔させていただきました。
ふと、室内のカウンターに目をやると。
とても懐かしい表紙がありました。
三島由紀夫の『金閣寺』。

高校の現国の教科書にありましたが、そん時は1行も読んでいません……。

小中高と10代の私は、漫画以外の本を1冊も読了したことがなく、通学の電車で小説を読んでいる人を見ると「かっこつけてんな」と、なんとも斜めな気持ちと視線を向けてました。

三島由紀夫なんて、受験勉強のために名前だけ覚えたぐらい? 
ずーーーーっと避けてきた「読書」という行為。

それなのに。思いがけずはまったのが高校3年生の春でした。兄の本棚の奥に、偶然見つけたさくらももこさんのエッセイ『さるのこしかけ』に触れて、衝撃。
はじめて本を読むって面白いと感じました。何度も読み返しました。

スバラシキカナ読書の世界。

なんというか。本を開く間は、周囲の音も他人の目も届かない世界で、独りクスクスして、にやにやもしたりで、腹立って、ゲラゲラ笑って、ウルウル泣いてもみたり。おまけに、そこには学びだってある。読書習慣は、人生にとってめっちゃお得です。

さくらももこさんのエッセイ三部作を皮切りに、ほのぼのとは真逆の内田春菊さん『ファザーファッカー』、当時流行った鈴木光司さんの『リング』、『らせん』の貞子シリーズ。あとは大沢在昌さん、東野圭吾さん、夢枕獏さん、中島らもさん、松尾スズキさん、赤瀬川源平さんの『新解さんの謎』など、大学自体は流行りものを読み倒しました。
時間だけはありましたから。

社会人になって、やっと純文学といわれる夏目漱石や芥川龍之介にたどりつきました。

20代後半にして、ようやく読みました『金閣寺』。
主人公が稚拙で幼稚で、視野狭窄で……つらい。
友人の「柏木」のように、時に世間と下劣に向き合う狡猾さもない。
もっと世界は広いのに。若いってだけで、気づけない。
別の道に目を向けられず、
いま目の前にある道だけがすべてと、自分で自分の首を絞めるような、
息苦しさ。
その若さが泣けるんです。

そんな感想を懐かしく思い出しながら、ハナちゃん夫妻に「金閣寺、いいよね」と声を掛けると、レナ夫人から「いや~。なんか、寝れる1冊って言われてるからハナちゃん買ったんだよ~」。

知らない間に、迷作になってた。
でも、手に取るキッカケになってるなら良いことかも。

金閣寺で寝てしまう人がいらっしゃるなら、
「命 売ります」なんてどうでしょう?
オムニバス的に進んで、最後の伏線回収が私は好きでした。

主人公が「命 売ります」と新聞広告を出すことで物語は始まります

余談ですが。三島由紀夫の作品で映画化されたものは沢山ありますが、その中の『愛の渇き』も好きです。

大金持ちのお家で起きている、歪んだ家族関係のお話。ヒロインの浅丘ルリ子の美貌が圧倒的で、蠱惑的というか。。。モノクロの映像が幻想的でより美しさを引き立てます。

物語のカギとなる青年役には、若すぎて誰だか一瞬わからないぐらい、もじゃもじゃ頭ではないストレートヘアの石立鉄男が出てます。めっちゃ恰好いいです。

本の話をはじめると、終わりがないですね。また書きます。
それではみなさん、きょうもユルユルと良い1日を~。

中目黒土産店/Koi

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