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「映画の予告編」からマーケティングを学ぶ方法。

こんにちは。中村です。
皆さんは「映画の予告編」を観たことがあるでしょう。もし久しく観たことがないという方がいたら今すぐにYoutubeで「映画の予告編」と検索してほしい。すぐにいつくかの予告編が出てくるでしょう。

映画の予告編というものは言うまでもなく「その映画を観たくなるために」という目的でつくられている。つまり「その映画を観る」という人の行動を動機付けするためのものだ。たった数分の間に 人の心を「観たい」と動かす「何か」が必要で、相当考えられたマーケティングロジックが詰め込まれている。それが映画の予告編という作品だ。

今回の記事は、フリーランスのビジネスにおける「マーケティングを考えていくこと」が目的です。ただマーケティングというのは実に奥が深く、そして何よりも”わかりにくい”。
だから今回は少し視点を変えて「映画の予告編」に詰められたノウハウを題材にしながら進めていこうと思う。この記事はぜひご自身のビジネスと照らし合わせながら読んでいってほしい。


観たくなる予告編は何が違うのか。

少しの間、あなたの商品やサービスが映画であり、セールスコピーが映画の「予告編」だと考えてほしい。そして、あなたの商品やサービスが、予告編がもたらす期待を裏切らないクオリティだと仮定してみよう。

つまり、あなたの商品やサービスを「ぜひとも買わなくては」とその場で購入を決意したくなる予告編。もっと言うと「あなたの商品の予告編」はどうすれば作れるのだろうか。

それでは実際に、「観たくて仕方がない」と思わせたという映画の予告編をいくつか観ながら、その特徴を見ていこうと思う。


[ 良い予告編が満たしている3つのポイント ]


1. 基本のストーリーを凝縮して提示している。

2 .本編を観て味わう感情を「疑似体験」させている。

3 . 期待を裏切らない映画だという理由をみせている。


映画は一般的に90〜150分くらいの大作だ。その長い時間の中で起承転結があって様々な驚きや、その映画独特のハプニングがある。
それをたった数分で「本編を観るように動機付けする」というのだから、それは一から考えると大変だしかなり難しいものだということはわかる。

だけどある程度その”仕組み”を分解し、フォーマットにして整えておくことで「置き換えて」考えやすくなる。それが私がよくやる「映画の予告編手法」だ。

私はこの「映画の予告編手法」を使う上で、人気の高いいくつかの予告編を分析して、ある3つのポイントを見つけた。
この映画の予告編が満たしているその「3つのポイント」を、自分が担当する商品やサービスやプロジェクトなどに置き換えて考えた。
そうしたら案外それっぽくなってきて、私はその方法を結構な頻度で使うようになった。
つまりその手法を予告編を作るためではなく、ランディングページ(LP)やセールスツールに活かすことができてきたということだ。

自分の商品やサービスをセールスするときにマーケティング思想は必ず必要になる。そしてそのカギを握るのは「買い手目線」であるということ。
いくら売りたいからといって、売り手目線でLPをつくるとそれは売れない。
なぜならば、人は「いいもの」を買うのではなく「自分にとって必要なもの」を買うのだからだ。

そう考えるとこの「3つのポイント」は理にかなっている。
ここからはその「3つのポイント」をどのように自分のビジネスに置き換えていくかを見ていこう。

3つのポイントを自分の商品に置き換えてみよう。

まずは「映画の予告編」が満たしている3つのポイントを、自分の商品・サービスに当てはめて明確にしてみよう。そう考えると、先ほどの3つのポイントはこう変換される。

  1.  自分の商品の「基本ストーリー」は何か

  2.  ベネフィットを感じる感情を「疑似体験」させる方法を考える

  3.  期待通りの商品・サービスであるという「理由」を考える

まず考えるべきはこの3つだ。


自分の商品の基本ストーリーは何か。

「基本のストーリー」と言われてもピンとこないでしょう。実際に私の顧客に「あなたの商品の基本のストーリーは何ですか?」と聞いても誰も答えられない。まず「基本のストーリーってなんだ?」となるのが普通だ。

私が言う「基本のストーリー」というのは、
誰がどこで誰と何をして、何によって何が起こる物語なのか。
という基本的な筋書きのことだ。

例えば、昔のウルトラマンはまず強敵(怪獣)が出てくる。その敵に対して最初は少年が見ているという理由で変身できずやられてしまう。しかしウルトラマンに憧れる少年は「ウルトラマンがやっつけてくれる」と願い、その気持ちに打たれてウルトラマンは立ち上がる。
しかし怪獣の強さはすさまじい。負けそうになってカラータイマーが鳴ったその時、スペシウム光線で敵を倒す!めでたしめでたし。。

細かな描写は無いけど、ウルトラマンの多くはこんな基本ストーリーになっていて、登場人物や怪獣の種類や得意技や話のきっかけなどが違っているだけで、大枠基本ストーリーとしてはこんな感じだ。

水戸黄門なんかも同様だ。最初から印籠を出せばいいのに、最後の最後に印籠を出す。なぜか。それが基本ストーリーだからだ。
基本ストーリーというのは、詳細の描写や話の切り出しなどは毎回違うが、それ以外の大枠の部分の流れのことだ。

あなたの商品の基本のストーリーは何かと言われれば、お客様が何に悩んでいてどんな苦痛があるのかという件から考えていき、それをそのままにしておくとどんな(大きな)ことになってしまうのか。恐怖なのか、停滞なのか。そしてそれが解決したらどんな良い未来が待っているのか。どんな景色が見えるのか。
あなたの商品がそれを解決できる理由は何なのか。それを買った人のその先はどうなるのか。ハッピーエンドなのか、安心なのか。
そしてそれらは「売る側のあなた」ではなく、「買う側の人」が主人公でなくてはならない。そこが唯一、ウルトラマンや水戸黄門との違いだ。

ドラマや映画と違い、ビジネスのストーリーは常に買ってくれる人が主人公になる。その人がそれを買ったことによって、どんな素敵な未来が待っているのか。それこそがマーケティング戦略のキモなのだ。
間違っても、それを考えた人の開発ストーリーにしてはいけない。もしそれをどうしても書きたいのなら、自費出版するかamazon kindleで電子書籍にすることをおすすめする。


ベネフィットを感じる感情を「疑似体験」させる方法を考える

これは商品によって違ってくるので具体的には書けないのだが、できなければ「疑似体験」させることにこだわらなくていいと思う。疑似体験させれればより良いのは間違いないが、最低でも「想像してもらう」という結果は導き出したい。

ベネフィットとは「それを買うことで手に入るイイコト」。
例えば、ポルシェを買えば手に入るものは「ポルシェという自動車」だけど、実際は「ポルシェに乗っている自分を誰かに見てもらって素敵だと思ってもらう体験」だったりする。

つまり、人は本質的に「モノが欲しくて買う」のではない。
そのものを手にしたことによって得られるイイコトを想像するから買うのだ。

そう考えると、買う前の人がそれを買う理由は何だろうか。
その答えは「それを買って、それを使っている自分を想像しワクワクする」からだ。手に入れることじゃない。手に入れた後に「起こること」こそが、それを買う理由だ。
もちろん必ずしもそういうケースでは無いこともあるだろう。
ただ私がここで言いたいのは、マーケティング的にこう考えることが、買う側の人の感情に直結しやすい。ということだ。


期待を裏切らない商品だという理由をみせている。

これはビジネスに例えると、ビフォー・アフターもそうだろう。
ライザップのCMは、有名人をダイエットで変身させてまさに「期待を裏切らない明確な結果」を打ち出している。

例えば、書籍でよくある「帯で有名人がお勧めする」のもある意味「期待感を高揚させる理由」になる。
言い方を変えれば「証拠」とも言える。これを買ったらこうなるよ..という証拠やロジックがあれば、ここで打ち出すといいと思う。
エビデンスなどもこの類だ。人は基本的には「ホントにそうなれるのか?」と、いくらいいものであっても疑心暗鬼になるものだ。その疑念を晴らしてあげるポイントがあるといい。

映画の予告編で言うところの「総指揮:スティーブン・スピルバーグ」はまさに「期待感を裏切らない」という理由になっているのだと私は個人的にそう思う。


競合との差別化のカギは
「映画の予告編手法」で見つけられる。

フリーランスというのは競合の多い激戦区です。同じようなサービスをしている人も多くいる。いつどこにいっても競合だらけの市場。それがフリーランスだ。

そしてそのフリーランスの中で、成功していく人と受注できない人の違いは何かといえば、最も大きいのは「マーケティング力」だろう。
マーケティング力がないと、どんなにいい商品でも優れたサービスでも「誰も買うことができない」。なぜならば、マーケティング力が無いと、誰もその商品を知ることができないからだ。
人は知らないものは買えない。「知られていない」という現実は、それほどまでに辛いことなのだ。

だから私は、フリーランスにマーケティングが苦手な人が多いことを知りながら「マーケティングを勉強しましょう」と言い続けている。
しかしマーケティングもマーケティングだ。これがまた奥が深すぎる。

今日のこの記事は、そういう意味ではプロモーションをする前に、まずは自分の商品をリサーチする上で有効的な方法だ。
自分の商品の「予告編」を作るとしたらどう作るか?と考えることから始めることで、客観的に自分の商品を見ることもできるようになる。一石二鳥だ。


マーケティングは奥深いからこそ。

マーケティングとは単に広告宣伝することだけじゃない。
何をどう仕掛けるのか。それを戦略的に考えることがまず必要だし、それが「マーケティング戦略」のはじめの一歩だ。

それを買う人にとってよくわからない商品を広告を使って訴求したところで「ザルに水」だ。魚釣りに例えれば、いくら魚がたくさんいるスポットに釣り糸を垂れても、餌を間違ったら誰も食いつかない。

その意味で言えば マーケティングとは、
魚がいるスポットを探すことでもあり、
その魚を釣るために最適な餌を考えることでもあるということだ。


フリーランスが急増して、フリーターが減っている現代。
それでも平均収入はフリーターの方が上まっているらしい。それがどれほど残念なことか。
マーケティングは奥深い。だけど難問じゃない。理解すれば必ずできる。

私も、いろんな観点から「フリーランスのマーケティング」を紐解いていきたいと思っています。これからもどうぞご期待ください。



それでは今日はこのへんで。
またnoteでお会いしましょう。


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