「パパ、ごめん。寝坊した、、だめだ、今起きた」

横浜・山手で合流して一緒に富士急ハイランド園内に併設されたトーマスランドに車で向かう予定だった22歳の次女、七海（なつみ）からのLINEだった。集合時間は9時。LINEが来たのが8時半だった。娘は東京・巣鴨で暮らしている。
「間に合わない、現地集合にしよう！」

俺が車を運転する中、妻の美香がずっと七海とLINEでやりとりして指示をするが、なぜか、違う選択をして事後報告する七海。
「えっ、新宿から高速バスじゃなくて電車乗っちゃったの？？？」
LINEのやりとりは俺たちが出発した9時半から1時間以上続き、遂に車は山梨へ・・・
「大月駅までは行けるみたい！」ってLINEがあると、美香が機転を利かせて
「高速の大月ICで降りて大月駅で拾ってあげたら！」
「何時に到着予定か聞いて？」
「12時41分！？」
「えーーーーーーっ!!!!!  こっちはもうすぐ大月。駅で1時間40分も待てない・・・」大月IC出口まで500mの手前で富士急ハイランドに直行すると判断した。

結局トーマスランドに七海が到着したのは14時。七海は日帰り予定で17時30分発、池袋行のバスを予約していた。
それでも、「ふうま、誰だがわかる？」って聞くと、
「なつみおねぇちゃん！」と照れながら言った。
「ふうまくん、おぼえててくれたの！？」
七海は、それだけで来て良かったと一瞬で笑顔になった。

ホント、途中、「今から自分が行ったら台無しになりそうだから帰ろうかな」って言われた時は、
「なんでだよっーーー!!!!!!!」それこそ、台無しになるところだった。
美香いわく、
「生涯語り継がれる旅になったね」

実は23日（日）の誕生日1週間前、14日（金）の夜から颯馬の咳が酷くなり、15日（土）病院に行って薬をもらうも、その日の夜から発熱。17日（月）再び病院に行くと、プール熱と言われる咽頭結膜熱の疑いありとの診断だった。5日間、熱が36.7度の平熱から40度を超える高熱まで、熱が下がったり上がったりを繰り返した。こんなのは初めてだった。その後、発熱はないものの、咳が酷く鼻水も止まらない。21日（金）また病院に行くと、
「咽頭結膜熱は治ってるけど、また別の風邪をもらったみたいだね」
その間、ずっと夜になると咳が酷くて3人で川の字になって寝ているから、夜中に何度も3人が起きてしまい毎日睡眠不足。免疫力も落ちていたのだと思う。20日（木）俺は37.9度、妻は37度と微熱、息子の風邪がうつってしまった。翌日熱は下がったものの、3人してゴホンゴホン状態。当日まで「トーマスランド」に行けるかどうかわからなかったのだ。

23日（日）息子3歳の誕生日当日。ちょっとだけ咳は出るものの検温すると全員平熱で、だいぶ回復していた。念願のトーマスランドへ。3歳になった息子、颯馬（ふうま）は、きかんしゃトーマスが大好きなのだ。

トーマスランドの入口を見つけると、いきなり颯馬が駆け出した。噴水で溺れそうになっているバッタを指さして、「パピー、バッタさん、たすけてあげて！」枝を見つけてバッタを引き上げると、颯馬はメッチャ笑顔。

ママとお姉ちゃんから、まだ持っていないニア、エミリー、ハロルド、バーティー、ケンジを誕生日プレゼントに買ってもらって超ご機嫌。

颯馬が一番の笑顔になったのは、3歳から乗れる、「ロックンロールダンカン」。
「パピー、また乗りたい！」

横浜から片道120km、2時間弱で到着できたが、美香が「とんぼ返りは隊長が疲れるだろうから」と1泊2日の旅を計画した。今回、各種割引を利用したものの、我が家としては奮発して園内にあるハイランドリゾートホテル＆スパに宿泊。今までキャンプ場テント泊とかゲル宿泊が多い旅をしてきたが、たまには、こういうホテルもいいもんだ。あまりリゾートホテルに泊まることもないから、とても新鮮に感じた。

七海を見送ってホテルへ戻ると、
颯馬はお約束のベッドの上でトランポリンをやるように跳ねまくって大喜びだ。

美香は、
「子供用の歯ブラシが用意されてる！」って感動。
俺は、「ミネラルウォーター、プレミアムスパークリングウォーター、フジヤマクッキーがウェルカムサービスだってよ」と、喉を潤した。きかんしゃトーマスグッズの数々、ケーキも無料。

シャワーを浴びた後、お好み焼「道とん堀」へ。この界隈はファミレスだらけだ。俺は、大生2杯飲んでご機嫌。途中コンビニ寄ってハイボール500mlのロング缶に赤ワインも買って帰った。

これが良くなかった。翌日から治りかけていた風邪が悪化。アウトプットができないほど、ずっと体調不良。どうにも健康管理ができない。楽しければ楽しいほど呑んじゃうんだよね。還暦になっても大人になりきれない俺。

そんなこんなで、家族3人風邪っぴきで迎えた息子3歳の誕生日は、いろいろあったけど、トーマスランドは遊園地デビューにはうってつけだったし、いい天気だったし、最高に楽しめた一日だった。

　無理！の先に
　感動！がある
　福島正伸