見出し画像

プレーンガットのE線

ヴァイオリンの弦には主に3種類あります。
ガット弦、ナイロン弦、スチール弦、です。

演奏スタイルや場所、目的によっての使い分けもありますが、ほとんどの場合、一番細いE線はスチール製です。

もともと4本全てプレーンガット(巻線のない裸のガット)でしたが、
太さの問題から、太いG線などから巻線になっていき、
20世紀初頭ごろE線はガットからスチール製にほぼ置き換わったと言われています。
プレーンガットはE線のレベルの細さになると耐久性の問題が出てくるからですね。

いま、自分のセッティングはGDが巻線のガット、A線がプレーンガット、E線がスチールなのですが、このGWに一度プレーンガットのE線を試してみることにしました。

予備の楽器のアジャスターを外し、プレーンガットのE線に変更。
まず、E線はちゃんと結んだ方がいい…こぶ結びだと現代のテールプー巣(訂正:テールピース)の穴から飛び出しそうになりました…

そして初日の音出しはズタボロorz

右手はもう慣れているガットでも、
左手が普段のやり方に違和感が出てくる。

普段のやり方で、できなくはないんだけど、
見直していくと、右手のやり方も変わり、
結果が全然違う。

音の流れの幹の部分がハッキリする。
どういうことかというと、楽譜から読み取れる情報の精度が上がったということ!

2日目になってやっと少しずつ気づきが出てきました。

案外、演奏テクニックを進化させて歴史上の名人の楽器のセッティングは、
その当時の一昔前のものだったりします。
発明とかも、ベースとなった感覚は一昔前のセッティングだったわけです。

楽器は進化しているので、
全部の時代のことを試そうとは思わないけれど、
1世紀前くらいの常識的な感覚は、経験すべきものだなぁ、と思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?