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【和田毅】21年目の21番に期待すること

 あと一歩のところでリーグ優勝を逃した昨年のホークス。その悔しさからオフには大規模な補強を敢行した。先発陣では、千賀のMLB移籍や、有原・ガンケルの加入、中継ぎで大車輪の活躍を見せた藤井の先発転向で、陣容が大きく変化することが予想される。そんな状況下でも、左のローテ入り有力候補に和田毅は名を連ねている。背番号と同じ21年目を迎える最後のダイエー戦士。昨シーズンを踏まえて、個人的な期待や想いを記したい。

2022シーズンを振り返る

 シーズンの目標に「二桁勝利&規定投球回到達」を挙げて挑んだ昨シーズン。開幕当初はなかなか勝ち星に恵まれない試合が続いたが、5月22日のマリーンズ戦で今シーズン初勝利(ちなみに現地でした!)。翌週のカープ戦では自己最速の149キロをマークした。6月19日のイーグルス戦では、日米通算150勝と杉浦忠さんの持つ球団奪三振記録の更新と、Wでの快挙達成となった。入団時に「杉浦さんのような投手になれるように」との思いを込めて選択した21番。レジェンドの大記録を更新し、名実ともに球団史に名を刻んだ。さらに、9月25日のイーグルス戦では日本単独での通算150勝も記録。最終成績は7勝4敗、防御率2.78。開幕時の目標達成とはならなかったが、ベテランとしての貫禄を見せつけ、投手WARは3.0でチーム3位・リーグ11位という素晴らしい結果を叩き出した。

2022型・和田毅の進化

 自身2度目の負け越しを喫し、2021シーズンを「悔しい」と表現した和田。そこからどのような変化・進化を遂げ昨シーズンの活躍に至ったのか。自分なりの考察をまとめてみた。

1.「飛翔癖」の解消

 昨年までは「飛翔癖」「飛翔はノルマ」とも言われていたが、2022シーズンでは81イニングを投げて被本塁打は3。被本塁打率は0.33で、2020年(0.73)・2021年(1.33)から大幅に改善。41歳にしての悪癖解消は驚くべき進化である。

2.対右インコース被打率の改善

 2021シーズンの課題として和田は「対右のインコースのストレートで空振りやファールを奪えなかったこと」を挙げていた。しかし、今シーズンは右打者へのインコースの被打率について改善が見られた(ストレートのみのコース別被打率は見つけられませんでした...)。

3.ストレートの破壊力

 年齢のことを何回も言うのは失礼に当たるかもしれないが、41歳になった和田毅も相変わらず破壊力抜群のストレートを誇った。前述のように自己最速を更新したほか、平均球速は日本球界復帰後で最速の142.2キロを記録した。また、80イニング以上を投げた投手の中ではストレートの空振り率が12.44%と最も高かった。超人です。

21年目の21番に期待すること

 2003年の日本シリーズで胴上げ投手となったゴールデンルーキーも、今季でついに背番号と同じ数のシーズンを迎えた。入団当初の目標に掲げていた「40歳で先発投手」という目標も達成し、さらなる高みへと向かう。和田は今季の目標として「二桁勝利」を挙げている。和田が最後に二桁勝利を記録したのは、最多勝を獲得した2016年。実に7年遠ざかっているが、昨年は援護をもらえずに勝ち星を逃した試合やコロナ感染による離脱も影響しているため、現実的に不可能な数字ではない。球団創設85周年・ドーム移転30年のメモリアルユニフォームの顔にも選ばれた左腕が再び二桁勝利を手にすれば、3年ぶりのリーグ優勝も近づく。そのような最高のシナリオを1ファンとしては期待したい。ただ、いつまでも和田が先発左腕のチームNo.1君臨している台所事情も寂しい。昨年台頭した大関、悔しいシーズンが続いている笠谷、時間はかかるかもしれないが2年目の木村や育成の三浦などの飛躍にも期待したい。そのような相乗効果こそが、常勝の系譜を引き継ぐ事に繋がるのかもしれない。

論拠に不安の残る部分もあるが、最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。

 



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