6月9日。

僕に新しい家族が増えた。

男の子。

見れば閻魔のなかにしも笑顔になる。鏡に写った自分の笑顔は尊い程優しさに満ち溢れていた。

私は運が良い。

今回もたまたま仕事が休みで無事出産に立ち会う事ができた。

子供はお母さんっ子が良い。

こんなにも頑張ったお母さんを見て

お父さんの方を好きになってねーなんて発想は微塵も浮かんで来ない。浮かぶはずがない。

この先、パパよりママが良いと言われようがパパよりママと遊びたいと言われようが全然構わない。

子供とお母さんとの絆は樹齢1000年をも超える神々しい御神木よりも遥かに太い。

出産に立ち会うとそんな気持ちになる。

だから立ち会えて良かった。

もちろんパパも溢れる程の愛情を長男、二男に注ぐ。こぼれたら拾ってくれたまえ。

私は45歳までの年齢を全て1年ずつやって来た。

0歳もやっていたし、3歳もやっていた。10歳も20歳もかじった事がある。経験者なんだな。

なので君たちが困った時、パパはいつも若返って考えてみるよ。

あの時自分はどう思って生きていたかを。

5歳の時。絵を描いてて上手いと言われたのが嬉しかった。漫画家という夢を持てた。

6歳の時。クラスにめちゃ絵が上手いやつがいてそいつに下手と言われ、夢を諦めた。

11歳の時。お父さんに目の前で「かずき(兄)がいてくれたら良い。しげきはもうあかん。」と言われた。

16歳の時。部活の先輩に「お兄ちゃんは上手いけど弟はカスで産まれたな」と言われた。

20歳・・・30歳・・・・40歳・・・・・・・そりゃもういろいろあった。

そして45歳・・・日々幸せである。

何歳になってもパパより幸せな毎日を。

仕事終わり。

妻にテレビ電話をした。

奥から「変わって変わって」と長男の声がする。

妻が電話を変わると
　

「あ、パパ？切りまーす。」

今日もパパは頑張ろうと思う。

それではまた。

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