子どもを「くん」づけで呼ぶこと

3歳児の娘Tが非常によく「くん」づけで呼ばれる。はじめて会う人はほぼ100%「Tくん」だ。先日行った3歳児健診では、保健師、助産師、心理士、みーんな「Tくん」と呼んだ。別にどちらで呼ばれてもいいし、わざわざ訂正もしないが、毎回もんもんとする気持ちが残る。

人々は無意識に性別のラベルを貼ってしまう。子どもは体型ではわからないので、服装や髪型で性別がジャッジされる。でもそんなコードは人それぞれだし、子どもは自分自身では意識していない。ならばはじめて会う人や、自治体イベントなどの公共の場では、どちらの性別でも使える「ちゃん」で呼べばいいのではないか?

子育てしていると、赤ちゃんの頃からジェンダーのラベル付けがなかなか強烈にやってくることに気づく。服はもちろん、おもちゃにも男の子用、女の子用があり、絵本の物語も男女のロールがはっきり分かれて描かれているものが多いことに気づく(ロングセラーの絵本が多いので、価値観が古い)。社会の無意識に埋めこれまれたジェンダーロールのあれこれが、こどもを通して表出してくる。「男の子だからわんぱくだよね」「女の子はお母さんのお手伝いしてくれるよ」「男の子は乗り物のおもちゃ好き」「女の子だからスカートはかせたら」といったように、「男の子は〇〇」「女の子は〇〇」という大人たちの発言。きっとみんな何気なく言ってしまうんだろうけど、毎回「おやっ」となる。大人に対してそんなこと言うかな?子どものことだと、むしろ原理原則のように表明されることが多い。

TはT。Tらしくあればいい。性別のラベル付けの前に、<子ども>としてのびのび生きる権利がある。生きてるだけでなんらかの大人からの呪縛を受けざるを得ない子ども達。できるだけその呪縛やラベルをとりのぞき、この子らしく過ごしてもらいたいと願う。

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