【生徒のつぶやき】2022年5月4日

「参考書や問題集は1冊を完璧にするべきですか?何冊か用意して取り組むべきですか?」

〔代表より〕
これは一概にどちらがいいとは言えないと思います。究極的にはなるべくたくさんの参考書・問題集の内容を完璧にする、ということに違いないからです。ただ、高校生が3年間で大学に合格するということを目指すならば、時間にも費用にも限りがあります。この限界を考慮するならば、私が出せる結論は「人による」・「教科による」ということです。

私自身の経験では、国語や社会などの深い理解が必要な科目は、参考書を複数冊、問題集を1冊のバランスがちょうどよかったです。例えばある参考書の記述が分かりにくいとき、他の参考書の記述ではすごくわかりやすい、ということはよくあります。よく「1冊の参考書の内容を理解できるまで読め」と言われることがありますが、体感的にそれは中学生レベルの学習までにしか当てはまらないと思います。そして、そもそもこの学習は理解力や思考力を高めるには不向きです。複数の参考書の記述を繋ぎ合わせて理解をスムーズにしたうえで、「分かりにくい」と思った参考書にあたると、その部分が分かるということも往々にしてあります。

一方で、数学や理科のような演習が中心となる科目は、1冊を反復した方が成績がよくなることが多かったと思います。ただ、薄い問題集を1冊仕上げる、というのではなく、解説や別解が詳しい問題集をじっくり仕上げていくほうがよいでしょう。別解や背景が充実していた方が、その問題の印象が強まり、また解法の意図もよく分かるからです。

英語などの外国語学習は同じ教材でいいので、完璧に理解したうえで、とにかく音読を繰り返していました。同じ文章でも200回くらい音読すれば完璧に定着します。ただし、1日で200回音読しても効果はありません。1日20回程度を10日間継続するといった配分でなければ、定着率も悪いです。

このように、科目ごとによって学習のコツはことなりますし、個々人に合った方法は微妙に違うものです。カッチリした記述の本が合う人もいれば、イラストが豊富で語り口調の本が合う人もいます。いずれにせよ、参考書や問題集は書店で手に取って心惹かれているものを使いましょう。そして、使ってみて納得いかなかったら別のものに切り返る。そのくらいの勇気は必要です。

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