イスラエル企業が電気自動車の走行中充電試験を実験中

イスラエルのエレクトロンワイヤレス(Electreon Wireless Ltd)は、道路から電気自動車に充電するシステムの実験を行っている。

https://www.autonews.com/mobility-report/startup-presses-ahead-pilot-projects-electrify-roads

エレクトロンワイヤレスの実験とは?

エレクトロンワイヤレスは、テルアビブ(イスラエル)の2㎞の道路の下に600mのコイルを埋設して、道路を走行する自動車に給電する実験を行う。
スタートは8月の中頃の予定である。

翌月にはゴットランド島(スウェーデン)において、空港と市内を接続するバスの路線4.1kmに1.6kmのコイルを埋設する。
これは電動バスを用いた試験である。
2月において、長距離トラックを用いた試験は終了していると述べている。

そのほかにも、自治体、公益事業会社、インターネットプロバイダーなどのさまざまなグループとのエンジニアリング作業の調整の最終段階にあるとしている。

エレクトロンワイヤレスの技術は、路面のコイルから自動車に取り付けた受電装置で電力を走行中に供給するという方法である。
これによって、
・充電時間の短縮
・バッテリー重量の削減
・バッテリー削減による車両価格の低減
を実現するものである。
エレクトロンワイヤレスの見積もりでは、電磁自動車バスの価格は、
現状:通常の中型バス(約180,000ドル)の2倍の価格
⇒同社の技術の利用:価格差を約20,000ドルに圧縮
と変化するとしている。
また、コイルの埋設コストは、テルアビブのすべての主要道路で1億5000万ドルと見積もっている。

今後の方針として、公共バスのほかに食料品店や郵便局で使用される配達用トラックや、より小さなシャトルバスにも拡大したいとしている。

翌月、同社はスウェーデンの島ゴットランドでも同様の裁判を実施する予定で、2月に長距離大型トラックのテストに成功したとエゼル氏は語った。コロナウイルスのパンデミックによりプロジェクトの速度は低下しましたが、バスが空港と市内を結ぶシャトルとして機能する4.1キロ(2.5マイル)の道路に1.6キロ(1マイル)のコイルを配備することを目的としています。コイルは、都市の電力網から車両の腹部に取り付けられた受信機に電力を伝送し、運転中の継続的な充電を可能にします。
コイルの埋設コストは、テルアビブのすべての主要道路で1億5000万ドルと見積もっている。

同様なシステムを開発している企業としてシーメンスなどがある。
これらの企業は、同様な技術をスウェーデンと韓国で試しましたが、あまりぱっとしない結果となっている。

この方法はありなのか?

エレクトロンワイヤレスの提案している方法は、古くから提案されてきた方法である。
路面下から路面を走る電気自動車に給電することにより、電気自動車の最大の欠点であるバッテリーの重量及び充電時間の問題を解決できると考えているからである。
駐車場などでのワイヤレス給電の方法が研究されている中で、それを道路に拡張していこうとの考えである。

しかしながら、エレクトロンワイヤレスが対象をバスや配達車両に限定して考えているように、一般車両に展開することには大きな困難がある。
なぜならば、一般車両の速度はさまざまであり、必ずしも充電に適した速度で走行してくれるわけではない。

当然のように、ワイヤレスエレクトロンも自動運転が実現されれば、その車両への充電も視野には入れていると思われるが、その実現はいまだに未定である。
そのために、エレクトロンワイヤレスは路線バスで実績を積んで将来につなげていく方針であろう。
しかしながら、インフラストラクチャに対する投資が大きいので、爆発的に普及するのは難しい技術である。
どんなに安くしたとしても、トロリーバスという既存技術があり、その架線を引くほうが安く上がるのである。

どんなに頑張っても、景観を問題にするような一部の路線で実現するのが精いっぱいである。

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