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ロードバイクフレームを一から作ってみてわかった事

初めまして。
1年掛けてロードバイクフレームを一から「竹」で作ってみました。
正確には、竹だけではなく、「木」も使ってますが。
ザ・竹ではなく、竹弓の構造を真似して作っているので、竹弓の様に綺麗な曲線を描くハズでした・・・

作ってみての感想を結論から書かせてもらうと
買った方が楽だし、コスパがいい。
理由は
・及第点の物を作るまでに1年掛かった。
・1年の内に5台も作って乗れたのは3台
・問題なのは結合部
・それとリアタイヤのクリアランスと軸のブレ
・フレーム代より工具代が掛かる
・工具代以上にコンポーネント(アルテグラ)
・初めて乗る時は命懸け
・乗り心地は良いが、捩れはある。

良い所もありましたよ。
自分で作ったという達成感
これに勝るものはないと思います。
他にも人と違うものに乗れているのも気持ちが良いです。あと、全て自分で作っているので、壊れても「ああここが緩んだか」と対応できますし。自己責任。
何より、作るには「ただ買う」にはない思い入れがあります。そしてもっと良い物をと欲が出てきました。

なんで作ろうと思ったか。

人と同じが嫌だと言うことと、木目とか自然の模様が好き、クロモリでもカーボンでもフレームの自作はいつかしてやろうと考えていました。
次の自転車を考える時、予算、ブランド(メーカー)、フレーム素材、コンポーネントで恐らく好みの自転車を絞って行くと思います。
その中のフレーム素材で竹や木材で出来ている自転車に目が止まり、クロモリやアルミのろう付けやカーボンで焼成は無理でも、竹や木材の加工なら出来る。YouTubeでも海外で作って乗れている人がいるのを見たら変な自信が湧いてきました。それと高校時代に弓道をしていたので、竹弓に対する憧れがありました。

実際に作ってみて

何でもやってみるというハードルが下がりました。
大丈夫かな?面倒くさいなと思っても「作りたい」という気持ちから行動に移すことができました。

最初に躓いたのがフレームの治具の作成。
ネットを参考にアルミフレームを用いて作ったのですが、設計図の作成も初めてでした。寸法を間違えていたらどうしようと不安になりました。
そして何より、業者向けのサイトの登録。個人向けではないので、本当に登録できるのだろうかとヒヤヒヤしながら行いました。やって仕舞えば、勝手知ったるで問題ないのですがね。

次に木材の加工注文と接合に使った真田紐の注文。真田紐は樹脂を染み込ませるので、若干の変色してしまうのが難。

竹は山に入ったり、建仁寺垣の物をネットで注文し、加工したのですんなりできたのですが、先の2点は工場に直接向かって発注をしました。
そして必ず「何に使われるのですか?」と尋ねられ、「自転車を作ります」と答えると、「?」と反応が返ってきました。最初は恥ずかしかったですが、だんだんと慣れてきて、気がつくと「自転車を作ります。ドヤ」となってました。

そうやって材料を揃えて行って、トライ&エラーで突き進んでいました。不器用なのもあって、5台も作る羽目になりましたが。
でも、次はこうしたら良いのではないか?もっとこうしたいと気持ちが先行して「諦める」ってことは無かったです。考えている時間が楽しかったです。

1台目

結合部を真田紐ではなく、麻袋を短冊にしたものにエポキシ樹脂を染み込ませて作りました。リアエンドも既製品を使用したので、クリアランスの確保が出来ず、麻袋の部分も厚くなり、リアホイールが付かないトラブルになりました。あと養生テープ取れねぇ。

2台目

2台目は麻袋を真田紐に変え、リアエンドもアルミの板から自作をしました。お陰でリアホイールのクリアランスも確保でき、乗ることは出来ましたが・・・

真田紐の巻きが甘く、大破してしまいました。

3台目

3台目は2台目の反省を踏まえ、真田紐の巻きを増やしました。踏み心地は柔らかく、直線でも力が逃げる感覚はありました。やはり捩れがあったのだと思います。壊れはしなかったですが、真田紐が多くなり不恰好に・・・

4台目

4台目は真田紐の巻き数を減らし、カーボン系のテープで補強しました。不恰好は改善出来ましたが、リアホイールがチェーンステーに接触。ちゃんと確認しながら作ろうよ。自分。う

5台目

5台目にしてやっと及第点の出来。乗り心地も3台目よりは硬く、踏み込んだ時に捩れは感じるものの、程よい柔らかさでケイデンスで加速して行く感じもgood。ちょこちょこ不具合箇所はあるけども。

さて、6台目は捩れ剛性をメイン課題に頑張ってみますか。


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