志乃ちゃんは自分の名前が言えない レビュー(障害を言い訳にするな)

予告編とタイトルが印象的で気になったので観ました。

感想としては序盤は最高で徐々に下がっていく感じでした。
甘酸っぱい青春と障害(吃音)に苦しむ人の現実。
メッセージは『障害を言い訳にするな!』だと思います。
原作者さんも障害を抱えているからこそのメッセージ。
その証拠に吃音と明記されることが作中で無かったです。
ゆえに作中ずっとなんでしゃべれないのかと考えて観ていたのでモヤモヤする感じ。
あえて明記しないのが原作者さんの意向らしいです。

序盤は緊張してしゃべれないのか周りと上手くいかなかったものの加代と出会って音楽を始めて普通の高校生活を謳歌する志乃。
笑わなかった子たちが笑顔で生き生きとしているのが甘酸っぱさ全開で微笑ましかったです。
弾き語りする『あの素晴らしい愛をもう一度』が真っ直ぐでスッと入ってきて心地良い。

中盤からは順風満帆に過ごしている中で名前が言えないことをいじってきた菊池が一緒に音楽をやりたいといったことでトラウマからか志乃が心を塞いでしまい話は一変。
昔の志乃に後戻り。
結局終盤まで引きずることに。

ラストは今まで溜まりに溜まっていた思いを吐き出す志乃。

この志乃が心を塞いでからがね、自分勝手だなって思ったんですよね。
周りが手を差し伸べてくれたのに逃げてばかりの志乃の行動と考えが理解できなかったです。
もちろん僕には障害を抱える人の気持ちは理解できない(できると言ったらおこがましい)ので、苦しんでいる人にとっては違う印象かもしれません。
ラストで障害をエクスキューズにして逃げていたことを受け入れたことが救いでした。
というわけで、なかなか難しい作品でした。
序盤はエンジョイプレイでしたが、終盤はヘヴィー。
渋い作品。

志乃を演じた南沙良さんは素晴らしい演技と可愛らしさでした。

今後要チェックです。

気になった方は是非。

以上、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』レビューでした。

85点。

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