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平安中期の直衣ってどんな形なんだろうと考えてみた

入襴の袍とは

現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』の中で、弁官と呼ばれる文官は入襴になった袍を着ています。
院政期になると、貴族の装束は強装束と呼ばれる張りのある大柄な装いになります。(教科書などによく載っている伝源頼朝像をイメージしていただけると)
しかし、弁官は蟻先のある袍を着なかったとのこと。
伝統を重んじるからとも、華美を疎んじたからとも言われています。

強装束に対し、中期の装いは萎装束と呼ばれています。

平安中期の直衣のイメージ

御引直衣も描いてみました

御引直衣(下直衣)

半分くらい想像です。
纓は柔らかいので巾子で上げません。
平安時代は、威儀がある着込み方もした御引直衣というより、下直衣/提直衣(さげのうし)なのだそうです。

そう言えば、直衣は背中にはこえという部分が縫ってあるのですが、御引直衣にはないんだと思っていたら、わかりました。

はこえについて

現代見られる直衣の背中には、はこえという部分があります。
どうしてついているのか不思議でした。
説明するより、下の絵を見ていただいた方がわかりやすいかもしれません。

現代の直衣は着やすくするために、古式にはなかった、縫い付けられたはこえと小紐がついているのです。

はこえを作る必要

御引直衣は前をたくしあげることはないので、背中にはこえを作る必要はないのですね。

振りについて

「振り」とは、袂の長い着物を振り袖というように、袖の下の身に縫い付けていない部分です。
平安中期の女性の装束は、振りがなかったといいます。
ならば男性の衣は?

袍に振りはあるのか
紫式部日記絵巻

Wikipedia紫式部日記絵巻 https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Murasaki_Shikibu_Diary_Emakimono_(Gotoh_Museum)_2.jpg より

わからないことがたくさんあります。
間違っていたら教えて下さると、ありがたいです。

2024年2月1日加筆

参考

風俗博物館 公卿冬の直衣→https://iz2.or.jp/fukushoku/f_disp.php?page_no=0000034

八條忠基『有職装束大全』平凡社
八條忠基『別冊太陽 有職故実の世界』平凡社
須貝稔『源氏物語図典』小学館
近藤好和『天皇の装束』中公新書


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